北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

鷹巣荘と15万円の冷蔵庫について

僕と彼女は日本海を目指していた。

 

雪があると出歩くのもおっくうになるが、

なければ多少は出かけようという気になる。

 

週に一度位は広い風呂に入りたい、

そんな訳で極楽湯の回数券を買っているが、

「たまには違うところに行こう」となり、

会社の先輩のオススメである「鷹巣荘」を目指すことにした。

 

「源泉掛け流し」であるらしい。

 

その道中で、だ。

彼女は「冷蔵庫」についての不満を言い始めた。

 

彼女と暮らし始めて1年になる。

ノロケ話をするつもりはない。

 

僕が借りている部屋は福井市内の1DKで、

2人で暮らすのにたいして不便はない。

問題があるとすれば「冷蔵庫」だった。

我が家には僕が学生時代から使っている

単身用のものしかなかった。

 

弁当を含め3食作ってくれてる彼女が

うすうす不満を感じてるのも察知はしていた。

 

「もうちょっと冷凍庫が広ければ買いだめできる」

「大きい冷蔵庫の方が電気代が安い」

 

温泉に向かう途中、彼女は呪文のように言い続けた。

 

 

 

できるだけ聞き流すようにして、

国民宿舎鷹巣荘」に着いた。

外見はそっけない作りというか、

公民館ですと言われれば納得できそうな建物であったりする。

でも中はとても綺麗だった。

受付の女性もとても愛想がいい。

 

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誰かさんと違って、とは言わない。

 

1時間後、と約束して浴室へ。

それほど広くはないが、海側は全面ガラス張りで明るい。

そして、明らかにあとづけと思われる場所に「露天風呂」がある。

 

この露天風呂が、なかなかあなどれない。

パッと見た感じ、浴室の外にベランダを作り、

そこに露天風呂を作っちゃいました、そんな感じ。

 

海まではビミョーな距離がある。

決して絶景とは言いがたい。

だが浴槽からあふれたお湯は、

幾つかあけられた穴からそのまま外に流れ出している。

 

まさに「掛け流し」だ!

 

おまけに湯はぬるく、若干ぬるっとした感じもあり、

まわりに誰もいなかったこともあり、

ついつい長湯してしまう。

 

さて、1時間後という約束は実は適当なもので、

僕はいつも30分ほどであがり、

彼女を待つのがいつものパターンだった。

 

だが、

この日に限ってはあまりに居心地が良かったもので

僕のほうが遅くなってしまった。

案の定、機嫌が悪い。

 

帰り道、

五右衛門って店で昼食をとった。

ご飯の大盛り無料ですって言われたので頼んだら、

食べても食べてもゴハンが減らない。

 

というか750円(税込み)でこの定食、

めっちゃコスパ高いと思う。

 

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「いやー、美味かったなー」

と言えば彼女は

「スンマセンねー、普段まともなゴハン出せなくて」

などと言う。

 

話の節々から、

やはり「冷蔵庫」(というか僕)に対する不満が伺えた。

 

帰り道、某電気屋に寄った。

僕は冷蔵庫の適正な大きさもわからない。

結論から言えば、

彼女と店員さんに言われるがままに

15万円もする冷蔵庫をカードで買った。

 

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さて、その後1ヶ月以上を経ての結論を言う。

我が家の巨大な冷蔵庫はスカスカである。

 

そもそも彼女が買い物をするのは

2日に一度、

要するに3食☓2日☓2人で12食分となる。

 

なんとなくシングル向けの冷蔵庫では

パンパンになりそうな気がする。

だが、その夜には2食分減る。

翌朝には朝食と弁当で2☓2、4食分減る。

 

そう、買い物を終えた夕方の時点では

12食分の食材が入っていたはずの冷蔵庫に、

翌朝には6食分しか残っていないのだ。

 

この時点で冷蔵庫はスカスカになっているとはいえないか。

 

いまどき15万円あれば、

よく分からないけど日本で行けないところはないだろう。

世界という単位でみても、

片道ならそこそこのところに行けそうな気がする。

 

たかが15万円、

されど15万円、

 

僕は彼女を訴えることができるのだろうか。

そんなことを考える。

 

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