免許書の更新ハガキが届いた。
兵庫県内で即日更新できるのは姫路、明石、神戸、阪神、但馬の5カ所。
明石に住んでいるのだから明石のセンターに行けばいいだけの話なのだが、西明石から明石までのJR運賃が170円で、明石から免許センターまでのバス運賃が230円、すなわち片道400円ほどかかる。
神戸はJRだと元町が最寄りであるから西明石からの運賃は410円。それなら神戸に出てついでに遊んできた方がいいような気がしなくもない。
姫路は東姫路が最寄りで590円。そのまま姫路に出て一杯飲んでくるのもいい。但馬は流石に、、、となって、阪神はどこかといえば伊丹である。
伊丹は仕事ではちょくちょく行くが、街歩きはしたことがない。
そんなもので免許の更新のため伊丹に向かうことにした。
阪急伊丹線の電車は伊丹に到着した。
先に記した通り、伊丹には仕事でちょくちょく、一週間に一度程度であるが来ている。
僕は幼い頃から「伊丹」という地名をわりと頻繁に耳にしていた。
というのも鹿児島から出てきた父親の就職先が某メーカーの伊丹製作所だったのだ。その一部門が赤穂に移ることになり、併せて父親も移動となり、僕が生まれた。
そんなもので、自分が仕事で伊丹に来たときは「ああ、父親が15歳のときにやってきたところなんだなあ」と何とも感慨深いものがあった。
しかしながらちょくちょく通ううちに気づいたことがある。
父が勤めていた伊丹製作所は伊丹市にはなく、尼崎市にあるのだ(笑)だから尼崎にいた母と接点があったということか。
うーむ、神戸市西区にあるのに「明石店」を名乗る店が多々あるのと似たようなものなんだろうか。
何はともあれ免許更新へ。
阪神免許更新センターは阪急ではなくJRの伊丹が最寄りみたいでJR駅からなら数分でつくだろう。
あんまり「べき」なんて言葉を使うのは好きじゃないけど、免許に関係する施設で駐車場がないならこちらのように「駅チカ」であるべきだよなあ。
で、今回、大型に必要な「深視力」で引っかかった。
かれこれ10年以上大型は運転していし大型免許を返上してもいいかとも思ったけど、さすがにそれなりに金をかけてとった免許をやすやすと手放すのも、なんて気がしなくもない。
今の仕事を定年になれば、保育園の送迎バスの運転手をやってみたいなあ、というささやかな夢もある。
結論からいえば再検査で受かったのだけど、今仮に自分がバスの運転手をやっていて、免許更新で深視力に引っかかたら、と思うとゾッとした。
阪急の伊丹から来る道中で目をつけていた食堂に入り、親子丼とうどんのセットを注文。
それから店内を眺めているうちに、ここが「そば屋」であり、純白そばとやらが名物であることを知った。
とはいえ注文後である。気づかなかった自分が悪い。
そのうち注文の品が運ばれてきた。
うどんも美味かったけど、「おっ」となったのは親子丼の方で、
びっくりするほど母が作る親子丼の味に似ていた。
まあ、母も尼崎で料理を覚えたみたいなことを言っていた記憶があるし、この周辺では似たような味付けをしているのかもしれぬ。
このあたりで「親子丼」めぐりをしてみるのもよいかもしれない。
ごちそうさまでした。
しばしまちなかを徘徊。
アーケードの商店街もあり、最後にあったのは関西スーパー。
阪急の伊丹駅前にも、免許センターに行く道中にもあったからこの近隣だけで3店舗もあることになる。うちの近所にないスーパーに入るのは徘徊の醍醐味で楽しい。
しばし歩いて市立伊丹ミュージアムへ。
さきほど昼飯を待っているときにサイトを見ていたら面白そうな展覧会をやっており、かつ土日は予約が必要とのことでネット予約だけしていた。
お邪魔したのは「伊藤潤二展 誘惑」。
僕はこの方の作品を拝見するのは初めてだったけど、もし僕が小学生の頃にこの方の絵を見る機会があったら間違いなくトラウマになっただろうな、と思えるほどの「怖さ」があった。
一つ一つの作品に吸い込まれていきそうな、そして自分の後ろから様々な「目」が見ている、見られている、常に視線を感じる、そんな気分になってくる。
近年拝見した展覧会の中ではダントツにイチニを争う、満足できる内容だった。
市立伊丹ミュージアムの並びというか敷地内に旧岡田家住宅がある。かつての酒蔵。
僕は今回初めて知ったのだが伊丹は「清酒発祥の地」であるそうな。
「当然、諸説ありますし、日本酒自体は以前からありました。しかしながら江戸時代は濁り酒が主流でして、この伊丹で澄んだ酒、清酒が誕生したんです」と係の方の弁。
さらにこちらで流れていたVTRでかの有名な進学校、灘中、灘高は灘地区の酒造業界がお金を出し合ってつくった学校であることを知る。
うーむ、何とも酒飲みとしては誇らしい話ではないか(笑)
ぼちぼち「ひとっぷろ」としたい。
今回お邪魔したのは「橘温泉」さん。
Googleマップのコメントを見ると「昭和レトロ」云々と書かれていたけど、
めちゃくちゃキレイにリニューアルされたまさに令和の銭湯。
たぶん、番台のおばあちゃんは昭和の時代からずっとそこに座っていたのだろうけど。
脱衣場のロッカーは少し大きめで上下二段に仕切られていた。脱いだものと着替えを分けたい僕には嬉しい構造。
身体を洗い、ちょっと熱めの深風呂に身を鎮めると、
「この熱めの湯こそ銭湯の醍醐味だよなあ」と思う。
家族連れが多いスーパー銭湯だとどうしても「熱めの湯」は設定しづらいわなあ。
こちらで面白いなあと思ったのはわりと広めの露天風呂がすべて水風呂になっていたことか。まあ、何もかも縮み上がるような冷たさでしたww
風呂上がりは缶ビールで一息つく。
ニコニコと愛想のいいおばあちゃんも相まってなんとも居心地のよい銭湯だった。
またお邪魔します。
いい気分になって阪急の伊丹駅を目指した。
今回、ポツポツ雨が降り始めたので早々の退散となったのだけど、
道中には気になるたこ焼き屋さんに餃子屋さんもあったし、
伊丹には今どきめずらしい市営バスも走っている。
(兵庫県だと神戸と伊丹のみ)
是非再訪してバスに乗って宝塚方面に抜けたりしてみたいもの。
帰宅した僕は伊丹の酒で晩酌。
ついでにネットフリックスで伊藤潤二さんの作品を見たら、めちゃくちゃ怖かった、けどハマりそう。恐怖は時に快感へと変貌するのよなあ、、、