前回、鯖江と武生に行ってから、
気づけば早くも二週間がたとうとしていた。
その間、ずっと気になっていたのはもはやスクラップを待つだけ、
といってもいい「610形」なる電車のことで、
姿を消していると、
なんて考えると武生に行くのが怖くもあった。
しかしながら「610形」電車は、
まちがいなく僕が福井鉄道へと足を運ばす
「きっかけ」を作ってくれた車両だった。
この車両に乗りたかったからこそ、
わざわざ武生や鯖江に昼飯を食べに行き、
敦賀や若狭に行く時だって武生まで福井鉄道を利用していたのだ。
最期を見届ける、
そんな意味でも心して武生に向かってみることにした。
この日は金曜日だった。
今月はもう一回くらい金曜日に動けそうな気がしたので、
ハピリンのウェルカムセンターで
金曜日専用の月極フリー乗車券である
「フライデーフリーパス」を購入して越前武生行きの電車に乗り込んだ。
福井鉄道さん、平日も800円くらいでフリーきっぷ出してくれると
嬉しいンだけどなあ、、、(笑)
電車が越前市へと入り、スポーツ公園前を出たところで、
運転士の後ろへと移動した。
北府駅の構内に差し掛かるとにわかに緊張する。
果たして「610形」はまだいるのか、
姿を消しているのか、、、、、
「610形」はまだいた。
ああ、良かった、と思う。
考えてみればこの構内には、
ナンバープレートを外されたバスも数台、長きに渡り放置されている。
「610形」もまた同様に放置されるのだろうか。
傷みが目立つ車体を眺めるのは心苦しくもあるが、
やはりもうしばらくこの場にいてほしい、とは思う。
久しぶりに、武生の街なかをぶらぶら歩く。
目指すは武生中央公園のそばにある「法円寺」。
こちらには「謎の石像」が多数置かれているという。
北府駅から30分ほど歩いて宝円寺に到着。
着いた瞬間に、
お寺で「にやける」なんていうのも不謹慎かもしれないけれど、
つい頬が緩むのが分かった。
「何じゃこりゃ、、、、」
パンフレットには以下のような記載が。
宝円寺は曹洞宗の開祖、道元禅師より七世・総持寺開山太祖瑩山禅師(市内帆山町出生)により、四世のお弟子、直伝正祖禅師がご開山です。
ご本尊は釈迦牟尼仏・脇立ちは文殊菩薩と普賢菩薩、また前立ちは迦葉・阿難尊者・五大羅漢です。
天正元年(1573)織田信長が朝倉追討の際、羅漢すべて焼き討ちに合い寺が全焼したため、廃寺に近く復興が大変だったと言われています。法円寺第七代住職の大透圭徐禅師が、第六代の教えを受けてその跡を嗣ぎ、兵火のため廃墟となった法円寺の復興に努めたといわれています。偶々前田利家公と邂逅、その帰依により寺門の復興が成就して、前田利家公は復興の開祖となりました。
どうしてこのお寺に石像が増えたのかは、
4月26日の朝日新聞デジタルの記事より抜粋。
取材を進めたところ、住職の桑原伯州さん(58)は、児童養護施設「精舎児童学園」=東京都町田市=の施設長を務めていることが分かった。普段は東京にいて、月に2回ほど福井に戻ってきているという。
桑原さんは1995年ごろに住職を父から継いだ。木が生い茂り、暗い雰囲気だった境内の「改革」を2000年ごろから始めた。「明るいイメージの寺が話題になって、お参りに来てホッとする場所にしたかった」。桑原さんはそう教えてくれた。
児童養護施設で働くという仕事柄、子どもの虐待問題にも関わることが多い。そこで昨年は「虐待防止地蔵」を建立した。カエルの石像は、亡くなった人が「あの世に無事カエル」よう建立しているため、その数は増え続けている。
ギスギスしたニュースばかり耳にするこの昨今、
暴言吐きまくりの某議員さんとか、
ネットで旦那の秘密を暴露した某女優さんとか、
こういった場所に足を運んでみればいいのにな、
そんなことを石像を眺めながら思ってしまった。
きっと、笑顔を取り戻せる、はず、、、、、、
最初は武生駅周辺で中華そばでも食すつもりだったが、
寺のすぐ近くに食堂があったので入ってみた。
「お食事処さの」とある。
メニューは多彩でしばし悩んだが、
結局いつも通り「から揚げ定食」を注文(汗)
こちらの食堂、僕が法円寺に着いた10時半の時点でのれんが掛かっていた。
いったい何時から営業しているのかと思えば8時からやってるらしい。
朝からやってる食堂がこんな住宅街の中にあるのが羨ましい。
しばし待ってから揚げ定食(756円)が配された。
味付け海苔とか冷奴がついているのが嬉しい。
から揚げは衣薄めだけど下味しっかり。
ビールがあれば無限にパクパク食べれそう(笑)
ごちそうさまでした。
越前武生駅から青いフクラムで福井へ帰る。
車内から610形の姿を確認。
どうぞ来週もいますように、、、、
この日は7月7日、七夕。
ハピリン前の広場には大きな七夕飾りが。
みなさんの願いは受験の合格や家族の健康を祈るもの、
彼女がほしいといった切実なものまで多種多様。
せっかくなので、僕も願い事を書いてみるかな。
「ロト6が当たりますように」が本音だけど、
いつも通り「毎日美味しくお酒が飲めるように」にしておいた。