北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

フレンドリーバスと福井県立図書館

 福井に来てから図書館と言えば

ずっと市立図書館を利用していたけれど、

最近のお気に入りは「県立図書館」だ。

 

図書館とは思えぬほど洗練されたデザイン、

ゆったりと配置された椅子、

館内にはWi-Fiも完備されていて、

パソコンを持ち込んでカタカタやってる人も多い。

 

楽しいのはずいぶんと街なかから外れた位置にあるもので、

無料の「フレンドリーバス」に乗れることだ。

福井駅前からだと30分おきに出ていて、

所要時間も30分。

 

カフェもあるし、雑誌も充実してるし

行けば一日なんてあっという間に過ぎてしまう。

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さて、その日も14時すぎまで図書館にいて、

そろそろ帰ろうとした矢先だった。

夫から「飯はいらん」とのメールが入った。

後輩のタカシ君と食べてくるとのこと。

 

「なーんか相談があるらしい」と

一言添えてある。

 

 

 

それなら、という訳でもないが、

帰りに市立美術館に寄ってみることにした。

ここも「フレンドリーバス」で行けるのだが、

今まで一度も行ったことがない。

 

近づいてみると

全面ガラス張りで

三角錐を逆にしたような不思議なデザインになっている。

黒川紀章さんの設計とのこと。

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受付の女性が「今は常設展だけですが」と

何だか申し訳無さそうに言う。

入館料は100円で

コチラのほうが申し訳なくなる。

 

所蔵は福井ゆかりの彫刻家・高田博厚の作品が中心とのこと。

ただ、哀しいことにわたし以外に客がいない。

ズラリと並んだブロンズ像が

みんなわたしを見ているような気がする。

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2階には眺めのいいカフェがあった。

実に居心地のいいスペースで、

平日にはランチもあるようだ。

 

さて、今晩はどうしよう。

コーヒーを飲みながら、ぼんやり考える。

夫は男同士で仕事の相談にでものるのか。

 

先日「おさごえ民家園」で見たタカシ君を思い出す。

彼は男性と二人でいた。

 

そしてわたしにはどう見ても恋人同士に見えた。

 

「おかわり、いかがですか?」

カフェの女性に声を掛けられ、

ハッとなる。

 

「多めに作ったけど、余っちゃいそうだし」

彼女が笑う。

本当に、気の毒なくらい誰もいない。

ありがたくお代わりを頂いた。 

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ゆっくり過ごしてバス停へ向かう。

大きな勘違いをしていることに気づく。

 

わたしは14時32分図書館発のバスに乗り、

14時34分に美術館に着いたもので

それがずっと30分間隔で続くと思っていた。

この時16時だったから16時04分発があると思っていた。

 

しかし時刻表を見てもない。

このバスはルートが2種類あり、

共に美術館を通りはするものの、

図書館の先に行くか後に行くかの違いがあるのだ。

 

したがって同じ福井駅前に向かうにも関わらず、

バスのりばは反対側にもう一ヶ所あり、

それも15時53分に出ていると分かった。

結局次のバスは16時34分ということになる。

 

よりによってここは見通しがいい。

16時02分に図書館を出たバスはこちらに来ることなく

反対側へと走り去っていった。