北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

前略、福井県さま 〜北陸新幹線敦賀開業の憂鬱〜

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北陸新幹線が福井でどう報じられてきたのか、

そんなささいな興味が要因で、

新幹線の建設に至る年表を参考にしつつ、

過去40年分ほどの新聞を読み終えると

図書館の閉館時間は近づいていた。

 

18時前なのに外は闇だった。

夢中になりすぎて、

昼飯をとることすら忘れていた。

 

帰宅しても相方は不在で、

適当に晩飯を作ってビールをプシュリとやる。

それから書き溜めたノートを広げた。

 

新幹線を作る、

国からそう言われれば、

地方にしてみれば喜んで当然のこと。

 

それからはや40年。

 

2022(平成34)年末に開業する、

なんて言われてもさっぱり福井で盛り上がる気配がないのは、

裏切られることに慣れっこになっているからか。

いや、違う。

 

福井県民の大半が「関心がない」からではないだろうか。

少なくとも僕の回りに「新幹線」に関心を持っている方は、

誰一人いない。

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日常の足は全てクルマ、

JRすら「長いこと乗ってない」

そんな感じ。

 

「休みは何してんの」

「パチンコ」

「・・・」

ま、富山も似たようなもんだったけど。

 

富山の場合、平成16年に新幹線のフル規格着工が決まった時点で、

本当にお祭り騒ぎのようだったと記憶している。

僕が観光に携わる仕事をしていたこともあるが、

職場でも大いに盛り上がっていた。

 

「新幹線ができたら東京からお客さんがたくさん来てくれる。給料も上がる」

冗談抜きでこんな調子だったのだ。

 

ただ、当時はだれひとり、

大阪や名古屋からの直通列車がなくなるなんて、

夢にも思っていなかった。

東京までの運賃・料金も距離が短くなるから安くなると言われていた。

 

新幹線の開通に関して危機感を持っていたのは

全日空くらいだったのではなかろうか。

 

蓋を開けてみれば言わずもがな。

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富山でお金を持っている方にとっては新幹線ができて

時間的にも金沢や東京が近づいたかもしれない。

 

しかし普段からJRを利用して

高岡や小杉、富山を行き来していた一般庶民にとっては、

単に値上げされて迷惑なだけである。

 

新幹線開通による経済効果は絶大なんておめでたい話は聞くが、

それによって会社員の給料が上がったなんて話は一切聞かない。

 

そして、8年後だか10年後だかにせまった

北陸新幹線敦賀延伸で最も危機感を抱かないといけないのは、

福井県だと思う。

 

いつしか福井先行開業なんて話もすっかり消え去った。

どうやら敦賀まで開業するようだ。

 

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http://www.pref.ishikawa.jp/shink/hokuriku-shinkansen/about.html

 

福井駅までの開業なら

「あー、いよいよ福井にも新幹線がやってきたンだなー」と

これまでの道のりを考えて涙のひとつもでるかもしれない。

 

東京行の新幹線も、サンダーバードしらさぎも、

みんな福井が起終点になる。

一時期新聞紙面上でも盛り上がっていた。

 

しかしどうやら金沢〜敦賀は一気に開業するそうである。

前例からすればサンダーバードしらさぎ敦賀で打ち切り。

そうなればJRは「ちゃっちゃ」と681系や683系の

交流機器を外すなり使用停止にするのだろう。

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これでJR西日本の在来線から交流区間が「ほぼ」消える。

 

高くつく「交直流電車」を作る必要がなくなると

JRは安堵しているかもしれぬ。

でもちゃんと「フリーゲージトレイン」は作ってね。

今後敦賀以西のルートが決まることもないでしょうし。

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でもって福井の第3セクターは車両を新造するにしても

お高い「交直流電車」をいつまでも買わねばならない。

直流電化と交流電化の境目、

いわゆる「デッドセクション」は敦賀駅と北陸トンネルの間にある。

 

福井と敦賀の間を走る電車は必ず「交直流電車」でなければならぬ。

要するに特殊な電車ということだ。

糸魚川の先にもこのデッドセクションはある。

てなもので「えちごトキメキ鉄道」はディーゼルカーにしてしまった。

 

飛び地のようにJRの路線として残っている七尾線

「直流電化」であり金沢からみれば津幡駅の先に

デッドセクションが設けられている。

このため、七尾線の電車は「交直流」

JR西日本にしてみれば「お荷物」だろうな。

 

ささいなことかもしれないが、

案外「デッドセクション」の存在は、

3セク会社に大きな負担となってくるような気がしなくもない。

それにしても恐ろしい響きだ。

日本語では「死電区間という。

 

長きに渡り北陸新幹線は「南越」までと言われてきたのが、

つい最近になって「敦賀」までになったのは、

実はJRの陰謀ではないかと思うのは僕だけだろうか。

 

 ↓南越駅建設予定地

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さて、北陸新幹線という相変わらずルートも決まらない

中途半端な新幹線が敦賀まで開業してしまえば、

嶺北の人間にしてみれば

単に悪夢の始まりといえるであろう。

 

大阪に行くのも京都へ行くのも必ず敦賀で乗り換え。

名古屋へ行くには敦賀米原で乗り換え。

新横浜や品川だって同じ。

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この開業までにフリーゲージトレインが実用化されているのなら素直に喜ぶ。

石川・富山も併せて万々歳であろう。

しかしJR西日本は無理と言っている。

もはやため息と涙しかでない。

 

いったい福井県は何をあせっているのだろうか。

西川さん、稲田さん、どうぞ教えてくだされ。

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前略、政府・国会議員の皆様、

福井県の偉い方々、

新幹線の早期開業を求める方々

 

通りすがりの酔っ払いの四ツ葉来と申します。

私には素朴な疑問がございます。

みなさまは本当に福井県民のことを考えていらっしゃるのでしょうか。

 

私が危惧しているのは新幹線の敦賀開業です。

整備新幹線に関する政府・与党のワーキンググループ(WG)が北陸新幹線の金沢〜敦賀間の開業を現行計画の平成37年度か ら3年早めることを決定したことを受け、JR西日本の真鍋精志社長は、レール幅の広い新幹線と狭い在来線を直通運転できる「フリーゲージトレイン」 (FGT)の開発について、「どんなに頑張っても10年はかかる。3年前倒しすると間に合わない」との認識を示した。

JR西は敦賀-大阪間開業までの暫定措置としてFGTの導入を検討。敦賀-大阪間は在来線を走行、敦賀以北は北陸新幹線に乗り入れることで乗り換えをなくし、利便性を確保したい考えだが、敦賀延伸開業当初は、駅での乗り換えが必要になる公算が大きい。

また、金沢-福井間をさらに2年程度前倒しする案について、真鍋社長は「(福井駅での)車両の折り返しや留置のために用地買収が必要になる」と指摘した。

産経新聞平成27年9月1日配信記事

 

平成37年度の開業なら「間に合うかもしれない」が、

3年前倒しにすればフリーゲージは「間に合わない」と

JRの社長さんはおっしゃっています。

「間に合わない」のに慌てて作ってどうするのでしょう。

そもそもフリーゲージトレインなんて本当にできるのでしょうか。
 

さて、福井県北陸新幹線の整備効果として

サイトに次のように書いております。

勝手に拝借します。

 

日本海側に新たな国土軸を形成

これまでの国土政策は、太平洋側を中心として高速鉄道網の整備などの投資が行われてきました。

頻発する地震など災害への対応や、著しいアジアの成長を取り込み、国際競争力を高めるには、日本海側の国土軸を確固たるものとし、安全安心な国土基盤に立脚した新たな成長戦略を描く必要があります。

北陸新幹線の大阪延伸により、日本列島の中心にネットワークが形成され、三大都市圏をはじめ、あらゆる方面から人の流れが創出され、災害時においては、東海道新幹線との相互補完機能を発揮します。

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ここまでは私のようなアルコール依存症の人間にでも

多少は分かるような気がするのです。

問題はこの先の記述です。

 

北陸新幹線敦賀開業で大きな時間短縮効果や移動利便性が生まれます。

*現行の所要時間はH27.3.14改正ダイヤの最速値を使用

*開業後の所要時間は時刻表(H.27.3)に基づく最速値および県試算値

*所要時間は想定値であり、開業後のダイヤはJRが決定する

 
 
 
新幹線開業により、東京をはじめ沿線地域との移動時間が短縮し、離れて暮らす家族との往来や、上京、帰省等が容易になります。新しい旅行先が選択でき、滞在時間も拡大し、余暇が充実するため、来県者が増加し、観光やビジネスの可能性が広がります。
県内各駅から各都市間の所要時間(敦賀開業時) f:id:fukuitabi:20151117094606p:plain

 

果たして何をどう見れば「大きな時間短縮」なのでしょう。

九州新幹線の博多〜鹿児島のように、

かつて4時間かかっていたところが1時間20分になれば

「大きな時間短縮」といえるかもしれません。

 

対東京で芦原温泉は21分、福井は34分、南越は6分の短縮でしかありません。

さらにこの度おめでたく新幹線の終点となる敦賀など

逆に14分伸びております

 

こんな面白い現象は他の新幹線ではありえません。

料金もJR東・西合算のままで馬鹿高いことでしょう。

 

対大阪、対名古屋は言わずもがな。

 

いったい乗り継ぎ時間を何分と考えて

こんな表を作成しているのでしょうか。

 

福井にしても対東京が3時間以内、

乗り換えなしで結ばれるのは確かに魅力的かもしれません。

しかし最終的には運行を担当するJRがダイヤを決める訳ですよね。

 

どんな立派な「シンカンセン」なんてものを作っても、

便利な「ダイヤ」が組まれないことには

何の意味もなさないのではないでしょうか。

この点をJRと話されているのか、

不安で仕方がありません。

 

私はいつも思います。

ビジネスにおいても娯楽においても

何処かに出掛けると考えて

最も重要な要素は「何時に着くか?」ではないでしょうか。

 

例えば今現在、福井市内で仕事をしているとします。

 

明日東京駅近くの本社で9時から開かれる会議に出席しなければならない。

この時点で朝一番の新幹線で行くという手段は残念ながらありません。

現状では金沢から北陸新幹線に乗ろうが、

米原から東海道新幹線に乗ろうが東京着は9時30分前後になります。

 

それなら今日中の新幹線で東京へ行くか、

金沢で一泊して始発の「かがやき」に乗るか、

夜行バスで行こうかと私なら考えます。

 

では明日東京で13時から会議があるとすれば、

どうでしょうか。

 

せっかくだし北陸新幹線で行ってみよう、

東京着12時44分の「かがやき508号」があるけど、

遅れたら困るから12時28分に着く「はくたか558号」にしようか、

金沢の出発時間は9時21分。

 

しかしこれだと福井から接続する特急がない。

それなら福井7時45分発のダイナスターで行って、

「かがやき506号」に乗り継いで、東京着は11時16分。

 

対して米原まわりなら、

お、福井を8時38分に出る「しらさぎ4号」から「ひかり514号」に乗り継げば、

12時10分に東京に着ける。

ちょうどいいしこれにしよう。

 

と、こんな順番で行く方法を考えないでしょうか。

小松空港から飛行機でという方もいらっしゃるでしょう。

色々選べる福井って本当に便利なところですね。

 

さて、以上の例において、

最初に所要時間を考えた方はいらっしゃるでしょうか。

 

所要時間は交通系の事業者がもっともアピールしやすい点なので、

ついつい騙されそうになりますが、

何処かへ行くと考える際、

もっとも大事なことは「何時に着くか」ではないですか。

 

北陸新幹線は金沢〜東京2時間半なんていいますが、

実際は朝夕走っている「かがやき」だけで、

日中の「はくたか」など3時間以上かかりますよね。

これが福井に伸びてきても所要時間なんて今と大差ないのではないでしょうか。

 

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本当に大事なのは「ダイヤ」です。

「乗り換えなし」でも「所要時間」でもない。

 

この「ダイヤ」を組むのは天下のJR様です。

「どうかサンダーバードの富山乗り入れを残してください」と

富山県知事がお願いしても無視したJR様です。

 

では敦賀まで新幹線が開業した際、

いったいJRはどのようなダイヤを想定しているのでしょうか。

福井県のオエライ様方は当然、

そんな話もJRとされていますよね。

 

金沢〜敦賀は1時間に1本あるんでしょうか。

それとも2本はあるんでしょうか。

みんな各駅停車でしょうか。

 

また、敦賀駅に関しては以前にこのような記事が出ておりました。

福井県議会は29日、新幹線・地域鉄道調査特別委員会を開き、北陸新幹線金沢―敦賀の早期開業などを 議論した。理事者はJR敦賀駅に併設される新幹線駅の高さが8階建てビルに相当する地上24メートル、新幹線駅と現駅舎のホーム間の距離が約200メートルとなる見通しを示した。在来線との乗り換えを念頭に委員からは「利用者の利便性を十分考えた駅になるよう県として要望を進めてほしい」と指摘があった。

(略)

国土交通省JR西日本は現在、北陸新幹線敦賀延伸に合わせて北陸ルートにレール幅の広い新幹線と狭い在来線を直通運転できるフリーゲージトレイン(FGT)を導入し、敦賀―大阪は乗り換えなしとする計画。県などが求める金沢―敦賀の工期3年短縮にFGT導入が間に合わなかった場合は、新幹線と特急列車のホームを対面式にするなどして乗客の負担軽減を図ろうとしている。

ただ新幹線駅から、小浜線や関西・中京方面に向かう普通列車敦賀開業時にJR西日本から経営分離される並行在来線(福井方面)に乗り換えようとすると現駅舎まで移動する必要がある。

福井新聞平成26年9月30日配信記事

 

地上24メートルとはなかなか凄まじい構造物なんでしょうね。

あまりピンとこないので勝手にWIKIから拝借します。

島根県にある三江線宇都井駅です。

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ファイル:宇都井駅.jpg - Wikipedia

これで高さ20メートル、

ホームに上がる階段は116段あるそうです。

新幹線の敦賀駅はこれより高い構造物となる訳ですね

そのうち「天空の駅」と呼ばれ話題になるでしょう。

 

さてこの「天空の駅」となる敦賀駅

仮に対面乗り換えが実現したとして、

北陸新幹線は風の影響をたびたび受けて遅れる

サンダーバード」を待ってくれるのでしょうか。

 

米原方面からの「しらさぎ」との接続はどうなるのでしょうか。

それぞれの列車に接続する新幹線が運転されるのですか?

 

さらに越前市には「南越駅」が設置されるとのことですが、

いったい一日何本の列車が停車してくれるのでしょうか。

南越駅の停車本数次第では、

武生や鯖江の住民は

大阪や名古屋へ行くのに敦賀まで在来線利用が前提となるかもしれません。

 

ところがここで大問題発生です。

敦賀駅で新幹線と特急列車の対面乗り換えが実現すれば、

大阪へ向かう特急列車が地上8階の高さにある新幹線駅乗り入れてしまうことです。

今まで乗り換えなしで大阪や京都に行けた武生や鯖江の方々にとって、

関西や中京もさぞかし遠くなることでしょう。

 

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また、在来線との接続がない南越駅は

交通弱者にとっては不便極まりない場所に設置されます。

いくらクルマ社会の福井とはいえ、

誰もがクルマを持っている訳ではないのです。

 

新幹線開業の成功例として長野の佐久平駅が取り上げられますが、

2つお隣の安中榛名駅に目を向ける方は誰もいらっしゃいません。

 

福井のえらい方々はご存知でしょうか、安中榛名駅を。

群馬県安中市というところにある北陸新幹線の駅です。

安中市の人口は6万人弱です。

越前市は8万人ほどですよね。

金沢のおめでたい話題ばかり見ずに一度視察することをオススメします。
 

停車する「あさま」は1時間〜2時間に1本。

はくたか」など上下一本が停車するのみ。

2014年度の1日平均の乗車人員は287人だそうです。

新幹線駅別乗車人員(2014年度):JR東日本

 

新幹線が開業すれば便利になるんじゃないンです。

使いやすいダイヤが組まれてはじめて便利になるのです。

 

新幹線はできました、

ではJRがダイヤを発表して、となった際

どうぞ我々をガッカリさせないでいただきたい。

 

「シンカンセン」などという

皆がおっしゃる「便利なもの」ができることにより、

必ずそのしわ寄せはそこいら中に現れます。

 

私が最も不安に感じているのは並行在来線3セク化です。

間違いなく、運賃は値上げとなるのでしょう。

金沢へ行くにも会社が変わるため、

「合算運賃」となり料金もはねあがることでしょう。

 

この「合算運賃」はなかなかあなどれません。

福井県の公共交通網をバラバラにすると考えます

これは富山・石川以上に深刻な問題です。

 

みなさんは現在のJRの運賃をご存知でしょうか。

福井〜金沢の現行運賃は1320円です。

ちょっと贅沢をして特急自由席を利用すれば片道1180円のプラスです。

 

3セクに移行すれば県境でIRいしかわ鉄道になる訳ですね。

要するに合算です。

3セク移行で幾らになるのでしょう。

ちなみに富山〜金沢は970円が1220円になりました。

 

まだ富山〜金沢には「高速バス」という逃げ道があるからよろしい。

安くて快適な手段として着々と運行本数を増やしています。

しかし福井〜金沢にはない。

 

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http://www.chitetsu.co.jp/?page_id=754

 

次、何だかよくわかりませぬが「枝線」はJRとして残すそうですね。

富山で言えば「氷見線」「城端線

石川でいえば「七尾線」が日本地図上に今なお

乳首からちょろりとはえた毛のごとくJR線として残っております。

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 ▷http://blog.map.yahoo.co.jp/archives/20150225_3sector.html

と、いうことは

JR越美北線も列車は全て福井に乗り入れているとはいえ、

線路の戸籍は越前花堂九頭竜湖ですよね。

これも「合算」になるということでしょうか。

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↓石川県の七尾線に関する資料です。

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/141027_00_ishikawa.pdf

 

福井市内である越前東郷〜福井駅間の現行運賃は210円、

越前大野福井駅間の現行運賃は670円ですが、

これがいったい幾らになるのでしょう。

当然試算もされていると思うので早急にご開示頂きたい。

 

在来線で敦賀まで行き、

先の小浜線に乗り継ぐ際も

当然「合算」になるということですね。

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私はたびたび福井駅から小浜線上中駅までJRで行っておりますが、

現行運賃は1660円です。

福井県内の福井〜上中をJRの普通列車で往復するだけで往復3420円です。

 

たくさん給料を頂いている皆様には「へ」とも思わないかもしれませんが、

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http://healthil.jp/14539 より勝手に拝借

 

一般庶民にはかなり強烈にくる金額です。

交通費もでませんので自腹です。

おまけに北陸線普通列車小浜線の接続は絶望的に悪く、

先を急ぐ場合は敦賀〜福井間片道1180円の自由席特急料金を支払っております。

 

これが3セク化プラス合算でいったい幾らになるのでしょう。

考えただけでゾッとします。

 

ちなみに上中で日常JRなど使ったことない方には

「そんな高いんか」と笑われます。

みんなJRの正規運賃なんて知らないのです。

そもそも「乗らない」から。
 

自分の子供が高校進学などでJRを利用しはじめて、

「こんなに高いのか」と初めて知るのです。

学生の定期運賃などJRからみれば相当「割安」に設定しておりますが

そんなことすら大半の福井県民は知らないのかもしれません。

 

新幹線開通による在来線の三セク化、

それによる運賃値上げと合算料金。

 

私たちは常日頃から「1円でも安く」とスーパーをはしごし、

ガソリンの値段にも敏感になりながら

恐る恐る生活をしております。

日常の足の値上げは家計にとって大打撃です。

 

1年に1度行くかどうかも分からぬ東京より、

日常の足の方が大事ではないでしょうか。

一般庶民にしてみれば、

日々の100円、200円の値上げの方が堪えます。

 

この新幹線が福井の、

いや、北陸全体の繁栄につながるのであれば、

多少の値上げも涙を飲みつつ我慢します。

ところが私には繁栄につながるとはとても思えないのです。

 

値上げはするは不便になるわ、

未来も見えないとなれば

とてもじゃないですがやってられません。

現実的になかなかできませんが、

早急に福井を脱出したい気持ちです。

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福井駅敦賀駅サンダーバードを眺めていますと、

北陸と関西を行き来する方って本当に多いンだなと、

常日頃から感じます。

 

12両編成のサンダーバードの席が埋まっていると、

私なんかはついつい嬉しくなり、

「ようこそ北陸へお越しくださいました」と

内心つぶやいています。

 

そして最近はこうとも思います。

「みんな敦賀で乗り換えか。気の毒やな」

特に敦賀駅など前後が長大トンネルということもありますが、

寝ている方が非常に多いように感じます。

気の毒としかいいようがありません。

 

乗り換えが必要であったところが乗り換えなしになるのは

確かに「便利になった」と感じるものです。

ところが乗り換えなしで行けたところが必要になれば、

恐ろしく不便に感じるものです。

 

ビジネスなら乗り換えしようがなかろうが、

必要とあれば行くしかないでしょう。

 

しかし観光客などは

それまで乗り換えなしで行けたところに

乗り換えしてまでわざわざ行くでしょうか

福井のおえらい方々なら行きますか?

 

仮に敦賀で対面乗り換えができたとしても、

すぐに乗り継げるダイヤが組まれるとは限りません。

何度も申しますがダイヤを組むのはJR様です。

地方自治体の思惑などすべて無視し続けるJR様です。

 

JR様のさじ加減ひとつで北陸は破滅に追い込まれます。

それくらいの力をJR様は持っておられます。

本当に利用者のことを考えているなら、

新幹線ができても在来線特急乗り入れくらいはやるでしょう。

 

しかしやらないのです。

JR様は。

 

ダイヤについて考えてみましょう。

対東京で見た際、サンダーバードしらさぎと、

北陸新幹線は金沢での接続が恐ろしく接続が悪いです。

福井の人間に「北陸新幹線に乗るな」と言っているようなダイヤです。

よろしければ時刻表を確認してみてください。

 

福井駅ではさんざん東京への一周きっぷを勧めてますが、

本当に笑えるほど福井県民には使えない新幹線です。

 

ちなみに東海道新幹線ルートは時刻も所要時間も揃っており、

実に使いやすいダイヤです。

 

さて、

現在サンダーバードは1時間に1〜2本運行されておりますが、

敦賀で乗り換えとなれば同じ数の新幹線が運行されることになります。

それは恐らく「富山行き」となることでしょう。

東京行きに接続させるなどリスクが大きすぎますからね。

 

だからこそ現在「つるぎ」という列車が金沢〜富山を往復していると考えます。

そう、この列車との接続が考慮されているもので、

サンダーバード」と「かがやき・はくたか」の接続が

よろしくない訳です。

 

ではこの「つるぎ」が敦賀まで伸びてきた際、

果たして東京行きの列車が入り込む余地はどこにあるのでしょう。

さらに敦賀にしてみれば東海道新幹線より時間もカネもかかる

摩訶不思議な新幹線です。

 

「つるぎ」にプラスして速達列車の「かがやき」が運転されるのですか。

そうなれば南越や芦原温泉は東京行きの列車が存在しなくなりますよね。

いったいどのようにお考えなのでしょうか。

どんなダイヤを想定して「便利になる」と言っているのでしょうか。

 

中途半端に敦賀開業なんかをすれば、

北陸は関西からも完全に見捨てられます。

1回の乗り換えを甘く見てはいけません。

 

せめてフリーゲージトレイン実用化の目処がたってからでも

いいじゃないですか。

せめて関西までのルートが正式決定してからでもいいじゃないですか。

  

先の見えない中での敦賀開業など、

福井県にとって何一つ利点があるように思えません。

これは石川県や富山県にとっても同様でしょう。

石川県などは怯えているかもしれません。

 

過去の新聞記事を読んでいると

北陸三県は足並みが揃わない、

なんて言葉が出てきました。

そのとおりです。

 

どこかが便利になれば、

どこかが不便になるのです。

 

関西までの新幹線開業が前提となっているならまだしも、

ルートすら決まっていない状態で、

本当に敦賀開業を推し進めていいのでしょうか。

莫大な税金を投入して。

 

福井県の偉い方々、

国会議員の方々、

そして新幹線の早期開業を推し進める方々、

どうぞ今一度立ち止まり、

冷静に考えて頂くことを切に願っています。

 

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あとがき

 

本当は北陸新幹線にふれるのはもうやめようと思っていました。

それは自分がヨソモノにすぎないからです。

 

何だかんだいいつつ、

新幹線が福井駅までのびてくるのは楽しみにしていました。

しかしこれが敦賀になれば話は別です。

上記の通り、なにひとつ福井にとってのメリットが思い浮かばないからです。

 

何度か書いてますが、

僕の地元は兵庫県の赤穂という町です。

山陽新幹線が通っていますが駅はありません。

爆音とともに走り去っていきます。

 

隣町の相生には新幹線の駅があります。

相生は人口3万人ほどの「市」です。

 

一応、東京行きの「ひかり」と

新大阪行きの「こだま」が止まります。

「ひかり」で東京までの所要時間は約4時間。

名古屋で「のぞみ」にのりつげば17分ほど早くいけます。

ちなみに「のぞみ」は4時間で東京〜広島を結んでいます。

 

相生のひとつ西側の新幹線駅は岡山です。

「のぞみ」は岡山〜東京を約3時間17分で結びます。

相生のひとつ東側の新幹線駅は姫路です。

「のぞみ」は姫路〜東京を約3時間3分で結びます。

 

あえて所要時間を記してみました。

何か感じていただけましたでしょうか。

僕は基本的に新幹線は地域格差を産み、

日本地図を歪める乗り物であると考えています。

 

ちなみに相生駅における新幹線と在来線の乗り継ぎなど、

一切考慮されていません。

 

だから赤穂の住民にしてみれば、

相生からの新幹線って非常に利用しづらい訳です。

これは上郡の住民にしても同じ。

東に向かうなら「姫路から乗るか」となります。

本数も多いですからね。

 

そんなもので新幹線の相生駅はいつ行っても閑散としています。

朝方は多少通勤の方の姿もお見受けしますが。

 

それでも西に向かう時はたまに使っていました。

四国の母の実家に帰る時、

岡山からの特急料金を乗継割引にするためです(笑)

 

兵庫と岡山の県境は、

在来線も恐ろしく時間がかかるので、

新幹線の恩恵をむりやり授かっています。

 

ただ、僕はこの相生駅が少年時代から嫌いでした。

 

本音を言いますと

相生駅で新幹線を待ってますと「惨め」な気分になるんです。

すさまじい爆音をたてて「のぞみ」や「ひかり」が通過していきますからね。

 

通過列車をみていて喜んでたのは幼稚園の頃までです。

時刻表を読むようになってからは

「この列車が止まってくれたらこの時間につけるのに」とか、

そんなことばかり考えていました。

 

人口50万人いる姫路も

一部の「のぞみ」が停まるようになったのは

実は近年のことです。

以前は「のぞみ」も「ひかり」もがんがん通過してました。

 

新神戸も全部の「のぞみ」が停まるようになったのは

10年ちょい前です。

 

したがって

兵庫県民にとって新幹線とは実に使いにくい乗り物だったと思います。

どんなにたくさん走っていても、

止まってくれないことには使えないのです。

 

このごくごく当たり前のことは、

日常的に特急列車が停車する北陸の方々には

なかなか理解していただけない点です。

 

特急列車の停車駅は、

新幹線の通過駅になる。

それを痛感しているのが高岡市ではないでしょうか。

これは今後、小松市加賀市あわら市越前市などにも言えてきます。

 

どんなに立派な駅を造り、

駅前整備をしたところで、

肝心の列車が止まらなければ何の意味もなさないのです。

 

それでも福井までの開業ならまだ「救い」があると考えていました。

これで北陸三県に新幹線が通るわけですし、

富山との直通も復活します。

サンダーバードしらさぎも福井始発で万々歳です。

(今回はあくまで福井県民という視点で書いてます)

 

ところが敦賀だと大いに違います。

理由は先に述べた通りです。

福井県全体に何ひとつメリットを感じません。

したがって絶対に反対します。

 

ま、

僕は何の専門知識があるわけでもない

通りすがりの酔っ払いです。

 

スマホすらまともに使えず

フリック入力ができません・笑)

フェイスブックは見てるだけ、

ツイッターとは何ぞやの徘徊中年にすぎません。

 

そんな徘徊中年が気楽に書いてるのが

このブログです。

何とか1年ほど続きました。

唯一自分の考えを発表できる場です。

 

面白く思わない方も多々いるとは思いますが

あえて最後に言わせてください。

 

北陸新幹線敦賀開業絶対反対

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