相方が「連休なのに何処にも行かないのか」などと言う。
「何処に行きたいのだ」と問えば、
「小矢部のアウトレットとかチューリップフェアとかナガシマスパーランドとか」
などと恐ろしく混んでいそうな場所ばかり挙げる。
「嫌だよ、行くだけで疲れそうだ」
正直に言ったら手元のペットボトルが飛んできそうであったので、
どうにかこうにかなだめ、
と言ってみた。
しかしあまり反応がない。
「ついでにウマイもんでも食べてこよう」
と付け加えたら
ようやく「行く」となった。
車で行こうとする相方を
「きっと混んでるし電車で行こう」
と何とか説得して福井駅へ。
ハピリンの前にできた案内所でフリー券を買おうとしたが、
相方は財布を出す素振りすら見せぬ。
仕方なく2枚買う。
福井駅のホームにはかなりの数のお客さんが待っていた。
そこいら中から「つつじ祭りは〜」なんていう声が聞こえる。
神明駅に停車中、運転士がマイクで
「次の西山公園には本日駅員がおります。フリーきっぷの販売もいたしております。お近くの扉からお降りください」
と言う。
福井鉄道はイベントがあるごとに
適宜無人駅にも駅員を配置しているようで、
こういった点はいつも好感がもてる。
その西山公園駅で客の大多数が下車すると、
車内はガランとなった。
この駅が西山公園の最寄り駅なのは間違いないのだろうけど、
何となくつつじが咲いてる場所が道の駅寄りのような気がしたもので、
そのまま乗って西鯖江駅で下車した。
前日は強風でえらいこっちゃ状態であったらしいが、
この日は晴天に恵まれ、
大勢の観光客で賑わっていた。
ツツジは想像以上に咲き乱れていた。
ちなみに福井県の平成26年度観光客入り込み数なる資料を確認してみれば、
福井の観光地でもっとも観光客が多いのは
2位がここ西山公園で962,000人。
3位が大野市のまちなか観光で893,000人であったとのこと。
http://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kankou/fukuiken-kankoukyakusu_d/fil/013.pdf
共通して言えるのはいずれも見るだけなら無料ということか。
本当に福井の観光地って基本的にお財布にも優しいですよ(笑)
実際にお越しいただければ実感できると想います。
新しい「家」が出来ていた。
なかなか居心地が良さ気である。
西山公園は丘陵地にあるもので、
園内をひとまわりするとかなりぐったりする。
ちょうど公園の入口のところで、
カイロプラティックのブースがあった。
20分で1000円とのこと。
「クタクタだしやって行く」と相方が言った。
相方は最近急に「足が痛い、肩がこった」などと言い出しており、
先日「ゆー遊」に行った際もマッサージを受けていた。
「単に年取ったし何より運動不足なのだ」と言いそうになり、
ぐっと飲み込む。
だが施術を受けている方を見ていると、
あまりに気持ち良さ気なもので僕もお願いすることに。
担当してくれたのは
20代半ばに見える若者だった。
「背中も丸まってますね。痛くないですか」
と言われ、
「前は痛かったけど最近はそうでもない」
と答えたら
「痛みに慣れちゃったンでしょうね。ガチガチです」
と笑われた。
わずか20分ほどであったが恐ろしくスッキリするし、
まっすぐ立てているような気がした。
恐るべし、カイロプラティック。
西山公園の散策を終えたら昼食である。
1人なら「食堂」を探すけど、
今日は一応下調べしてある。
目指すは富士屋会館という、
結婚式や各種宴会ができる施設に併設された
「Restaurant&Cafe Fuji」さん。
西山公園からもほど近い。
こちらでは庭園を眺めながら食事を楽しむことができるとのこと。
普段の僕ならまず入らない類のお店ではある(笑)
メニューを眺めると、
ほとんどの定食は1000円前後で、
何とも格式のありそうな店にしては随分と良心的である。
僕はミックスフライ定食(1020円)を注文。
すると相方は黒板に目をやり、
「土日限定だし、ステーキにする」
などと言う。
お値段何と2000円、肉は250グラムもあるらしい。
「そんなに食えるのか」
僕は言った。
「食べ切れなかったら食べてくれたらいい」
「・・・」
先にミックスフライ定食が運ばれてきた。
ヒレカツ2枚に大きなエビフライが1匹、
白身魚のフライが2枚。
たっぷりの野菜が添えられているのが嬉しい。
ドレッシングも、自分好み。
続けて相方のもとに巨大なステーキが。
僕はぷりぷりのエビフライを頬張りつつ、
肉に食らいつく相方を見て言った。
「昼間っから2000円もするステーキなんてさぞかしウマイだろ」
と、たっぷりの嫌味を込めて言ったら
「へ?1000円じゃないの」なんてしれっと言う。
「・・・」
こちらのお店、
揚げ物がアツアツで美味しいのはもちろんのこと、
小鉢や香の物、味噌汁にいたるまで、
何もかもが丁寧に作ってる、そんな気がする。
小鉢は「いんげん」だったけど、
へえ、こんな和えものがあるンだと感動。
結局相方は250グラムもあるステーキのほとんどを1人で食べきった。
僕のもとに回ってきたのはほんの1切れだけである。
その1切れを僕の皿に置き、
最後の楽しみに残していたエビフライの半分を奪い取っていった。
会計をしようとレジに行ったら
相変わらず相方は財布すら出そうとせずに突っ立っていた。
僕は3, 020円の会計を済ませ、店を出た。
平日には日替わりランチもあるらしいし、
相方には絶対に内緒でまた来ようと思う。
復路は「ki-bo」で福井に帰った。
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