高崎に着いた翌日は友人一家に秩父につれて行ってもらった。
長瀞で舟下りしたり、みそポテト食べたり、
鍾乳洞に行ったりしたのだが、
基本的には朝から晩まで飲んでいたのはいつものことで、
長らく「朝酒」なんてのは控えていたが、
案外まだまだ飲めるものだな、などと思ったりもした(笑)
さらに翌日の午前中まで飲んでいたもので、
高崎から福井に帰るのは午後から、ということになった。
福井から高崎へは東海道経由で来たけれど、
帰路はかつての特急「はくたか」のルートを辿ってみようと思う。
テーマは「福井まで行きたいのですが乗車券は何処まで買えますか?」
何でこんなテーマを設けたかと言えば、
倶利伽羅〜市振間が「あいの風とやま鉄道」、
福井からだと富山や高岡に出かける際は、
週末限定ではあるが「北陸おでかけパス」のような、
JRを含めシームレスに使えるような企画切符も存在し、
これまであまり考えたこともなかったのだけど、
先日「へ?」となることがあった。
僕はその日(平日)、ちょっと用があって、福井から金沢に行くことになった。
金沢と言っても正確には金沢駅の2つ先、
森本駅が目的地。
福井駅の自動券売機で森本駅までの切符を買い求めようと思ったら、
運賃表には金沢駅までの表示しかない。
そんなもので、みどりの窓口に行って、森本駅までの乗車券を求めたら、
「当駅では販売しておりません」
そんな衝撃の一言が返ってきた(笑)
乗り継ぎが10分くらいしかないンだけど、どうすればいい?と問えば、
ただ、飛び地のようにJRとして残った七尾線の電車も乗り入れており、
みたいな区間に存在している。
その時に他のお客さんがいなかったこともあり、
窓口の若者に続けて聞いてみた。
「津幡から先の七尾線はJRだけど、それは買えるんよね?」
「お買い求め頂けます」
「もう一ついい?新幹線使わずにあいの風とやま鉄道で富山行って、JR高山線の西富山は?」
窓口の若者はこう教えてくれた。
「JRの駅まででも途中1社だけを挟むなら発券できますが、2社をまたぐと発券できません。そんなもので新幹線経由なら西富山までお出しできますが、IRいしかわ鉄道とあいの風とやま鉄道経由だと発券できません。城端線や氷見線も同じです」
文字で表せばややこしく感じるけれど、
窓口の若者の説明は単純明快、とも言えた。
「1社またぎならOK、2社をまたぐと駄目。福井からだと3セク内の駅までの乗車券は買えない」ということだ。
そんなもので福井駅からは3セク経由だと高岡や富山までの乗車券も買えない、とのこと。
ただ、これはあくまで現在の福井駅では、ということだ。
IRいしかわ鉄道とあいの風とやま鉄道のサイトで確認すれば、
1枚の乗車券で販売できる範囲として、石川県内の大聖寺までならOKとある。
これから変化は出てくるかと思われる。
http://ainokaze.co.jp/ticket/jr
しかしながら乗車券は2枚になれど、
IRいしかわ鉄道の窓口でもあいの風とやま鉄道の窓口でも、
金沢〜福井の乗車券はちゃんと買えるし、
サイトにもJR全線の乗車券を販売すると書いてある。
にもかかわらず逆方向は駄目というのも何だかなあ、という気がしなくもない(涙)
で、結局、
目的地までのきっぷを所持していないと落ち着かない小心者の僕は、
JR七尾線の国鉄型車両に揺られてIRいしかわ鉄道の森本駅で下車したのだった(笑)
そんなことがあったもので、
かつては「北越急行・ほくほく線」を挟んでも1枚の乗車券で行けた高崎から福井まで、
新幹線を使わずに行けば何枚の乗車券が必要になるのか、
それは非常に興味深い点であった。
高崎といっても僕の友人宅の最寄り駅は高崎線の倉賀野駅であるもので、
僕は倉賀野駅の窓口に行って
「ほくほく線経由で福井まで行きたいのですが乗車券は何処まで買えますか?」と聞いてみた。
窓口氏は「新幹線は使わないのですね」と一応確認した後、
「こちらでは直江津までお出しできます。3240円になります」とのこと。
この距離を通算した123.3キロ(2270円)に北越急行の六日町駅〜犀潟駅間、970円を足したものとなる。
JRの犀潟駅〜直江津駅で200円の合計3110円になるはずで、、、
バラで買うより安くなるといいたいところだけど、
後から計算してみれば、
「高くなっとるやないかい!(涙)」
さらにこの日、僕は友人と倉賀野駅から電車に乗って、
高崎駅で途中下車して朝から飲んでたもので、
全然まともな計算すらせず乗車券を買ったのだけど、
合計3110円となり、結局高くなる買い方をしていたのだった。
これは運賃計算の境目、
今回で言えばJR本州3社の運賃は101キロから120キロまでが1940円、
121キロから140キロまでが2270円、
その差330円が倉賀野駅〜高崎駅の運賃190円より高くなった、
といった現象により生じたことであるのだが、
一般的な鉄道ファンの方々なら絶対にやらかさないようなミスを僕はやった、
とも言えた。
ま、その時点では全然損したなんて考えもないまま、
ヘロヘロに酔っ払っていた僕は高崎駅で友人と別れ、
12時02分発の上越線、水上行きの普通電車に乗った。
車内はロングシートが適度に埋まり、
立ち客もちらほら。
ただ、吾妻線の分岐駅である渋川で一気に下車してゆき、
車内は閑散となった。
この先の上越線は利根川沿いの美しい車窓が楽しめる区間を走るのだが、
乗った車両、とにかく窓が汚い(涙)
JR東海の車両も汚かったがこちらも汚い。
実際、窓の外を注視しているなんて僕くらいで、
後は地元の方が大半で居眠りをしたり、
スマホをいじったりして車窓を気にする人なんていなかった、
とも言えるのだけど、
何だかなあ、といった気持ちになったりする。
無数に走ってるような車両の一つ一つも、
JRにしてみれば大事な会社の顔だと思うのだけど。
13時07分、電車は水上駅に到着。
ホームには思いの外多くのお客さんが折り返しの新前橋行きとなる電車の到着を待っていた。
駅前に出ると温泉宿の車が何台か客の到着を待っている。
平日だけど水上は賑わっているもんだなあ、
それが率直な印象。
続いて乗車したのは13時40分発の長岡行き。
国鉄型の車両であろうと予想していたが、
ホームにいたのはE129系なる、昨年末に営業運転を開始したばかりの、
ピカピカの車両だった。
当然、窓も美しいのが嬉しい。
車内はボックスシートとロングシートが半々、みたいな造りになっており、
ボックスは埋まっていたので僕は空いていたロングシートに座った。
ところが出発直前に、恐らく大学生であろう、
20人くらいの若者たちが一気に乗り込んできた。
サークルの合宿にでも行くのか、
みんな大きなキャリーバッグを手にしており、
彼らはロングシートに集団見合いのような形で座った。
そして賑やかである。
ローカル線において車内が賑やかなのはいいことだと思うが、
若者の集団の中におっさん一人というのはどうも場違いな気がしなくもないし、
身体をひねって車窓を楽しむなんてこともできそうにない。
結局僕は席を立って最後尾へと移動し、
立ちんぼのまま上越の国境を抜けた。