三田の街なかには1件の銭湯が残っている。
今回はその入浴を最終的な目的とし、
三田の街を徘徊してみようと想う。
駅前には「KIPPY MALL」なる商業施設が建っている。
「KIPPY」とは何ぞやと思ったら、
三田市のマスコットキャラクターが「KIPPY(キッピー)」であるらしく、
市のホームページによると
キッピーの「キ」はキジの「キ」と緑の「木」、幸せを意味する「ハッピー」が一体になった名前なんだ!
とのこと。
ひとまず、駅の北側にある三輪神社を目指した。
三輪神社は、我が国最古といわれる大和の国一之宮・大神神社から分祀された社です。御祭神の大己貴神は、出雲大社のご祭神であります大国主大神の幸魂で、いつも私達の日常生活が健康で、豊になるように お守りになっている神様です。
当社は、八世紀の中頃には存しており三田市、五十四社の中でも歴史のある神社として多くの方々より崇拝されております。 http://miwajinja.info/
僕は奈良の大神神社を知らなかったので調べてみたら、
日本最古の神社であるそうな。
三輪そうめん発祥の地とのこと。
そうめん好きとしてはぜひ訪問してみたいところ。
参道を抜けて再び駅前へ。
腹も減っていたのでラーメン屋に入った。
似たようなタイミングで入った3人がそろって「塩ラーメンのサービスセット」を注文したのでそれにならう。
提供時間が恐ろしく早く、
かつボリューム満点。
さらに美味いという肝心な要素もプラスされる。
これで935円だったかな。
コスパ的にも満足度が高い。
ごちそうさまでした。
しばし街なかを徘徊。
写真の時計は止まったままだった。
武庫川にかかる橋をわたっていると、
川の中で少年たちが川遊びを楽しんでいた。
いい光景だなあと思うと同時に、
この地が以前に訪問した福知山線廃線敷のさらに上流であることに気づき、
訳がわからなくなる。
旧九鬼家住宅資料館を訪ねた。
全国でも数少ない擬洋風建築(幕末から明治時代初期の日本において、主として近世以来の技術を身につけた大工棟梁によって設計施工された建築 Wikipediaより)とのこと。
見学できる日はかなり限られているようだが、
この日は可能だった。
年に6回だけ2階も見学できるそうだが、
残念ながらこの日は不可能。
この日は恐ろしく暑くて僕はTシャツ一枚だったのだけど、
館内は心地よい温度の空気が流れていた。
昔ながらの日本家屋の良さだよなあ、と思う。
管理人さんが
「私も永いこと三田に住んでますけど、この仕事するまでこんな建物が三田にあるなんて知りませんでした」と笑った。
まあ、そんなもんだよなあ。
隣にあった学習館も見学。
係の方のお話によると元は保健所だったらしい。
三田の街なかを歩いていて気になったのが「有馬高校」の所在地が三田にあった点で、
「有馬」という地名で、
有馬=神戸という印象があれど、
元は現在の神戸市北区の一部を含めて「有馬郡」だったそうな。
うろうろしていたら三田本町の駅に着いてしまった。
銭湯が開くまではまだ時間がある。
さて、どうすっかと思って調べてみたら、
三田には「兵庫県立人と自然の博物館」なる博物館があると知った。
さて、「人と自然の博物館」である。
僕はメインの入口が分からなくて裏口みたいなところから入館。
この日は神戸電鉄のGWフリーきっぷを所持しており、
この博物館の割引券(200円が150円に)もついていたのもで、
事務所で提示した。
するとその場にいた方々が何人かこの割引券を覗き込んできて
「この割引券、初めて見ました」などと言う。
館内は多くの家族連れで賑わっていた。
そこで僕は先程の事務所の方の「初めて見た」という言葉を思い出す。
少なくとも神戸電鉄沿線には多くの家族連れを集客できる施設がある、
しかしながら大多数の方は神戸電鉄を利用していない、ということが
おぼろけながら見えてくる。
三田駅やフラワータウン駅からはキリンビールの工場見学ができる無料送迎バスなども出ているし、
酒を飲むと必然的に車の運転はできなくなる訳だし、
アウトレットやめんたいパークなども周遊できるようにして、
何とかうまく電車利用に結びつけてほしいなあ、と思う。
再び三田本町の駅まで戻り、
ひとっぷろ浴びることにしよう。
今回お邪魔したのは「しんち湯」さん。
レトロな銭湯というのはこれまでもたびたび入浴してきているが、
そのレトロ具合という点ではかなり上位に位置するなあ、
というのが入ってみて真っ先に感じたこと。
(これまでダントツの1位は魚津市経田にあった観音湯だった)
脱衣場からはかわいいひょうたん型の浴槽が見える。
この日は開湯直後の一番風呂であったが、
すぐにもう一人入ってきて、
さらにすぐにもう一人、
その後に若い子たち5人組が入ってきたもので、
一気に賑やかしくなった。
その会話の端々から「銭湯初体験」といった感じであったけど、
よくぞ入ってきてくれたなあと嬉しくなる。
おじさんとしては若い子たちにゆっくりしてほしいもので早々に退散。
こちらの銭湯には入浴料と飲み物1本がセットになった「とくとくセット」570円があり、僕はそれを利用したのだけど、
飲み物は「ビール以外は何でもどうぞ」とのことだったので、
久しぶりにコーヒー牛乳を頂いた。
自由な価格設定ができない状況下でこれは嬉しいサービスだなあと思う。
しんち湯さん、いい湯でした。
僕は三田駅前のコンビニでぐびりと缶ビールを飲み干してから
帰路についた。