先週末は車で出かけたこともあり、
福井駅前にやってきたのは久しぶりのような気がする。
ハピリンの前の広場では何やらイベントの準備中。
調べてみると、5月28日と29日、こんなイベントが行われるそうな。
昨年は県庁前あたりでやっていたイベントであったと記憶しているが、
今年はこんなイベント広場が出来て何よりである。
と思ったら、城の橋通りに抜ける道も閉鎖して、
テントが立ち並んでいた。
さて、今日はハピリンで昼飯でも食べようと思う。
目指すは2階の福福茶屋さん。
こちらにでは郷土料理のバイキングが頂けるという。
はて、福井の郷土料理とは何ぞや。
中途半端な時間だったし、1人だったし、
わりとすんなり入店。
席に案内してくれた店員さんは「バイキングでよろしいですか」と言うし、
他にもあるのかななんて思ったけど、
「それでお願いします」と応える。
続けて「ごはんがついてませんけどどうなさいますか」と言われ、
それも注文した。
で、それからまわりを見ていたら、
「別にごはんじゃなくても良かったな」
そんなことに気づく。
向かいの席の婆ちゃんは巨大なおにぎりを頬張っていたし、
隣の爺ちゃんはそばとバイキングを組み合わせていた。
さらにメニューをみればちょっとお高いが色々定食もある。
ま、値段が安いといえばそこまでだけど、
(おかずだけなら580円+税、ごはんと味噌汁が280円+税)
お世辞にも品数があるとは言えない。
いわゆる「メイン」になるものが欲しいなーってのが率直な感想。
バイキングで思い出すのは
織田神社の前にある「じんべえ」さんで、
エビカツやコロッケに唐揚げだけでなく、
焼きうどんといった「メイン」になる一品が
どひゃーっと並んでいたから似たようなものを想像していたが、
福福茶屋さんはどっちかと言えば、
「おそうざい」のバイキングであるような気がする。
天ぷらやハタハタの唐揚げもあるけど、
いずれも冷めていたのが悲しい。
僕の感想としては、
そばや丼のような一品を注文して、
サイドメニューとしてバイキングを頂くのが
このお店の正しい姿であるような気がした。
いずれにせよ、
福井の駅前には飲食店が少なかったもので、
選択肢が増えたのはありがたい限り。
ごちそうさまでした。
腹も満たされたので、
以前書いた記事にコメントを頂いている
新栄商店街を歩いてみることにした。
この商店街、
ヒゲ線が走る通りを表とするなら、
その裏の裏、みたいなところに入り口があり、
普通に駅から西武百貨店に向かうだけなら、
その存在すら気づかれないような場所にひっそりとある。
僕みたいな(自称)路地裏マニアにはたまらない空間、とも言える。
残念で極まりないのはそこにある多くの店がシャッターを閉じていることで、
行き交う人の姿もほとんどないことだ。
ちゃんとアーケードもあるし、
昔は賑わっていたのだろうか。
もしこの通りにちゃんとお店が並んでいて、
人も歩いていれば、
それこそ大阪の鶴橋や、
台北の路地裏に広がる市場みたいな雰囲気になるかもな、
てなことを思う。
何せこの通路の狭さだ。
ちょっっと人がいるだけで随分賑わってみえるだろう(笑)
柴田神社に寄ったら、
鳥居の先に雰囲気がよさげなイタリアンのレストランが出来ていた。
福井駅周辺には、特に女性が喜びそうな店は案外ある。
他の用事をすませて、
再び夕方に駅前を歩いた。
福井駅前には「おしゃれ」なお店じゃなしに、
「気軽」なお店が必要でなかろうか、
それは常々思う。
現在、カフェや美容系といった
女性がゆっくり過ごせそうなお店は多々あるし、
いずれも流行っているように見える。
けど、若い世代や男性が気軽に入れる店、となると
首をかしげてしまう。
福井の場合、駅から徒歩5分〜10分も歩けば、
市役所もあるし県庁もあるし県警本部もあるし、
大手企業の福井支店なんかも駅から徒歩圏内であろう。
要するに駅を中心にビジネス街と繁華街がコンパクトにまとまっているし、
昼間人口にも恵まれているとヨソモノは思う。
にも関わらずシャッターを閉じた店が多いのは、
商売をやってる方とそこにいる人のニーズが合っていない、
これに尽きるのではないか。
サラリーマンは800円から1000円もするようなランチを望んではいない。
せいぜい500円程度だろう。
都市部のビジネス街には
牛丼屋、カレー屋、定食屋、立ち食いそば、弁当屋、など
ワンコインで昼食をとれる店がわんさとある。
けど福井駅周辺にはほとんど見当たらない。
福井だとゲンキーというドラッグストアが198円+税金で弁当を売ってるけど、
残念ながら中心部に店舗はない。
駅前にあれば馬鹿売れするのではないかと思う。
朝、夕には多くの学生達が現に福井駅を利用している。
みんな一旦福井駅に出て、学校なり、自宅に向かっている。
そんな子たちが立ち寄れる店も駅前にはほとんどない。
彼らなんて定期券を持っているから、
週末も気楽に駅前を訪れることができる。
エルパで映画を見たり買い物をしようとすれば
余計にバス代を出さないといけないけど、
そこまでして何で定期券を持ってるような世代までもが
郊外のショッピングセンターに行かねばならないのか。
学生が小遣いの範囲で学校帰りの小腹を満たし、
サラリーマンがワンコインでランチを食べることが出来て、
旅行者が気軽に食べ歩きをできるような、
そんなお店が何でないのだろう。
ちょっと記憶があいまいで、
何の記事で読んだのかはっきり覚えていないけど、
「空き店舗のまま放置してるけど何で家賃を下げないのですか?」
そんな問に対して、
「周辺の家賃とのバランスが悪くなる」
と答えていた大家さんがいた。
おそらく駅前周辺の大家さんたちはみんなそんな感覚なんだろう。
気軽な店を出そうと思っても、
家賃が高ければ必然的に単価をあげなければならない。
そんなもので「駅前一等地だから」とあぐらをかいてる
大家さんの意識が変わらない限り、
福井駅前が賑わうことなんて金輪際ないとも思う。
福井駅前に人がいないンじゃないんですよな。
単に行く場所がないだけ。
色んな条件にも恵まれているにも関わらず、
それに気づかないのが悲しい。
駅前大通りをはさめば働いてる方がわんさといるのに。。。
街歩きの最後は新栄商店街にある中華料理屋さん、
「福林軒」さんへ。
アーケードの商店街にひっそり掲げられた赤いのれんが嬉しい。
店内には婆ちゃんがひとり。
「中華しかできないンだけど」なんて言う。
それが目当てだったので注文。
メニューを眺めればチャーハンや唐揚げ、
焼きそばなんかもあったから、
もしかしたら料理人が留守にしていたのかもしれない(笑)
店内は改装されてきれいだし、
カウンター越しに眺める厨房も、
かなりピカピカに磨き上げられている、
そんな印象がある。
ほどなくして運ばれてきた中華そばは、
びっくりするほど麺が細い。
何だか中華のスープにそうめんが入っているようにも見える。
けど、一口すすれば何とも優しい味わいが広がる。
スープと麺の絡みも良い。
やっぱ40過ぎたらラーメンより中華そばだな。
至福の一杯のお値段は550円。
ごちそうさまでした。
自宅に帰りがてら、イベントの準備を眺めてふと思った。
福井駅前ではたびたび「食べ物」に関するイベントをやっているが、
その時は恐ろしいほど賑わっている。
老若男女問わずびっくりするほど人であふれかえる。
で、そのたびにテントを設営して、
水やガスの準備と、この日見てても思ったけど、本当に大変な作業である。
それこそ、、、、
商店街の空き店舗を利用してやればいいのに。
すべての空きテナントが飲食に適してると思わぬし、
保健所の問題やらいろいろあるのはわかるけど、
わざわざテントを設営してイベントをやるくらいなら、
ずらりと並んだ空き店舗を活用した方がよほど効率もいいのではないか。
衣料系のテナントだって、水道とガスくらいはあるだろう。
何せ今の現状はあまりにも「もったいない」と、
つくづく感じた一日だった。