北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

えちぜん鉄道・志比堺駅〜松岡駅徘徊

最近、福井鉄道の沿線にばかり行っていたもので、

久しぶりにえちぜん鉄道にも乗ってみようと思い、

路線図を開いてみる。

 

「これまでに利用したことのない駅」

そんな視点で見てみると、

三国芦原線は残す所本荘駅と三国神社駅だけだが、

勝山永平寺線に関しては抜けている駅が多い。

 

そんなもので志比堺駅で下車して、

松岡駅まで歩いてみることにした。

松岡駅前には以前から気になっている「そば屋」がある。

そちらで「そば」をつるっと頂いて帰ってくるのも、いい。

 

 

 

えちぜん鉄道福井駅の新駅舎は、

だいぶ姿を表してきた。

ずいぶん立派な建物だなあ、というのが素直な感想で、

これまで京福電鉄えちぜん鉄道が辿ってきた歴史を考えると、

何とも感慨深いものがある。

 

来年の夏には新駅舎の供用が開始。

えちぜん鉄道の1ファンとしてはただただ待ち遠しくもあり、

きっと涙しちゃうだろうなあ、、、、

 

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ホームに上には、夏休み中ということもあってか、

若い学生風の鉄道ファンの姿も何人か見かけた。

えちぜん鉄道では夏休みの期間中、

学生向けにフリーきっぷを発売している。

 

若い鉄道ファンのみなさん、

今年の夏は是非福井へお越しください。

福井は着々と変貌中で、

今しか見れない光景が多々あります。

 

電車はしばらく住宅街の中を走り、

越前新保駅を過ぎるとにわかに田園風景が広がる。

北陸道をアンダークロスして永平寺町に入ると、

再び住宅が多く建ち並んでくる。

 

そして、松岡駅を出ると急に山が迫ってきて、

遠くに九頭竜川が見えてくる。

勝山永平寺線の中でも好きな車窓が眺められる場所のひとつ。

 

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福井駅から約22分で志比堺駅に到着。

周辺は緑が濃く、電車が去ってしまえば物音ひとつ聞こえない。

 

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駅は山肌にへばりつくような場所にあり、

下の道路とは急な階段で結ばれていた。

階段を下りて線路沿いの道をぶらぶら歩く。

 

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それほど歩いたつもりもないのだが、

気づけば以前に松岡駅周辺を徘徊した時に訪れた神社が現れた。

夏祭りでもあるのか、色とりどりの提灯が揺れている。

 

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だんだん気温が上昇してきたみたいで、

拭えども拭えども汗が止まらなくなってくる。

福井市内の暑さよりはマシな気もしなくもないが、

暑いものは暑く、だんだんぐったりしてきた。

単に体力が落ちているのかもしれないけれど(涙)

 

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図書館の先に、今回伺ってみたい場所のひとつだった

天龍寺」という寺があった。

 

静かな境内はそことなく涼しげな空気で満ちており、

汗がスッと引いていく、

そんな心地よさがある。

 

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僕がこのお寺の存在を知ったのは

「座禅」をさせていただけるということだった。

富山に住んでいた頃はたまに「リセット」したくなった時、

金沢の大乗寺さんで座禅を組んでいたのだけれど、

福井からだと遠いものでなかなか行く機会がない。

 

では福井で、と探して出てきたのが天龍寺さんだったのだが、

なかなかタイミングがあわずにその機会に恵まれないままでいる。

そろそろいろいろ「リセット」しないといけない、

とは分かっているのだけど、、、、

 

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今回、天龍寺さんを訪れて初めて知ったのが、

こちらが松尾芭蕉の「おくのほそ道」にも登場する寺であるということ。

松尾芭蕉も「おくのほそ道」もよく耳にするが、

そもそも僕は「おくのほそ道」をまだ一度も読んだことがなかったもので、

後で図書館に行って読んでみたら、

以下のような記述があった。

 

松岡にある天龍寺の長老は、古いゆかりのある人なので訪問した。また金沢の北枝という者が、ほんのそのあたりまで送りましょうと言って、とうとうここまで私を慕ってついて来た。この北枝は、道すがらも、所々の風景を見のがさず、句を考え続けて、折々は情趣深い句を作っていたのであった。いま、いよいよ別れにあたって、私も

物書きて扇引きさく名残哉

「もう秋なので、夏の間使い慣れた扇子も捨てる時節になったが、あなたともいよいよ別れる時が来た。離別の形見に酬和の吟を扇に書きつけて二つに引きさき、それぞれに分ち持って名残を惜しむことであるよ」

日本の古典をよむ おくの細道より

 

今後はちゃんと日本の古典も読んでみようかな(笑)

 

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天龍寺の脇に松岡公園への登り口があったけれど、

「通行禁止」の看板が出ていたもので、

少し町をぶらついて、

汗びっしょりになったところで永平寺町の図書館で涼ませてもらう。

 

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そのうち11時になったもので、

そろそろ開いているかと思い、

松岡駅前にあるそば屋「毘沙門」さんを訪ねた。

 

ところが営業している様子はない。

軒先には「11時から」とあるが、これはどうしたものか。

10分ほど待ったが開く気配がないもので、

断念して他をあたることにした。

 

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松岡にはもう一軒、そばの超有名店があるのだが、

そちらは相方が近々行きたいと言っているもので、

なら他に、と思ったが、そもそもあまりお店が見当たらない。

 

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ショッピングセンターの隣に中華料理屋があったが、

こちらもまだ「準備中」。

そのうち汗びっしょりになって歩いていると、

一件の食堂を見つけた。

池田屋」とある。

 

この時点でのれんもかかっていなかったのだけれど、

店内に誰かいる様子は伺えたもので、

開けてみたら愛想のいい女将さんが「どうぞどうぞ」とのこと。

ふう、助かった。

 

親子丼とうどんのセットを注文してしばし待つ。

しばし待って供された親子丼は、

出汁が効いたあっさり味のもので、何とも自分好み。

するするすると胃の中に収まる。

 

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冷たいうどんも汗ばんだ身体に心地よい。

ごちそうさまでした。

 

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しっかり涼んで店を出たらポツリポツリと雨が降り始めた。

うむ、まずい、どうしよう。

観音町駅の方が近いのか、

松岡駅の方が近いのか、

ヨソモノにはさっぱり分からぬが、

とりあえず松岡駅を目指す。

 

駅まであと僅か、といったところで、

雨は勢いを増し、まさに「土砂降り」の様相となった。

 

やれやれ、

汗でずぶ濡れになり、

汗がひいたと思ったら、

今度は雨でずぶ濡れかいな。

 

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さらにこの時点で、当初の目的だった「毘沙門」さんには

のれんがかかっていた(笑)

 

僕は再び電車に揺られて福井へ帰った。

 

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