北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

京都七福神をめぐる旅(前編)

金曜朝、4時40分の福井駅前は、

夜明け前独特のひんやりとした空気に包まれていた。

何処からともなく人がやってきては、

駅の改札口へと吸い込まれていく。

 

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コンビニから相棒が出てきて、

「仕事の時でもこんな早く起きひんわ」と、

大きなあくびをする。

見てるだけで、僕もあくびが伝染る。

 

 

 

福井発4時48分発の快速電車敦賀行き。

以前に乗った時は週末で、

「こんなに乗っているのか」と思ったが、

金曜のこの日も乗車した車両には20人近く乗っていた。

 

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電車は淡々と走り続ける。

酒でも飲まない限り、

僕は電車で寝るなんてことはほとんどないけれど、

流石に眠くてウトウトしてくる。

 

最初に「京都に行きたい」と言い出したのは相棒である。

七福神めぐり、つうのがあってだな、この色紙がなかなか見事なものなのだ。是非やって家宝にしたい」

テレビの旅番組で船越英一郎さんがまわっているのを見て、

非常に興味をそそられた、とのこと。

 

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日本最古 都七福神 - トップページ

 

七福神めぐりもいいけど、京都なら鉄道博物館に行きたい」

僕は言った。

そんな感じで1泊2日で京都へ行くことになった。

 

当初は金曜日を鉄道博物館

土曜日を七福神めぐりに、と考えていたのだが、

直前になってよくよく調べてみれば、

この七福神めぐりが予想外に広範囲に点在している。

 

 

参拝するだけなら寺社の開門時間に行けばいいのだろうけど、

色紙=御朱印を頂くとなれば話が違ってくる。

御朱印の受付時間という制約を考えると、

公共交通機関だけで一日でまわるのは何だか厳しいのでは、

そんな気がしてきた。

 

僕は都七福神めぐりの地図を改めて眺めた。

 

大黒様の松ヶ崎大黒天、福禄寿様の赤山禅院叡山電鉄の駅からほど近く、

ゑびす様の京都ゑびす神社、弁財天様の六波羅蜜寺京阪本線の駅からほど近い。

寿老人様の革堂も京阪本線の駅からそう離れてはいない。

要するに京阪本線叡山電鉄の周辺はすんなりまわれそうな気がした。

 

以上に対して毘沙門天様の東寺は京都駅からほど近く、

布袋様の黄檗萬福寺など宇治市にある。

そこで考えたのが鉄道博物館を見学する前に東寺を参拝、

早めに鉄道博物館を切り上げて黄檗萬福寺を参拝、というルートだった。

 

敦賀で新快速に乗り継いで、

京都駅に到着したのが7時28分。

駅構内で朝食をすませ、八条口に出た。

京都はたびたび来ているが、

八条口に出たのは小学校の修学旅行の時以来かもしれない(笑)

 

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東寺を目指し、ぶらぶら歩く。

到着した東寺には早朝にも関わらず、

すでに修学旅行の学生の姿も見えた。

 

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東寺には金堂、五重塔といった有料エリアもあるが、

毘沙門堂は無料で参拝できる。

参拝をすませてからご朱印所のある食堂へ。

この食堂の扉が開いたのが8時30分。

 

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こちらで毘沙門天の朱印の入った色紙を購入。

(色紙が1500円、朱印代が300円で計1800円)

で、この色紙が想像以上に大きい。

とてもではないが、

かばんにいれて持ち歩く、なんていう大きさではない。

 

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こちらに7ヶ所の朱印を頂けば、

かなり立派なものになりそうな気がした。

 

 

 

東寺周辺を散策してから

梅小路公園内にある京都鉄道博物館を目指した。

風が吹くたびに大きな色紙が揺れて神経を使う。

 

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京都鉄道博物館に到着したのが9時40分であったが、

すでに大勢の列が出来ていた。

だがその列は一列ではなく、

玄関を中心に二手に分かれている。

 

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一方は当日券購入の列、

一方は前売り入場券を持った列とのこと。

 

ざっと数えた感じでは当日券側にはすでの100人程度、

前売り券側には50人ほど並んでいた。

僕らは前売り券を所持していたのでそちらの列に並んだが、

入場が開始された時点でそれぞれ200人、100人程度の列となっていた。

 

4月29日の開業からすでに1ヶ月以上、

それに平日であるにも関わらずなかなかの盛況ぶりだ。

営業初日は開館前に2000人の行列ができ、

1万4300人が来館したなんて記事もみかけたが、

いったいどんな状況だったのだろう。

 

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館内をひとまわりしての感想は、

とにかく「懐かしい」の一言に尽きる。

 

一世を風靡した500系新幹線やトワイライトエクスプレスの車両が

「すでに博物館入り」していることに時代を感じ、

弁天町にあった頃、さんざん遊んだ101系のカットモデル、

図鑑で食い入る様に見ていた指令室、

そしてパタパタとまわる駅の出発表示。

 

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播州赤穂が選択できたことに感激(涙)

別途300円支払ってSLにも乗車。

 

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40歳を過ぎた僕が、ショーネンに戻れる場所、

それが京都鉄道博物館

こんな素敵な空間を作ってくれたJR西日本には素直に感謝。

(いつも文句ばっかり書いてますが・笑)

 

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鉄道博物館を満喫したところで七福神巡りを再開。

梅小路公園を出た先で昼食をすませて京都駅へ。

 

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奈良線の電車に乗って黄檗駅を目指す。

一昔前の奈良線など「ローカル線」の印象しかなかったし、

一本逃せばえらいことになると思っていたが、

普通列車でも1時間あたり片道4本も運転されていることに驚く。

 

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城陽ゆきの普通電車は京都駅から25分ほどかけて黄檗駅に到着。

駅から住宅街の細道を5分ほど歩けば、

黄檗萬福寺に到着。

 

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拝観料500円を支払い境内へ。

まず出迎えてくれるのが布袋様。

いいお顔をしていらっしゃる。

 

境内はとてつもなく広く、

時間に余裕をもって参拝できてよかったとしみじみ思う。

途中で聞かせてもらった修行僧さんのお話もなかなか楽しい。

こちらで2カ所目の御朱印を頂いた。

 

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さて、朝も早かったし、

早めに宿に向かうとしよう。

今宵の宿は滋賀の浜大津にとっている。

奈良線で京都に戻り、

そのままJRで大津へ向かった。

 

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何で浜大津にしたかといえば、

単に京都市内の宿泊料金が恐ろしく高かった、というのもあるが、

翌朝に「京津線」に乗りたかったという、

鉄道ファンにしか理解してもらえない事情による。

 

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浜大津の居酒屋に入り、

相棒と乾杯。

店の前には京津線の線路が通っており、

電車が通るたびに車輪のきしむ音が店内に響く。

 

そんな音を聞きながら、

電車の走行音というのは最高の酒のツマミだよな、

なんて思う。

東京や大阪でも高架線の下にあるような酒場でビールを飲めば、

いつも以上にビールがうまく感じる。

 

「この音聞いてるだけでいくらでもビールが飲めそうだ」

僕が正直に言ったら、

「そうでなくてもいつも飲んでるではないか」と、

相棒は呆れたように言った。

 

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