北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

京阪本線・ヘロヘロな徘徊

かねてから京都にある石清水八幡宮を訪ねたいと思っていた。

厄除開運、必勝祈願のパワースポットであるらしい。

 

訪ねたいと思いながらなかなか足が向かなかったのは、

京阪にはとてつもなく魅力的な特急車両が走っているもので、

どうしてもそちらに乗ることを優先してしまい、

特急が止まらない駅が必然的に縁遠くなってしまっていたから、

といえる。

 

そんな矢先、大阪在住の連れが「伏見稲荷に行ってみたい、一度も行ったことがない」と言い出した。

そういや自分も随分前に真夜中に行ったきりで、

明るい時間帯には行ったことがない。

そして僕が行きたい石清水八幡宮と同じ京阪本線沿線である。

それなら一緒に行くかということになった。

 

京阪本線には石清水八幡宮参道ケーブルも利用できるフリーきっぷが存在するが、

前売りだと1200円、当日購入だと1500円(2024年1月現在)とずいぶん差がある。

そんなもので連れには前日までにフリーきっぷを購入するように伝え、

淀屋橋駅で待ち合わせることにした。

 

 

 

阪神電車の福島駅で下車して京阪の中之島駅を目指す。

梅田から淀屋橋まで歩くには微妙な距離だし、

かといって地下鉄だと190円だし、

JRで大阪から京橋だと170円だけど、

少しでも安く行こうと元町から阪神に乗り継いでいるもんで、

うーむ、何だか微妙だなあという気分になり、

地図を見てたら福島駅と中之島駅が案外近いよなあなどと考えた次第。

 

 

中之島駅でフリーきっぷに引き換え、電車に乗車。

天満橋まで行って引き換えしても良かったけれど、

何となく大江橋で下車して淀屋橋まで歩いた。

 

 

淀屋橋で連れと合流、特急に乗り込む。

普段京阪に乗る機会がないという連れは

「めっちゃ豪華やなあ」と感激している。

なぜか僕も嬉しい。

 

樟葉で乗り継いで石清水八幡宮駅で下車。

出発時間が迫っていたのでケーブルのりばに急いだ。

ケーブルの乗車時間は約3分であったが、

途中に橋梁もあるなどなかなか見応えがあった。

 

 

山上駅からしばし歩いて石清水八幡宮に到着。

今年も美味しくお酒が飲めますように、、、、

 

 

再びケーブルに乗って下山。

下りの乗り継ぎもわりとギリギリ。

まあ、一本ずらせばいいだけの話なんだけど。

三条行きの準急に乗車して伏見稲荷で下車。

 

 

駅を出ると参道は人で溢れかえっていた。

聴こえてくる言葉の多くは外国語で

そりゃインバウンドに期待するのも無理はないはなあ、と思う。

 

連れが「朝飯食ってないから腹減った」と言い出した矢先、

眼の前に「鳥貴バーガー」の看板が見えた。

焼き鳥の「鳥貴族」がやっているバーガー屋である。

連れが「食べてみたい」と言い、「よし、食っていこうか」と答える。

この日の早朝、

元町のマックでチキンマックマフィンのセットを食べていたことは黙っておいた。

 

 

マックにはない「生ビール」をつけて朝との差別化を図る。

シンプルに美味いバーガーだった。

 

 

伏見稲荷は「人、人、人」。

千本鳥居もまた「人、人、人」。

僕はビールも飲んだので適当なところで引き返すつもりでいたが、

連れは山頂まで行く気満々である。

元山小屋従業員としては意地を見せたいところ。

 

 

上がれば上がるほど、人は減っていった。

みんなどのタイミングで引き返しているのだろうか、

なんてことを思いながら登る。

 

 

どうにかこうにか山頂に到着。

10ほど年下の連れは満足気な表情を浮かべているが、

50を過ぎた僕はヘロヘロ。

 

 

帰りはそれなりにサクッと下ったが

足はガクガクになっていた。

以前、ライターの鈴木智彦さんがSNS

「50歳すぎの誕生日は、ひとつ歳をとるのではなく、ひとつ老いるになるんだよ」と記されていて、

まさにその通りだなあ、と実感した。

 

 

伏見稲荷駅に戻って三条まで電車に揺られる。

少し遅くなったけどお昼にしたい。

今回お邪魔したのは三条駅から東へ数分歩いたところにあるうどん屋さん。

お目当ては「カレーうどん」。

 

 

一人で家にいる時の昼食にもレトルトのカレーを出汁に入れて作ったりしているけど、

やっぱりお店のカレーうどんって一言で言い表せない旨さがあるよなあ。

ネギも肉もたっぷり、かつ案外スパイシー。

じわじわと額に汗がにじみ出てくるのがわかる。

しっかり汁まで飲み干して外に出たけど、

しばらく汗がひかなかった。

ごちそうさまでした。

またお邪魔します。

 

 

この日のひとっ風呂は大阪に戻ってから浴びることにした。

せっかくフリーきっぷを所持しているので出町柳まで行き、

淀屋橋までプレミアムシートを堪能。

 

 

淀屋橋から京橋に戻り、東へしばし歩く。

今回お邪魔したのはユートピア白玉温泉さん。

一見、銭湯とは思えぬ建物から、

お客さんが続々と出てきて、続々と入っていく。

 

 

1階が駐車場、脱靴場、券売機、

2階がフロントと浴室。

フロントの女性がとてもテキパキしてて好印象。

脱衣場、そして浴室も明るくきれい。

 

内湯につかりながら外を眺めると、

全裸の男たちが屋外の階段を行き来するという、

何ともシュールな光景がみられた。

はて、何があるのかと思ってみれば、

休憩スペースが設けられていた。

こりゃ人気があるのも頷ける。

 

こちらの銭湯、京橋駅から歩いても10分かからないし、

朝6時から深夜1時までの長時間営業、かつ年中無休。

ボディソープにシャンプーも完備とまさに至れり尽くせり。

基本的に朝から風呂に入るのが好きだし、

大阪に来た際はちょくちょくお世話になることになりそうだ。

 

いいお湯でした。またお邪魔します。

 

この後は京橋で一杯ひっかけて、連れと別れ、

酔いもまわったのでJRで帰ることにした。

立って新快速に乗る気力はなく、Aシートを確保する。

 

大阪駅に着くと「サンダーバード 金沢」の案内が見えた。

サンダーバードが出るのは11番線だけど、

あえて10番線から眺めてみることにした。

 

 

僕はいつもサンダーバードに「乗る」側だったもので、

こうして反対側のホームから眺めるのは初めての経験だった。

 

初代の681系先行試作車がデビューしたのが1992年だから、

僕が高校を卒業して富山の山小屋に就職した年。

実際に乗車するようになったのは1995年以後だったと思うけど、

サンダーバードの歴史は僕の北陸での生活の歴史とほぼ合致する。

 

若い頃はもっぱら喫煙の自由席ばかり使ってて、

そのうち指定席をとることを覚え、

生活が安定するようになってからはグリーンも利用できるようになった。

(その後やらかして自由席に戻ったりもしたw)

 

今は金沢と和倉温泉行きしかないけれど、

かつては長野や宇奈月立山、魚津、富山行きが存在していた。

それがまもなく敦賀行きのみとなる。

 

 

乗り換えは恐ろしく面倒くさそうであるけれど、

春になったら敦賀行きのサンダーバードに乗って、

富山や福井に里帰りをしたいなあ、と思う。

 

どうせなら出発する様子まで眺めたかったけれど、

Aシートを抑えている新快速の出発時刻も迫っていた。

僕は少しおセンチな気分に浸りつつ、帰路についた。