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北陸徘徊人

福井・石川・富山を中心にゆるーい旅を満喫中

山陽本線空腹列車 〜JR秋の乗り放題パスの旅・その2〜

JR

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13時40分、岩国行の普通電車は白市駅を出発した。

車内は閑散としている。

ビールも買えず、

タバコも買えず、

もはやあくびしかでない。

 

ところが閑散とした状況は西条駅で一変した。

ホームには人が溢れかえっており、

一気に車内が賑わう。

どうやらこの日、西条駅周辺では全国1000種もの酒が飲める

「酒まつり」なるイベントが行われていたようだ。

sakematsuri.com

 

「なあ、俺はここで酒祭りに行ってくるから一人で宮島行ってこいよ」

と相方に言ったら普通にパンチが飛んできた。

 

それにしても、みなさん、いい具合に酔っ払っている(笑)

羨ましい限りだ。

 

ほんのり酒臭い電車は西へ向かう。

相生を出てからすれ違う列車と言えば

貨物列車か黄色い電車ばかりであったが、

広島が近づくとステンレス製の電車も増えてきた。

今年3月のダイヤ改正で広島地区に導入された227系「Red Wing」で、

久々にJR西日本の車両としては男前なデザインである。

 


JR西日本 『Red Wing』 227系8両編成(A09編成+A06編成+S01編成 ...

 

白市発の電車も「Red Wing」ではないのかと密かに期待していたが、

残念ながら黄色い115系で、

さらに転換クロス改造もされていない車両だった。

悲しいといえば悲しいが、

ある意味懐かしくもある。

 

電車は八本松駅を出た。

セノハチと呼ばれる勾配を駆け下りる。

「次の瀬野ってとこにさ、面白い乗り物があるンだよ」

珍しく起きて車窓を眺めていた相方に僕は言った。

スカイレールっていう、モノレールとゴンドラの中間みたいな奴でさ、山の上にある住宅を結んでる」

 

2年ほど前、僕は地元の幼なじみである「じん」と2人で

本当にいきあたりばったりで広島までやってきた。

 

市内でさんざんウマイものを食し、さんざん飲みまくった翌日、

「どうしても寄りたい」と寄ってもらったのがスカイレールだ。

鉄道にまったく興味を示さない「じん」が

「何じゃこりゃ!」と子供のようにはしゃぎまわっていた、と、

そんな話をした。


2013.09.25【フルHD 前面展望・高所恐怖症の方は要注意!】広島 スカイレールサー ...

「で、乗りたいン?」相方が冷ややかに僕を見た。

「乗りたい」僕は正直に言った。

スカイレールにも乗りたい、それだけじゃなくてアストラムラインにも乗りたい、路面電車にも乗りたい」

「それで宮島に行けるなら寄ってもいい」

「無理、かな」

「今回の目的地は宮島なんだからね」

相方の口調が厳しくなる。

 

これ以上余計なことを言うのはやめておこう(涙)

 

15時ちょうど、電車は宮島口駅に着いた。

駅から数分も歩けば宮島口の桟橋に到達する。

宮島口から宮島へ渡る航路はJRと宮島松大汽船の2社があり、

共にかなりの本数がある。

無論、乗り放題パスが使えるのはJRのみ。

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夕方も近い時間であるにも関わらず、

桟橋には大勢の観光客が船を待っていた。

 

さすがは「世界遺産」と言ったところか。

ただこの日、ユネスコが「南京大虐殺」を世界記憶遺産に登録した、

なんてニュースが流れていた。

先日も世界遺産登録をめぐり韓国と色々あったと記憶している。

 

どうも最近の乱発やゴタゴタを見ていると、

もはや「世界遺産」なんてものに何の価値もないような気がするが。

 

ほどなくフェリーは出港。

JRの宮島行きは日中の便に限り厳島神社の大鳥居に接近してくれる。

冷静に考えればこれまで宮島へは宮島松大汽船ばかり使っていたので、

海から見る大鳥居が実に新鮮だ。

ちょうど潮が引いた時間帯で、

鳥居の下にも大勢の観光客の姿が見えた。

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ただ、相方は「海に浮かぶ鳥居」に期待していたようで、

「何か違う」とブツブツ言っている。

なかなか色々と難しい(笑)

「そのうち潮が満ちてくるわいな」僕は言った。

 

フェリーは宮島桟橋に到着した。

 

先に大鳥居を見学。

徐々に潮が満ちてくるのが分かる。

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続けて厳島神社を参拝。

 

こんなことを書けば怒られるかもしれないが、

厳島神社に安っぽい「世界遺産」の称号なんて要らぬとやはり思う。

国宝・厳島神社、絶対にこっちの方がふさわしい。

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「揚げもみじ」や「にぎり天」を食しながら

宮島桟橋へ向かう。

この頃には大鳥居も海の中にあり、

「この景色が見たかった」と相方はご満悦である。

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再びフェリーに乗り宮島口へ戻る。

 

さて、今宵の宿は山口県防府である。

何で広島市内に戻らなかったかと言えば、

どうしても船に乗りたかったからだ。

翌日は九州まで行き、夜のフェリーで関西へ。

これで僕の船旅をしたいというささやかな願いも叶う。

 

そんなもので計画をたてた時点で宮島口の西、

岩国あたりで宿を探したのだがなかなか条件に見合わなかった。

で、相方が「防府ってところで一室あいている」と言った。

「なら抑えちゃえ」僕は適当に答えた。

「船もとれた」相方は言った。

「いいぞいいぞ」僕は言った。

 

が、僕は大きな勘違いをしていた。

 

僕が山口県の地名に疎いのが最大の要因であるのだが、

相方が「防府」という地名を出してきた時、

何となく岩国と徳山の間にあると思い込んでいたのだ。

そんなもので防府は宮島口から近いと思い込んでいた。

 

そんなもので宮島口までのことは必死で調べていたにも関わらず、

宮島口から先のことなどたいして考えてもいなかった。

 

で、お恥ずかしながら僕が「防府」だと思っていた街は

「柳井」という街であった。

宿とフェリーを確保して

2日目の計画をたてる段階になって

ようやく防府が徳山の先にあると気づいたことになる。

 

時刻表を見れば宮島口から防府は距離にして約115キロ、

2時間以上かかる。

宮島口を17時50分に出る電車に乗っても防府着は20時04分。

「電車に乗りっぱなしになるけど大丈夫か?」

僕は心配になって出発前に相方に問うた。

 

「乗ってればえんやろ」

相方は何が心配なのか分からない、そんな様子で応えた。

僕には普通列車の旅など半分苦痛でしかないが、

相方には苦でも何でもないようだ。

意外と僕なんかより鉄道旅に向いているのかもしれない。

 

宮島口駅に着いたのは17時20分過ぎ。

時刻表を見れば17時29分に岩国行の電車がある。

17時50分発の列車に乗っても防府着は同じであるが、

岩国駅での乗り継ぎに余裕ができるし乗るべ、

と改札をくぐった。

 

ホームで電車を待っていると、

向かいの広島方面の乗り場に227系「Red Wing」が入線してきた。

赤のアクセントが効いていて、

見れば見るほど男前な電車である。

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こちらにも来てくれないかと期待していたら、

神は見放してはいなかった(笑)

それも8両編成だ。

これくらい繋いでいると迫力もある。

「綺麗な電車やなー」と相方もご満悦である。

 

だが、この美しい最新の電車は岩国駅までだ。

所要時間はわずか23分。

「やっぱ新しい列車は快適やなー」

なんて言っているうちに岩国駅に着いた。

「もう降りるん?」と相方は不満気である。

 

岩国駅のホームに降りるとお腹が「グーッ」と鳴る。

福井から延々と電車に乗ってきて、

まともな食事は11時前に岡山でとったきりだ。

宮島でちょこまかつまみ食いをしたもので

何となく腹が満たされていたような気がしていたが、

腹は正直である。

 

この先防府まではまだ1時間40分ほどかかる。

弁当でも売ってないかと駅舎まで走ったが、

小さな売店がひとつあるだけで弁当はない。

仕方ないのでビールとつまみとチョコレートを購入(涙)

 

新山口行きはやはり黄色い115系だった。

 

18時15分、広島方面からの「Red Wing」が到着。

僕達が座っていた4人掛けのボックスシートに年配の夫婦がやってきた。

18時16分、定刻に出発。

ガクンと大きく揺れる。

 

「何や、急にボロい列車になったのお」

と旦那さんが言い出して相方共々吹き出してしまう。

 

この先の山陽本線は海沿いを走るが、

残念ながら窓の外は暗闇だ。

広島までなら日中に在来線できたこともあるが、

山口県内の山陽本線寝台特急しか使ったことがない。

そんなものでこのあたりの景色は知らない。

 

柳井で相席だった年配の夫婦は降りて行き、

車内は空席が目立ち始めた。

 「カタンコトン」

走行音だけが静かな車内に響く。

 

景色は見えず、ビールも切れた。

「お腹すいた」相方が言った。

防府に着いたら旨いもんを食おう」

「山口名物って何があるンだろ」

相方は言ったが、僕の乏しい知識では下関の「ふぐ」くらいしか思いつかない。

 

20時03分、電車は防府駅に着いた。

1面2線であるが立派な高架駅だ。

駅の南側には巨大なイオンの看板がそびえている。

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今宵の宿は北側にあるアパだ。

途中に居酒屋でもあれば寄って行こう。

 

高架線から眺めると大きな街であるような気がしたが、

通りを歩いても飲食店がそれほど見当たらない。

賑わっていた居酒屋を覗いてみれば「40分待ち」と云われて退散。

 

近くにショッピングセンターがあった。

それなりの規模だ。

きっと中にフードコートくらいはあるだろう。

 

しかし食事をとれそうなのは3階にあるうどん屋くらいだった。

「とりあえず何か食べよう」僕は言った。

 

店は閉店間際だったが客は数組いた。

相方は「天ぷらうどん」を注文した。

すると愛想のいい男性店員は

「申し訳ありません、さきほど天ぷらは終了しました」と言った。

「なら、わかめうどんで」

 

僕は「うどんとかやくご飯のセット」を注文した。

すると愛想のいい男性店員は

「申し訳ありません、さきほどご飯物は完売しました」と言った。

 

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