北陸徘徊人(元)

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神戸市営地下鉄海岸線徘徊

神戸新聞2021年7月21日付記事より抜粋

神戸市南部を走る市営地下鉄海岸線は開業以来20年連続となる赤字の見込みで、累積赤字は1千億円を超える。著しい人口減少、高齢化が進む長田、兵庫区の南部を活性化させるため、総事業費約2400億円をかけて整備。沿線のてこ入れもし、利用客は徐々に増えていたが、新型コロナウイルスが赤字運行に追い打ちをかける。

 海岸線は2001年の開業に前後して、沿線でマンション開発や大型店誘致が進み、神戸ウイングスタジアム(兵庫区、現ノエビアスタジアム神戸)も完成。市は00年、利用客数を1日平均8万5千人、5年目には13万人と見込んだが、実際は3万人台で推移した。その後、10年度時点で4万5千人、20年度で5万3千人に下方修正したが、いずれも達成できなかった。

 (中略)

 久元喜造市長は7月8日の定例会見で「海岸線は相当ずさんな需要予測の基に計画された」と指摘。その上で「(コロナ前は)悪化はしておらず、持続可能ではある。努力を続けて、未来に向かって賢く使っていくことが求められる」と話していた。

 

なかなかの書かれようではある。

僕は月に一度か二度、それも週末しか海岸線を利用しないので、

平日の様子はわからぬが、たしかにいつも空いている。

Jリーグの試合があった日は混んではいたが、

あくまで一時的なものにすぎなかった。

 

無論、神戸市も手をこまねいている訳ではなく、

中学生以下が無料となる制度を導入したりしているが、

沿線人口の減少もあって、なかなかうまくいっていないとのこと。

 

海岸線には海岸線のみで利用できる1日乗車券が存在する。

あくまで路線限定とはいえ、お値段400円と格安である。

(令和4年9月現在)

今回はこの乗車券を使って、沿線を徘徊してみることにした。

 

 

 

海岸線の三宮・花時計前駅は、

JR、阪神、阪急、地下鉄西神・山手線ポートライナーの駅からは若干離れた場所にある。

そして僕は長らくこの駅を利用するたびに

「花時計はどこにあるのだ」と疑問に思っていたが、

今は神戸市役所の南側に移設されたらしい。

 

 

海岸線の線路は三宮・花時計前からハーバーランド前までは

ほぼJRの線路と平行しているが、

その先で南方面に南下、

和田岬で東方面に向かい、

駒ヶ林で北上して新長田に達する。

 

とりあえずめちゃくちゃ腹が減っていたので、

駒ヶ林まで行ってから商店街にあるうどん屋に入った。

何故かわからぬが先日から無性に「カレーうどん」が食べたかったので、

店頭のメニューで存在を確認して入店した次第。

 

 

カウンターのみの店内は大半の席が埋まっていたが、

幸いにも一席のみ空いており、そちらに着席。

きりっとした調理担当の旦那さんと

接客担当の奥さんの連携が何とも心地よい。

予定どおりカレーうどんと小ライスを注文。

 

さほど待つまでもなく注文の品が配された。

なかなかスパイスが効いていたのか、

身体中から汗がにじみ出てくる、と同時に何だかスッキリしてくる。

富山にいた頃は従食で週一カレー、

休みの日もカレー食べてたから、

最近すっかりカレー不足だったのかもしれぬ。

あー、美味かった、ごちそうさまでした。

 

 

駒ヶ林にはわりと広めのブックオフがあるので重宝している。

今回は萩原浩さんの小説を2冊購入。

 

 

三宮方面の電車に乗って中央市場で下車。

今回、海岸線を訪ねてみようと思ったきっかけのひとつが、

この中央市場駅で見かけた「兵庫大仏」の看板だった。

大仏好きとしてはぜひ訪ねておきたかった。

 

中央市場駅は文字通り神戸市中央卸売市場の目の前、

かつイオンモール神戸南とも直結している。

こちらのイオンは鮮魚コーナーと野菜関係が妙に充実しており、

見ているだけで楽しい。

 

 

ぎらつく太陽の下を歩くこと数分、

目の前にいきなり大仏さまが現れた。

なかなかイケメン、かつ想像以上に大きい。

周囲が特に観光地という訳ではなく、

町中に突如として現れるという点においては、

高岡の大仏さまと共通するインパクトがある。

 

 

大仏さまからは兵庫県立兵庫津ミュージアム・初代県庁館をめざした。

特にどんなところか前知識があった訳でもなんでもなく、

今回購入した海岸線の1日乗車券に描かれていたのが、

この「初代県庁館」だった、という流れ。

 

 

初代県庁館ではガイドさんによる丁寧な案内もあった。

一番感動したのは「兵庫」の名の由来が

「兵器庫」であったということか。

兵庫県出身のワタクシには知らぬことが多すぎる、、、、

なお、兵庫津ミュージアムの方は秋にオープン予定とのこと。

 

 

そしてこの後、冷房の効いた休憩室で一服していると、

さきほどのガイドさんがやってきて、

周辺の散策マップをくれた。

僕はこの後イオンでも行って時間を潰してから銭湯に向かうつもりだったけど、

この散策マップに気になるものを見つけて再び地下鉄に乗り込んだ。

 

中央市場前駅から新長田方面へ進んで苅藻駅で下車。

いったん東寄りに進んでから山側へ向かう。

すると、何とも懐かしい車両が現れた。

懐かしいとはいっても新幹線0系はわかれど、

特急こだま号の方は流石に知らぬけれど。

 

 

川崎車両の敷地を貫く道路を歩き、

和田岬線の線路に突き当たったところで和田岬を目指した。

 

 

僕は和田岬線の朝夕のみの運転、

休日に至っては2往復のみという何とも癖のあるダイヤを見てきて、

勝手に和田岬というのは関東の鶴見線の末端部のような、

工業地帯のど真ん中みたいなイメージを抱いていた。

ところが、実際に訪れてみると、

近くに工場こそあれど、

駅そのものは何とも静かな住宅街の一角にポツリと存在しているのだった。

 

 

うーむ、もう少し日中に電車があってもそこそこ利用客がありそうな、

けど日中に運転すれば地下鉄の利用客がさらに激減しそうな、

なかなかさじ加減の難しいところなのかもしれぬ。

 

 

駅近くのお店に「東京五輪 兄妹で金メダル 阿部一二三選手、阿部詩選手」とあった。

東京五輪柔道金メダリストのきょうだいはここ和田岬出身とのこと。

 

今回お邪魔した銭湯、笠松湯さんは、和田岬駅から5分ほど歩いた、

やはり静かな住宅街の中にあった。

 

 

扉の先は昔ながらの番台スタイル。

どこの銭湯にもありがちなテレビなどはなく、

静かな空間が保たれている。

 

僕と同じタイミングで入った方は、

大阪の銭湯のTシャツを着ておられたから、

地元の方ではなく同好の士かもしれぬ。

 

浴室内は真ん中に島型の浴槽がひとつ、でんとある。

めちゃくちゃシンプルである。

多彩な浴槽がある銭湯もいいけれど、

あれこれ考えずに単純に湯を楽しむという点でもこれまた良し。

浴槽の縁は細かいタイルがなだらかなカーブを描き、

いわゆる「カド」が存在しないから、背中のあたりもいい。

 

浴室内にはさんさんと日差しが差し込み、

磨き上げられたタイル、澄んだ湯に輝きをもたらしている。

 

しっかり温もってから蛇口の水を浴び、

さらに温もってから蛇口の水を浴びた。

「サイコー」と思わず口から声がでそうになるのをぐっとこらえた。

 

笠松湯さん、いいお湯でした。

またお邪魔します。

 

 

さて、僕がちょこちょこ海岸線を利用するきっかけとなったのは、

月に一度ないし二度、新長田の献血センターに行っているからだ。

兵庫県内だと三ノ宮や姫路、明石にもあるけれど、

「県内で最も協力者が少ない」ことをアピールされると、

協力せざるを得ない気持ちになる。

 

 

で、予約時間までの間にちょっと三ノ宮行ったり、

umie行ったり、ブックオフに行ったりするのに海岸線は非常に便利な存在であったりする。

 

今回も新長田で通算110回目の献血

今まで最も多く行った富山のマリエ献血ルームや、名古屋のセントラルタワーズ献血ルームと比べると、確かにいつも閑散としているもので、

近隣にお住まいの方はぜひご協力を、、、、

 

 

献血を終えて時計を見れば、

週末には2往復しかないJR和田岬線の夕方の便に乗れそうな気がしたが、

この日のJRはめちゃくちゃダイヤが乱れており、

おとなしく明石へ帰ることにした。

 

 

 

おまけ

 

先日、大阪・天王寺の「秋吉」へ。

超巨大ターミナルのすぐ脇にある渋いアーケードを抜けた先。

夕方の早い時間だったにも関わらず、店内は大いに賑わっていた。

関西でも秋吉はしっかり根付いているのだ、と嬉しい限り。

 

 

秋吉でねぎまやわかどり頬張れば、

これまで一緒に秋吉に行った連れや同僚の顔を思い出し、

元気にしてるかなー、子供もでかくなったろうなー、などと懐かしい気分に。

しばらく関西の秋吉でも巡るかな(笑)