北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

有馬・六甲周遊なる徘徊

下界で暮らし始めてかれこれ10年以上たつのに、

相変わらず暑さになれることができない。

そんなのみんな一緒だろ、といわれるかもしれないけれど、

自分の場合、炎天下をウロウロしているとそれなりに汗だくになるが、

それ以上に悲惨なのが信号待ちなどで立ち止まった時で、

頭がクラクラしてきて、かつ息苦しくなり、

額やら後頭部から変な汗が吹き出してきて、

汗をかいたというよりは水をかぶったみたいな状況になってしまうのだ。

 

とはいえ、毎日歩いて通勤している以上、暑さからは逃れられない。

 

そんでもって手放せなくなったのが日傘であったりする。

 

僕は駅とは反対方面に出勤するので、

毎朝夕、相当な数の方々とすれ違う。

女性の多くは日傘をさしているが、

男性は日差しを浴びてぐったりした表情を浮かべている。

そんな中、若い男性の一人が日傘をさして、

悠々と歩いているのである。

 

長らく僕は「男が日傘なんて」と考えていた人間であるけど、

日傘を使ってみることにした。

直射日光から頭を守るっていうだけでここまで違うのかと感動した。

ずっと日陰にいるようなものなので、変な汗をかくことも減った。

最近は暑いというだけで休日は部屋に引きこもり気味であったけど、

日傘のおかげで出かけることが苦痛ではなくなりつつある。

よし、せっかくだし少しは涼しげなところに行ってみるか。

 

 

 

 

山陽明石駅にで有馬六甲周遊パス(明石以東版)2800円を購入。

西明石在住の僕の場合、明石までの往復運賃が340円かかることを考えれば、

新長田まで往復して(640円)、市営地下鉄の基本フリー版(2400円)を購入した方が若干安くなるのだけど、

基本フリー版や阪急版、阪神版が三宮ー谷上が地下鉄利用となるのに対し、

山陽電鉄版は神戸電鉄鈴蘭台経由となるのだ。

50パーミルの勾配が連続する山岳路線を堪能できる、というだけでもこのきっぷを購入する価値がある。

 

 

新開地で三田行きの準急に乗り換えた。

もう少し早ければ有馬温泉行きの直通に乗れたのに、と思ったのだけど、

どうやら有馬口で追いつくらしい。

そして有馬口では対面で乗り換えができるようになっていた。

ただただありがたい配慮。

 

 

有馬温泉はどんより曇り空。

 

 

土曜日とはいえ早朝の温泉街に観光客の姿はない。

こんな静かな有馬を堪能できるというだけでも、

朝からやってきた価値がある。

 

 

有馬六甲周遊パスには金の湯、または銀の湯で使える入浴券がついている。

僕はこれまで銀の湯しか利用したことがなかったので、

今回は金の湯にお邪魔することにした。

 

 

相客は5〜6人といったところか。

おそらく日中はいっぱいであろうから、

やはりこの時間に来て正解だったと思う。

 

 

まあ、風呂上がりのお約束、ですな。。。

 

 

ロープウェイの有馬温泉駅まではわりと急な登り坂となる。

この日は曇り空だったので若干ましだったとはいえ、

風呂上がりの身体が早速汗ばんできた。

 

 

ロープウェイの始発は9時30分。

駅は閑散としており、もう少しお客さんいてもいいのになあ、

なんて思っていたら団体さんが現れて一気に賑やかになる。

まあ、わりと大きめの搬器だったイメージがあるし、

楽勝だろうとのんきに構えていたら、

添乗員さんが「ロープウェイの定員は42人ですので一度に乗れません。2班に分かれてご乗車いただきます」などと叫んでいる。

うーむ、定員がわずか42人とは思わなかった。

 

 

団体の半数と一般客の混乗でロープウェイに乗車。

定員いっぱい乗っている割に車内には余裕がある。

まあ、僕が以前勤務していた会社のロープウェイなんて、

定員いっぱい乗った時なんてまさに通勤電車と化してたからなあ、、、

これくらいが適正よなあ、、、

 

そしてこのロープウェイに乗車するたびに関心するのが乗務員による案内である。

自動音声があたりまえでありつつある昨今、

その時その時の状況に応じた案内ができるのは素晴らしいことだと思う。

神戸だと市内を走る周遊バス、シティー・ループにもガイドさんが乗務していて

いろいろ案内してくれるけど、

こういった取り組みはもっと知られてもいいのではなかろうか。

 

 

廃止された、というか休止中の表六甲線の搬器とホーム。

乗ってみたかったなあ、と来るたびに思う。

 

 

団体さんはガーデンテラス方面へ歩いていかれ、

その他一般の方もいたはずなのに、

バスを待つはなぜか僕一人。

そして驚くほどに「肌寒い」。

 

 

バスに乗車したのは僕一人。

ガーデンテラスで2人乗ったけど、途中で下車していった。

そんなもので、ケーブルの山上駅は貸し切りに。

 

 

ここもまた感動的に「涼しい」。

一日中六甲山でうろうろしてても良かったけど、

この後連れと飯に行く予定がある。

 

 

到着したケーブルカーからはかなりの数のお客さんが降りてきたが、

乗車したのは僕一人だった。

このルートは神戸の市内側から有馬へ抜けるのが一般的なんだろうか。

(そう考えたからあえて逆向きに来たのだけど)

下りは僕一人だったけど、上りは乗車に手こずるほどだった様子で、

少し定刻より遅れてケーブルカーは出発した。

 

 

このあと連れと合流。

「こないだ遠近両用のメガネに変えたねん」と連れが言い、

「奇遇やのお、わしもこないだ変えたとこや」と僕がいう。

50歳すぎのおっさん同士の会話には随所に「老い」を感じる。

 

 

当初は三宮で昼飯の予定であったが、

たまには新開地にでも行くか、となり、

商店街を歩いていたら湊川まで出てしまい、

「前から気になってた店がある」と連れが言い、

指さした先は僕もかねてから気になっていた店だった。

 

 

店内は適度な賑わいで、多くの客がビールと一緒に食事を楽しんでいる。

若奥さんも厨房から時折姿を見せる旦那さんも愛想がよく、

こりゃ居心地も良さそうだと思う。

先客にならって瓶ビールとお魚定食を注文。

いやはや、こりゃいい味付けだわ。

米も味噌汁も含め、本当に美味しい。

 

 

湊河湯も近いし、すぐにでも再訪することになりそうだ。

ごちそうさまでした。

 

このあとは湊山温泉までぶらぶら歩き、

日が暮れるまでだらだらと過ごした。

生ビールと缶酎ハイがすすむ、すすむ。

夜に別用がある連れとはここでお別れ。

 

 

日が落ちると日中の暑さが嘘のように、

心地よい風が吹いていた。

すっかり出来上がっていた僕はフラフラと家路についた。