北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

レトラムとクリームコロッケと焼き鳥と。

福井鉄道の有人駅に行くと、

窓口に「私と街とふくてつと。」なる小冊子が置いてある。

 

各駅周辺のお店や名所などが

可愛らしいイラストと共に紹介されており、

なかなか読み応えがある。

(福鉄のサイトでも読めます)

 

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610形の様子を見るために福鉄の北府駅にやってきた僕は、

この冊子の北府駅に項目を開いてみた。

すると「北府不動明王」なるものが紹介されていた。

 

たくさん並んだ湯呑に水を入れて洗うと目の病気に効くと言われています。湧き出る水は「南越清水 瓜破の水」と記され”極楽の一滴”と言われています。

 

調べてみると北府駅のすぐ近所であったもので、

伺ってみた。

 

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看板には以下のような説明書き。

古来より、この地には豊富な地下水が湧いています。この水を田地田畑に引き入れていました。この田の中から現在の不動明王が現れたので、地区の有志が大石をくり抜いて像を安置したと言伝えられています。建立の年は不詳です。

7月28日は全国の不動尊の祭礼です。この不動明王も毎月28日を縁日として多くの信者がお参りされています。

今尚こんこんと湧き出る水は「南越清水 瓜破の水」と記され、目や体の病気が治ると信じられています。この水の甘露な味は”極楽の一滴”といわれ、愛飲家がたくさんいます。

 

肝心な水の写真を撮るのを忘れたが、

きりっと冷えた純米酒の如く、

すーっと体に染み渡っていくような水だった。

 

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この日も地元の方と思われる男性が、

車で現れてたくさんのペットボトルに水を詰めていた。

武生には何度も来てるけど、

ほんと「噛めば噛むほど味わい深い街だなあ」なんて思う。

 

 

 

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北府駅からオレンジのフクラムに乗って越前武生駅へ。

留置線にはドイツ生まれのレトラムの姿が見えた。

よくよく考えれば今年はまだレトラムには乗車していない。

せっかくなのでレトラムに乗って福井に帰ることにした。

 

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 9時30分、レトラムは越前武生駅を出発した。

レトラムにはワンマン運転の装置がないため、

車掌が乗務している。

以前に乗った時は女性の車掌さんだったけど、

今回は男性の車掌さん。

 

肉声で案内したり、

乗降時はステップを出したり、

無人駅では運賃収受、乗車券の販売と

なかなか忙しげだ。

 

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車内では扇風機が回っている。

レトラムには冷房装置もないもので、

運行は春と秋に限られる。

さらに週末のみの運行なんだから、

実際は大半を車庫で過ごしているといっていい。

 

外国生まれの車両を維持、整備するだけでも大変だろうに、

福井鉄道では特別料金すら徴収することなく、

週末だけとはいえ走らせてくれているのだ。

絶対に他社なら特別料金をとるだろうな(笑)

 

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レトラムは急行列車であるものの、

単線の過密ダイヤを縫って走るもので、

所要時間は普通列車よりかかる。

浅水駅では5分ほど停車。

車内からは「まだ動かんのか」なんて声も聞こえてくる。

 

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10時14分、赤十字前に到着。

こちらでは10分ほど停車。

 

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この時点で車内には15人ほどいただろうか、

レトラムを狙って乗車した方は半数ほど、

あとの方はたまたま来た列車に乗った、

そんな印象。

 

 

 

大名町の交差点に差し掛かった時、

前武生行きの普通列車がヒゲ線に入って行くのが見えた。

レトラムも市役所前で方向転換して、

追うようにヒゲ線へと入っていく。

 

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レトラムは福井駅に到着した。

入れ違うように越前武生行きの普通列車が出発。

 

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写真でも撮るべと道路の反対側に渡ったら、

そこにあったはずの北陸銀行は「ライザップ」と化していた。

 

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ハピリン前の広場では「福丼県フェスinハピリン2017」なる

イベントを開催していた。

心惹かれるものはあったが、

今日は「たぬきや」さんに行くと決めていたので、

ぐっと我慢する。

 

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田原町行きのさくら色のフクラムがヒゲ線に現れた。

思いの外多くのお客さんが乗っている。

 

ここで関心したのは、

レトラムの運転士と車掌が、

フクラムから降りてきたお客さんの運賃収受を行っていたことだ。

 

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福井鉄道って、どう考えても乗降客数が多い、

市役所前と福井駅無人なもので、

運転士の負担がかなり大きいように感じるのは、

いつも見ていて思う点だ。

だからこそこうやってお互いに助け合っているンだろうな、と思う。

 

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さて、この昨年延伸開業した福鉄の福井駅であるが、

何とかならぬかと思う点がある。

それはハピリン側から直接乗車ホームに行けないことだ。

 

今の福井駅は3面2線の構造になっていて、

一番使い勝手が良さげな

バスターミナル側の1番線が「降車専用」となっている。

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福井鉄道の電車に

ハピリン側から乗車しようと思えば、

この降車専用ホームを線路の末端部まで行き、

ぐるりと回り込む、そんな流れになっている。

これが意外なほど「わずらわしい」(笑)

 

線路上を横断できればいいのだけど、

安全上の問題があるのだろう。

 

もう1点、この時は運転士さんが協力していたが、

福井駅にはたまに駅員がいる時があって、

その時には降車ホーム側の扉をすべて開けるのだが、

運転士が運賃収受をする先頭の扉はいいとして、

後方の扉から下車した客は

JR側、ハピリン側双方に散っていくもので、

運賃やきっぷの収受がうまく行っていないようにも見受けられる。

(乗客の方が戸惑っている)

 

福井駅はこの日のような臨時列車がない限り、

2線に列車が並ぶことはない。

 

そんなもので、

ふだんは1線だけを使用、

1番線を乗車専用に、

2番線を降車専用にして

駅員を配置した方が運賃の取りこぼしも防げるような気がするし、

何よりハピリン側からも乗りやすくなると思うのだけど。

 

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ま、酔っぱらいの戯言ですが(笑)

 

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さくら色のフクラムに乗って仁愛女子高校駅へ。

松本通りを西に歩いて「たぬきや」さんへ。

電車という乗り物は心地よい振動が胃を刺激するのか、

すぐに腹が減ってくる。

我ながら燃費が悪くて弱る。

 

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いつも「たぬきや」さんにお邪魔すると、

日替わり定食かたぬきやランチの2択なのだけど、

今日は奮発して「カニクリームコロッケ定食」を注文。

 

クリームコロッケは大好物な食べ物の一つで、

山小屋にいた頃は3日に一度くらいのペースで、

お客さんの夕食のメニューとしてホワイトソースから

せっせと作っていた。

むろん、自分が食べたかったから、だけど(汗)

 

しばらく待ってるとカニクリームコロッケ定食が供された。

「たぬきやランチ」ならエビフライ、ハンバーグと共に1個なのだが、

今日は3個もついている。

おまけにソースも3種類違ったものが添えられており、

なかなか凝っている。

あー幸せ。

 

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味噌汁もアツアツで旨いのよな。

うちの母ちゃんの味噌汁の味付けに似てる。

だからこそ僕は「たぬきや」さんに、

たびたびお邪魔してるんだろうな、と思う。

 

今日も満足、ごちそうさまでした。

 

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帰路は田原町からオレンジのフクラムに乗り、

市役所前で下車して駅前に戻った。

 

ちょうど昼時とあって、

「福丼県フェス」にはたくさんのお客さんが訪れていた。

どのブースにも行列ができているが、

腹は満たされている。

 

僕は広場を通過して東口へと向かうつもりだったのだが、

広場には「丼フェス」に似合わぬ煙と、

何とも香ばしい匂いが充満している。

その正体は「焼き鳥」だった。

 

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どうも「焼き鳥」の匂いというのは、

冷静な思考回路を破壊するインパクトがある。

いつも行ってるスーパーでもたまに「秋吉」が店の前で移動販売をやっており、

晩飯の買い物に行ったつもりが、

その匂いにやられて「今日は秋吉にすっかな」なんて気にさせる、

恐ろしい匂いである。

 

腹も満たされてるし、

丼は食えなくとも焼き鳥くたいならいいかな、

なんてことをちらりと思う。

いやいや、ダメだ。

焼き鳥なんか食べると必然的にビールが欲しくなる。

今日はこの後やることあるもので飲めない。

 

僕は広場を通り過ぎた。

しかし、

一度「焼き鳥」のことを考え出すと

アオッサの前まで行っても「焼き鳥」が脳裏を離れなくなる。

ああ、焼き鳥が食べたい!!

 

僕は方向転換してコンビニに行った。

そして、

ノンアルコールビールを買って焼き鳥の列に並んだ。

 

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