北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

小松昭和紀行 〜餃子菜館 清ちゃん〜

JR北陸本線小松駅のホームに降り立つ。

小松駅北陸本線には3駅しかない高架駅の一つで、

人口10万8000人あまりを抱える小松市の玄関口だ。

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小松といえば建設機械の「コマツ」の創業地であり、

小松空港は石川・福井両県の空の玄関口であり、

粟津温泉や那谷寺を擁する観光の街でもあり、

特急列車も「ほぼ」停車する。

 

だが、北陸三県をウロウロしていても

なかなかピンとこない街であったりする。

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理由はいくつかあげられるのだが、

例えば福井〜金沢を国道8号線で行き来していても、

小松だけは街から遠く離れた立派なバイパスのおかげで、

「途中で降りて飯でも食うか」なんて気分にもなれないこと。

 

北陸道小松市周辺は日本海すれすれのところを走っており、

なかなか街の様子は伺えない。

JRにしても乗り換える路線がある訳ではないから、

わざわざ下車する理由もない。

 

そんな街に何をしに来たかと言えば

「電車」を見に来たのだ。

春先に北陸おでかけパスででかけた時に

車窓からボンネット型の特急車両が見えたことによる。

 

この車両を見るだけで価値があるのでは、

そう考えて福井から電車に揺られてやってきた。

運賃は840円だったから敦賀より近い(笑)

 

駅で見かけたポスター。

福井は無視なのね(涙)

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小松駅の改札を抜け、

金沢方面に3分も歩けばボンネット型の特急車両が現れた。

車両は「クハ489系」

週末には車内見学もできるようだが、

この日は平日のため外から眺めるだけだった。

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www.kuha489-501.jp

で、車両の刻印を見て気づいたのが

この車両が製造された年と

僕が生まれた年がたいして変わらないということか。

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(かろうじて僕の方が若いですよ・笑)

イベントもたびたび行われているようで、

いい余生をおくってるなーと嬉しくなった。

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これにて本日の目的は達成であったが、

せっかくなので小さいおっさんは街をさまよう。

小松の街は整備された一画と、

昔ながらの町並みが入り混じった空間だった。

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途中で見かけた食堂。

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驚くべきことに「24時間営業」とある。。。

昼飯の候補にしておこう。

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こまつ曳山交流館みよっさ。

中には見事な曳山が2基展示されており、

係の女性が丁寧に説明してくれた。

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「みよっさ」とは「~してみよう」という小松の方言であるとのこと。

小松では祭りで「曳山歌舞伎」が披露され、

演じるのは地元の女子であること。

「本当の歌舞伎ファンの方には『女子が歌舞伎とは何事か』とも言われますが」

係の女性は笑った。

 

アーケードのある商店街。

この日が水曜日だったので定休日の店が多いのか、

本当にシャッター商店街なのか、

そのあたりはよく分からない。

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それにしてもここは本当に小松駅から徒歩数分の場所なのか。

駅やバスロータリーが今時なのに、

ギャップがすさまじ過ぎる。

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そして気づいたことがある。

たまたま、かもしれないが、

2時間ほど街を徘徊して、

駅構内のセブン-イレブンを覗けばまったくコンビニを見かけなかった。

 

そのうち腹が減ってきた。

さっきの24時間営業の食堂でも行ってみるかと思った矢先、

目の前に中華料理の店が現れた。

「餃子菜館 清ちゃん」とある。

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餃子にビール、うん、これでいい。

 

表から見るより店内は広い。

カウンターの中は調理場になっており、

調理をする方が4人もいる。

カウンターの端の席につく。

 

餃子菜館であるし、

とメニューの一番上に載っていた

「焼き餃子」と「水餃子」、「生ビール」を注文。

女性の店員さんが「ビールは今お持ちしますか?」と

ちゃんと聞いてくれるのが嬉しい。

「餃子と一緒にお願いします」

僕は言った。

 

ちょうど昼時だったのか、

先客は1人であったが次々とお客さんが入ってくる。

そして気づいたのだが、

テーブル席についたお客さんは「定食」を注文している方が多く、

カウンター席についたお客さんの大半が

「焼きそば」と「餃子」を注文しているのだ。

 

ここでようやく「食べログ」をチェックしたら、

どうやらこのお店、「塩焼きそば」が有名であるらしい。

うーむ、餃子2種類頼んじゃったしな、、、、

 

ほどなくして水餃子がやってきた。

自分の中で「水餃子」と言えば、

味のついたスープの中に餃子が浮かんでいるイメージであるのだが、

ここの水餃子は湯の中に餃子が浮かんでいる。

 

絶妙なタイミングで生ビールが出てきた。

クイッと喉を潤して、

穴あきお玉で餃子をすくう。

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あつっ!

ぷるーん!

もちっ!

じゅわっ!!!

 

ほどなくして焼き餃子が出てきた。

 

あつっ!

かりっ!

じゅわっ!!!

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ビールをくいっと飲んで焼き餃子と水餃子を交互に口に放り込む。

餡に味がしっかりついており、

タレの必要性を感じない。

 

その昔、初めて富山駅前の餃子会館本店で餃子を食した時の感動を思い出した。

先日訪れた台北の福大山東蒸餃大王の餃子を食した時の感動を思い出した。

 

40年以上生きてきて、

餃子で感動したのはこの2店舗のみだった。

一応、宇都宮や浜松の有名店も訪れてはいるが、

ウマイとおもっても「感動」したとは言いがたい。

ところが今日、1店舗増えたことになる。

 

さらに食べログによれば、

この店は北陸で初めて餃子を提供した店であり、

近所では主人の弟さんが「勝ちゃん」なる店をやっているらしい。

 

何だか小松にずぶずぶハマっていきそうな自分がいた。

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「清ちゃん」から徒歩数分のところにアパホテルがある。

今や全国各地にあるアパホテルであるが

発祥は石川県だ。

大浴場を備えているホテルも多く、

北陸の場合、外来入浴もできたりする。

 

僕はスマホのホーム画面にアパホテルの割引券を常駐させており、

福井、金沢、富山でたびたびお世話になっているのだが

今月(10月)、「スパ小松」は600円で入浴できるらしい。

 

で、自販機で600円の入浴券を購入し、

フロントでスマホと共に提示したら、

受付の女性が「あっ」なんて言う。

 

おいおい、

まさか無効なんて言わないよな、

なんて思ったら

「平日の15時までは500円で入浴していただけます」

と、100円戻ってきた。

(あくまでこの日の話です)

 

福井のアパスパはちょっと薄暗いのだが、

小松のアパスパは窓が大きくとられていることもあり、

明るくて気持ちいい。

 

今度相方と小松空港を利用するなら、

いや金沢に車で行くなら

是非小松の街にも立ち寄ろう。

餃子も食べたいし、塩焼きそばも気になるし、

24時間営業の食堂も気になる。

 

僕は駅で缶酎ハイを買って、

敦賀行きの普通電車に乗り込んだ。

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