北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

新幹線を使わずに福井から高崎に行く 〜その1・静岡鉄道としらす定食〜

毎年1回、山小屋時代の友人を訪ねて群馬県の高崎に行っているのだが、

今年は昨年より少し遅れて9月に行くことになった。

 

福井に来てからここ2年のパターンは、

福井→金沢→(北陸新幹線)→高崎、

高崎→東京→(東海道新幹線)→米原→福井、

こんな感じでぐるりと一周していたのだけれど、

今年は幸いにも青春18きっぷが使える日であり、

さらに一コマ残っていた。

 

さらに有効期限にかかるのが行きの1日だけなもので、

帰路は普通に乗車券を購入するつもりだったのだが、

せっかくなら単に行って帰るより、

普段はなかなか乗れない鉄道にもいろいろ乗ってみたい。

 

そんなもので行きは東海道経由で18きっぷをフル活用、

かねてから乗ってみたかった静岡鉄道と岳南電車に乗車、

帰りはほくほく線えちごトキめき鉄道を経由して、

かつての特急「はくたか」の経路をたどる、そんな計画をたてた。

 

 

 

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出発は毎度おなじみの福井4時48分発敦賀行き快速電車。

毎度のことながら早朝にもかかわらずお客さんは多いし、

毎回見かける女性も1人いることに気づく。

敦賀で新快速に乗り換えて、米原へ。

 

いつもこの新快速に乗っていると、米原駅で一斉に下車するもので、

「ずいぶん東海道線に乗り継ぐんだなあ」

なんて長らく思っていたが、

実際は跨線橋に向かう人は僅かで、

大多数の方は米原で増結する前8両に移動しているようだ。

 

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米原6時36分発の新快速で一気に豊橋へ。

岐阜手前あたりから「岐阜〜豊橋名鉄にしようかな」とか、

豊橋の市内電車もまだ乗っていないのよな」とか、

さまざまな誘惑が襲ってきたがぐっと我慢する。

 

豊橋着は8時38分、次の浜松行きは8時41分で、

てっきりホーム上での対面乗り換えくらいはやっているかと思ったが、

さすが天下のJR東海さまはそんなに甘くなく、跨線橋の利用。

次の8時54分発に乗っても浜松からの接続は同じになるのだけど、

今度は浜松での余裕がなくなるもので何とか乗り込む。

 

そして出発して間もなくこんな放送が流れた。

「終点の浜松駅でこの列車は3番線の到着、次の興津行きはホーム変わりまして2番線からの発車となります。ご注意ください」

さすがJR東海さまでいらっしゃる。

在来線利用者にはとことん厳しい(笑)

 

浜松行きはロングシートの車両だった。

ただでさえロングシートの車両は車窓を楽しむのに適していないのに、

この日はやたら天気がよく、

どの窓もブラインドを下ろしてあった。

車窓を楽しむのが鉄道旅行最大の魅力と考えている自分には何とも辛い。

ただ車内は静岡県に入り、浜松が近づくとどんどん混んできて、

とても車窓云々の話ではなくなってきた。

 

9時15分、浜松着。階段を渡ってホームを移動。

9時19分、熱海からやってきた普通列車が2番線に入線。

この時点で6両だったのだが、浜松で3両切り離し、

熱海方面の3両だけが興津行きとなるとのこと。

 

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この時点では車内の混雑はそれほどでもなかったが、

9時28分、3番線に豊橋からの普通列車が到着すると、

十分すぎるくらいに「混雑している」というレベルになってきた。

4両編成の列車2本を受けた列車が3両編成なのだ。

 

こんな時、JR西日本エリアの住人で本当に良かったと思う反面、

西日本も姫路以西では似たようなことをやっているな、とも思う。

 

出発間際、僕の真正面に老婦人が1人。

僕の両隣は恰幅のいい若者であったが、席を譲る様子はない。

ここで席を譲れば静岡までの1時間10分立ちっぱなしになるのか、

そんな思いもあったが、どうせ座っていても車窓など楽しめないと割り切って、

一応席を譲ってドアの脇に立った。

 

するとこの老婦人は次の天竜川で下車していき、

そこにはやはり僕より恰幅のいい若者が座った。

 

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車内は島田駅で一気に空いたが、

その後はどんどん乗り込んできて、

10時41分に静岡駅に到着した。

 

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JR静岡駅と静岡鉄道の新静岡駅は少し離れている、

そんな前知識はあって地図も頭に叩き込んでいたが、

駅前に出てみると「新静岡駅」の表示はさっぱり見当たらず、

さらに横断歩道すら見当たらない。

 

はて、どうやって行けばいいのだと思い、

通りかかった婦人に尋ねてみたら「地下道を通った方がいいですよ」とのこと。

地下道に入ると「新静岡駅」の文字を見つけてホッとしたのもつかの間、

再び表に出たのだが、さっぱり新静岡駅が何処なのか分からない(笑)

 

 

 

バスから降りてきた若者に「新静岡駅は何処か」と尋ねたら、

「それです」と目の前の巨大な商業施設を指差した。

 

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うーむ、この中にあるのか。

それにしてもさっぱり駅の表示が見当たらないような気がしたが、

単に見落としていただけなのか。

 

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券売機で新清水駅までのきっぷを購入してホームへ。

ほどなくして2両編成の電車が入ってきた。

 

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JRで静岡から清水へ向かえば途中にあるのは

東静岡と草薙の2駅だけであるが、

静岡鉄道の場合、11キロの区間に全部で15もの駅がある。

さらに驚くのはその運転本数で、

日中でも1時間かたり片道9本もの電車が走っているのだった。

 

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見た目こそ普通の鉄道であれど、

実際には路面電車に近いのかな、とも思う。

実際、11時に新静岡駅を出発した電車は、

加速するなりすぐ減速といった感じで、すぐに次の日吉町駅に着いた。

 

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車内は空いていたが、僕は運転席の後方に立って、

前面展望を楽しんでいた。

次々に駅が現れる前面展望も楽しかったのだが、

それ以上に楽しかったのが車内放送だった。

 

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ちょっと内容は間違っているかもしれないけれど、

駅を出発すると、女性の声で次は◯◯です、と流れ、

不動産屋や豆腐屋など、駅周辺のお店の案内が流れ、

男性の声で「駆け込み乗車は危険です」と流れ、

そうこうしているうちに次の駅に着いている。

 

よく路線バスに乗ると、バス停の案内の後に

「◯◯病院はすぐです」くらいの案内はあるが、

静岡鉄道の場合、ラジオCMを聴いているかのように、

1件1件の案内が詳細、かつ長い。

 

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そんなもので間なしに放送が流れている、そんな印象があるのだった。

もし毎日この放送を聴いていれば、

実際に途中駅で下車したことはなくとも、

周囲にどんなお店があるか、病院があるか、一通り頭に入ってきそうな気がする(笑)

今度機会があれば、是非各駅で乗降してみたい。

 

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電車は20分ほどかけて新清水駅に到着した。

ここいらで昼食にしたい。

 

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清水といえば「マグロ」だそうで、

清水港のマグロの水揚げ量は日本一を誇るらしい。

先日、テレビで見かけたマグロの丼がやたらめったら美味そうだった、というのも

今回清水を訪ねた理由の一つだったのだが、

その店を目指す手前で妙に渋い、港町食堂を見つけた。

「どんぶり君」とある。

 

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店内に観光客の姿は皆無で、

いかにも地元の漁師さんや漁協の関係者みたいな方々が、

やたらとボリュームのある定食をわしわしと食べていた。

壁のメニューを眺めてみればマグロもあったが、

端っこの方に「しらす定食・790円」なんてのもある。

 

よくよく考えたら僕はマグロよりしらすの方が好物なのだった。

ためらうこともなく注文したら、

1分もかからず「しらす定食」が運ばれてきた。

 

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皿にデンと盛られた大量のしらすが嬉しい。

白飯がわしわしと進む。

店員のおばちゃんたちもみんな明るいし元気があっていい。

好きだなあ、こんな店。

 

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清水港周辺は思いの外多くの観光客で賑わっており、

もっとゆっくり観光も楽しんでみたかったが、

そんなことをしていればいつまでたっても高崎に着けない。

 

ヤフーの乗換案内で見てみると、

福井から高崎は東海道経由で654キロちょっとあるのだが、

ここまでが377キロ弱で、先はまだまだ長い。

 

長くなったので次回に続けます。