「テツ分」補給をさせてもらっているが、
3月27日に開業したフェニックス田原町ラインには、
未だ全線を乗る機会に恵まれずにいた。
理由は単純で、我が家の最寄り駅が福井駅だからだ(笑)
フェニックス田原町ラインが福井駅を素通りする以上、
なかなか乗る機会がない。
僕は好きだから西福井に行くのに
市役所前から利用したりしているが、
どうも無理矢理利用する、そんな形になってしまう。
ぜひぜひ通しで乗ってみたいと思いつつ、
はや半年が過ぎてしまった。
久々に快晴の土曜の朝、
思い切ってフェニックス田原町ラインの全線に乗ってみることにした。
せっかくなので三国港まで行って、
武生を目指すことにした。
7時49分に福井を出る三国港行きの電車は、
多くの学生で賑わっていた。
何処まで乗るのかと思っていたら
大半は西別院で下車し、車内はガランとなった。
それにしても、この三国港行きの749M列車、
常に対向列車に行く手を阻まれる。
日中の電車だと福井駅から三国港駅までの所要時間は49分なのだが、
この電車は1時間4分要している(笑)
三国港駅には8時53分に到着。
そのまま折り返しとなる9時09分発の列車に乗車。
三国港駅を出た時点では車内に数人しかいなかったが、
三国駅を出ると2両編成の車内は
そこそこの席が埋まるほどの乗車率となった。
土曜の朝の中途半端な時間であるが、
何故かスーツ姿の方も多くお見受けした。
僕以外に男性2人が下車して、
そのまま隣のホームに停車していた
フェニックス田原町ラインの急行越前武生行き「ki-bo」に乗り換えた。
はて、どこまで行くのだろう。
9時49分、
さらに2人乗車があって
「ki-bo」は鷲塚針原駅を出発した。
列車は広大な田園風景の中を淡々と走り、
中角駅を通過。
福大前西福井駅でフェニックス田原町ラインの鷲塚針原行きと交換。
この日は緑のフクラムが充てられており、
せっかくなら緑のフクラムが
鷲塚針原駅に止まっている様子を眺めたかった、とも思う。
うむ、待てよ。
この列車が武生に着くのは10時47分だから、
そのまま11時14分発の鷲塚針原行きとなるはずだ。
と、なれば次の12時14分発は緑のフクラムが
鷲塚針原行きとなる可能性は高い。
武生で昼食をとれば緑のフクラムで鷲塚針原に行ける!
列車は田原町駅へ。
ホームには家族連れなど多くのお客さんが待っており、
車内は急に賑やかになった。
運転士も福井鉄道の方に交代して、
市役所前でもそこそこ乗降がある。
鷲塚針原駅から乗っていた方もみんなここで下車していった。
クルマやバスと並走しながら商工会議所前駅へ。
再び専用軌道に入り、
ショッピングセンターがあるベル前で
車内のお客さんの8割方が下車していった。
田原町駅から乗った男の子が、
名残惜しそうに「ki-bo」に向けて手を振っている。
10時47分、列車は越前武生駅に到着した。
福井駅を経由せずに三国から武生まで来る、
これはこれでなかなか新鮮な気分である。
さて飯にするべ。
せっかく武生に来たし、
今日こそは洋食のいし川さんにお邪魔して、
ボルガライスでも食べたい。
とはいえ食べログなんかで営業時間を確認すれば11時30分からとある。
12時14分発のフェニックス田原町ラインに乗れるかは微妙な時間だが、
何とかなりそうな気もする。
越前武生駅の外れで
引退間近となった610形が昼寝をしていた。
もう動く気力もない、
そんな感じに見えなくもない。
北府駅まで歩く。
以前は留置線上に200形と並んで路面電車型の車両が連なって留め置きされていたが、
この日は200形と機関車だけがポツリと寂しげに停まっていた。
せめて駐車場側の留置線に停めて
うまく保存できないものかと思うが、
朽ちていく車両を見ていると何だか切なくなったりもする。
北府駅から洋食のいし川さんに向けて歩く。
ちょうどお店の前に着いたのが11時半。
しかし回転灯はまわっておらず、
入り口も鍵がかかった状態だった。
「・・・・」
5分ばかり少し離れた場所から様子を見ていたが、
開く気配がない。
うーむ、どうするか、
12時14分発の緑のフクラムには何としても乗りたい。
そんなもので今回は「いし川」さんを諦め、
他の店にお邪魔することにした。
こんなこともあろうかともう2店ばかり下調べをしていた。
ところが1店は休み、
もう1店は「本日は貸し切り営業とさせていただきます」とのこと。
「・・・」
ウロウロしたのですっかり空腹感はピークに達し、
武生駅近くの「たかせや」さんにお邪魔した。
カツ丼とおろしそばのセットを注文。
カツ丼はソースと卵が選べたので卵でお願いする。
僕が入店した時点では店内は閑散としていたが、
その後続々とお客さんが入ってきて、
店内は満席になる。
斜め向かいの席に座った男性が、
「ここのそばは独特でやみつきになる」
みたいなことを言う。
はて、どんなそばなんだろ。
ほどなくしてカツ丼セットが登場。
こちらのカツ丼、
ちょっと変わってて
卵でカツをとじたというより、
カツの上に出汁のきいた卵焼きが載ってる、
そんな感じ。
この卵がふわっと優しい感じで、
お、こりゃいいわ、と
わさわさ胃の中に入っていく。
そんでもってそばである。
一見、フツーのおろしそばであるが、
ツユをぶっかけてそばをすすれば、
む、なんだ、このとろみは。
よっぽど不思議な顔をしていたのか、
斜め向かいの男性が
「ここのそばにはツユに山芋が入ってるんですよ」
と言って、幸せそうな表情でそばをすする。
いやはや、何とも斬新。
カツ丼を置いて一気に食べてしまい、
ツユも一滴残さず飲み干す。
さらに「たかせや」さんのカツ丼セット、
非常にありがたいことに味噌汁までついていた。
お新香も自分好みで何とも美味。
斜め向かいの男性客に
「お先です」と言って店を出る頃には、
すでに待ち客もいる盛況ぶりだった。
ごちそうさまでした。
すっかり腹も満たされて身も心も満足である。
しかしながらこの時点で12時15分であった。
緑のフクラムは既に鷲塚針原に向けて出発しているであろう。
鉄道型の610形も600形も、
何だか今日は動く気がなさそうだし、
どうせ福井へ帰るなら快適な車両で帰りたい。
この日はブルーのフクラムが各駅運用に入っていたが、
福井鉄道のサイトで確認すると12時25分発となっていた。
走れば間に合うような気もしたが、
残念ながらそんな気力もない。
ま、あわてて帰る必要もない。
僕はアルプラザの100円ショップに行って、
ナンクロを1冊買い求め、
13時14分の鷲塚針原行きを待つことにした。
ところがこれが予想外に難問で、
1問もクリアできないうちに13時10分になっていた。