北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

JR東海道本線・灘駅周辺徘徊

松井山手行きの普通電車は灘駅に到着した。

兵庫県に帰ってきてから、三ノ宮以東へ出かける時はほぼ阪神か阪急を利用しているもので、

JRの電車で三ノ宮の先に行くのはずいぶん久しぶりな気がする。

とはいえ一駅だけど。

 

 

 

 

何だかこの日はわたわたしてしまい、

この時点で14時20分、かつまだ昼飯を食べていない。

うーむ、中途半端な時間だなあ、、、、

多くの食堂は昼休憩の時間だよなあ、と思いつつ海側を目指す。

 

 

灘駅を出てすぐのところに一見して廃線跡とわかる遊歩道があった。

「臨港線」とある。

ああ、春日野道のあたりで国道2号線をまたぐ鉄橋があるけど、

ここに繋がっているのか、と頭の中のバラバラの景色が繋がってくる。

 

 

目指す食堂は、

かねてから2号線を車で走っている時に巨大な看板が気になっていたお店である。

が、時間的なことなのか、単に定休日なのか、

シャッターは閉じられていた。

 

 

もう一軒、検討をつけていた食堂が2号線を渡った先にあったのだけど、

こちらもまたシャッターが閉じられている。

 

 

やれやれ、どうするか、と考えた矢先、先の食堂の並びに「たこ焼き」の看板が見えた。

この後の晩飯のことを考えれば、たこ焼きはベストな食べ物であるような気がしてきて、

歩道橋を渡った。

 

中途半端な時間にもかかわらず、ニコニコと愛想のいい奥さんに迎えていただき、

何はともあれ一安心。

たこ焼き10個を注文。

「何もつけないのもおすすめですし、半々もできます」

とのことで何もつけないのとソースマヨを半々にしてもらった。

 

 

ほどなくして配されたたこ焼き10個。

何もつけないのを1個ほおばる。

あ、うめー、

まわりはカリッ、中とろーの好きなタイプ。

あ、うめー、うめー、

ソースマヨもうめー、てな感じで数分で完食。

うーむ、20個くらい楽勝だったかもしれぬが、

チューネンはこの程度にしといた方がいいかもしれぬ。

このあたり、時々仕事でも来るし、また寄ろうww

 

 

今回灘を訪問した最大の目的は兵庫県立美術館で開催中の「関西の80年代」を鑑賞すること。

芸術はよく分からんけど、美術館の雰囲気は好きなのよな。

 

 

展示は展示で堪能したが、

圧倒されたのは安藤忠雄さん設計の美術館の建物そのものだった。

いやはや、神戸にこんな素晴らしい美術館があったとは、、、

 

 

美術館の並びには「阪神淡路大震災記念 人と防災未来センター」がある。

こちらは1ヶ月ほど前に訪問しており、

その展示内容に圧倒されたのだけど、

ボランティアのおじさんに癖がある人が多いのよなあ、、、

 

 

そして何よりもったいないと思うのは、

このあたり、山手に足を伸ばせば横尾忠則現代美術館、さらに王子動物園など、

さまざまな観光施設があるにもかかわらず

神戸市内で利用できる多くのフリーきっぷなどではエリア外となってしまうことだ。

 

神戸の観光地をめぐるバス、ポートループやシティーループは一日券があれど、このあたりを通らない。

 

周辺私鉄各線でも販売している「神戸街めぐり1dayクーポン」の

神戸エリア版なんて1000円で神戸エリアの電車1日乗り放題、

かつ800円以下の1施設に入場できる素晴らしいきっぷなのだけど、

利用できる多くの施設が「エリア外」という謎の設定になっている。

 

せめて山陽の須磨浦公園、阪急の六甲、阪神の大石とかつての3社乗り入れ区間までフリーエリアを拡大すれば

多くの観光地をカバーできるのに残念で仕方ない。

 

 

この日の神戸はじっとりとした暑さで

じわじわじわじわ汗がにじみ出る。

あー、早く風呂に入りたい、と思っていると渋い商店街が現れた。

 

 

商店街の末端部には「割塚温泉」という看板があったが、

その場所には真新しいマンションが建っていた。

調べてみると2019年の8月で廃業されたそうな。

 

 

商店街の一本山側の通りを東に進むと、

「宮本温泉」さんがあった。

昔ながらの番台に、にこやかな女将さん。

脱衣場の本棚には宗教関連の書籍が並んでおり、なかなか独特な雰囲気。

 

浴室の真ん中にでんと浴槽があり、

奥の壁面には見事なタイル画が描かれている。

 

先客は2人。

浴槽は浅めと深めの2つの浴槽に分かれており、

浅めの浴槽ではおっちゃんが1人、気持ちよさげ目を閉じている。

深めの浴槽の脇ではスキンヘッドのおっちゃんが、

浴槽の湯を汲みながら頭を洗っている。

 

湯加減は熱くもぬるくもなく、ちょうどいい。

適度に温もって、頭から水をかぶり、

再び温もって、を何度か繰り返した。

ああ、極楽、極楽。

 

さて、上がろうとしたタイミングで、

幼い子ども3人が入ってきて急に賑やかになる。

後から追うように入ってきた30代半ばくらいのお父さんが、

「こら、静かにせんか」と注意する。

さらに数人のおっちゃんたちが入ってきて、浴室は一気に賑やかになる。

 

脱衣場に出ると、女将さんが冷たいお茶を出してくださった。

何とありがたい心遣い。

ああ、美味い。

女将さんはその後、心配そうに賑やかな声が聞こえる浴室に目をやる。

 

さっきまで浅い浴槽にいたおっちゃんが出てきて

「一番大変な時期やろなあ」と僕と女将さんの方を見て言う。

女将さんは「まあ、そやわなあ」と番台に戻る。

僕は服を着ながら、

子供の声が聞こえる銭湯って素敵だなあ、と思う。

 

 

灘駅に戻ると、駅前には謎のモニュメント。

あらぬものを想像したのはきっと僕だけではないはず、、、、

 

 

僕は駅前のドラッグストアでハイボールを1本買って、

きゅーっと飲み干してから西明石行きの電車に乗り込んだ。

 

追記

 

 

この数日前、

ようやく明石の「秋吉」に。

福井や富山の秋吉に行くと総じて店員さんの雰囲気がいいと感じるが、

それは明石でも同じでいい気分でつい飲みすぎた。

 

北陸の味を明石で堪能すれば、また北陸が恋しくなる。

この夏か、秋までには行きたいなあ。