福井の極楽湯の駐車場を出て、
市街地方面に向かうとすぐにえちぜん鉄道の踏切がある。
この踏切を渡った先は
「長本」なる左手前方にガストがある交差点で、
まっすぐ行けば国道8号線へ、
福井駅に向かうことができる。
僕はその時、ハンドルを握りつつ、
「長本」の交差点の右折車線の先頭にいて、
信号が変わるのを待っていた。
その時、目線の先の電光表示板に、
こんな文字が見えたのだった。
「名物インディアンオムライス」
いつもこの交差点で右折しているにもかかわらず、
いままで全然気づかなかった。
そんでもって帰宅してからもずっと気になっていた。
インディアンオムライスって何やねん(笑)
いまどきネットでチェックすれば、
すぐに答えなんて出るであろうけど、
先に結果を知っては楽しみも半減してしまうもので、
あえて調べることもなく、
そのお店に伺えるチャンスを待った。
で、その日はやってきた。
この日の福井市の天気予報は
「晴れ時々雪」という、
どんなんやねんと
思わず突っ込みを入れたくなるような予報であり、
ま、要するに寒かった。
越前開発駅までのきっぷ(150円)を購入。
先日、えちぜん鉄道に乗車した時は真っ暗だったので、
あまり気づかなかったけれど、
着々と「えち鉄」の高架化工事は進んでいる。
今いる場所はあくまで数年後に新幹線が走る場所であり、
「えち鉄」福井駅は開業後15年を経て、
ようやく仮駅を脱することができるのだ、
そんな些細なことが何だか嬉しい。
1両編成の勝山行きの電車は、
平日の中途半端な時間であったが、
そこそこお客さんは乗っていた。
5分少々揺られて越前開発駅に到着。
線路沿いの道を歩くと、
先に述べた「えち鉄」の踏切が現れる。
そうせならここまで高架線にして欲しかった、
そう考える福井市民は多いと思う(笑)
いつも混んでるのよな、ここ。
踏切を渡った先が「長本」の交差点。
右折すれば大陽食堂さん、
左折すればカレーラーメンの「はら」さん
まっすぐ進めば
交差点の先に、
先日見かけた電光表示板が見えた。
このお店の前を通ることも多々あるのだけど、
ずっと喫茶店かな、と思い込んでいた。
しかしちゃんと「レストラン・ブルドック」とあり、
改めて見ればずいぶん立派な建物だった。
店内は昭和の雰囲気を色濃く残す喫茶店、
そんな感じなのだが、
古さは感じることもなく、
席の配置もゆったりしている。
「まだ空いてますんでお好きなお席でどうぞ」
フロアの女性のひと言に甘んじて
テーブル席に着く。
メニューを開けば、
ポークステーキや黄金のからあげなんていう、
色々気になるメニューが並んでいたが、
初志貫徹でインディアンオムライスを注文することにした。
単品が780円、
スープとサラダがついたセットが1080円、
さらに唐揚げまたは白身魚のフライがついた
サービスセットが1200円、とのこと。
今日は電車代を安く済ませてるし、
せっかくなのでサービスセットを注文。
ほどなくして注文の品が届いた。
第一印象は「でかい」(笑)
さて、インディアンオムライスとは何ぞや、
であるけれど、
美しい正統派のオムライスの上には
デミグラスソースと、
マヨネーズ味の2種類のソースがかかっており、
卵でくるまれた中身は
ドライカレーになっていた。
そしてこのドライカレーが
「ほんのり」としたカレー味であまり存在感を主張せず、
2種類のソースと混ぜ合せて食せば、
おもわず「おっ」と言いそうになる、
何とも絶妙な塩梅なのだった。
そして、大きなオムライスって、
食べ続けていると味に飽きてくることが多いけれど、
ソースが2種類かかってることもあり、
味に変化があって何とも楽しい。
サラダもたっぷり、
唐揚げもアツアツカリカリ、
ふう、食べた、食べた。
いつも往き来してた道沿いに、
こんな素敵な洋食屋さんがあったとは。
ごちそうさまでした。
開発駅まで戻っても、
電車に間に合いそうになかったもので、
帰路は歩くことにした。
福井駅まで30分も歩けばたどり着ける、はず。
かつては何とものどかな雰囲気に満ちあふれていた
福井口駅周辺は高架化工事まっただなか。
(↓2014年10月)
福井新聞の記事によると、
新駅舎は2018年夏に供用開始とのこと。
高架工事を横目で眺めつつ、
新福井駅へ。
隣に高架橋ができてきて、
幾分窮屈そうに見えなくもないが、
こちらも来年の夏には様変わりしているだろう。
それにしても地平を走ってた頃の面影が
まったくゼロですな(笑)
(↓2015年3月)
最後に福井駅前のアオッサからも眺めてみた。
僕は福井に来てまだ3年だけど、
この間に駅周辺は驚くほど変わった。
福井新聞の縮刷版を読んでると
ここまでたどり着くのに紆余曲折あったのはよく分かるが、
結果として二層高架のような複雑な構造物ではなく、
シンプルかつわかりやすい形に落ち着いたのだな、
そんな気もする。
街が変化する様子を眺めるのは、
寂しくもあれど、やはり楽しい。
この日の夜、
再び福井駅前へ。
平日の夜だし、ハピリンのスケートリンクも空いているかな、
そんな思いで覗いてみたら、
予想外に若いお客さんが多くて賑わっていた。
空いてたら挑戦してみよっかな、
なんて最初は考えていたのだが、
おじさん(僕)1人で滑ってひっくり返ってる姿を想像すると、
何だか切なくなってきて、
おとなしく家に帰った。