この年末年始は大阪からお客さんが来ていたもので、
せめて冬景色でも見せようと思って五箇山に案内したら、
雪どころか土砂降りの雨に見舞われて、
一歩も外に出れず終い。
五箇山ですらそんな状況なのであるから、
当然のことながら富山市内にはさっぱり雪もなく、
それはそれでありがたいよなあ、とは思いつつも、
スキー場は営業できないみたいだし、
雪景色を期待して来られる方は物足りないだろうし、
適度に降る必要はあるよなあ、とは思う。
そんでもってこの年末年始だけで3キロばかし増量してしまい、
すっかり身体が重い今日この頃。
「正月くらいいいじゃねーか」
と昼間っから酒を飲み続けていたツケは腹に来る。
うーむ、どうすればいいのやら、、、、、
令和2年最初の徘徊は市内電車とライトレールを利用することにした。
何だかんだいってもあと2カ月ほどすれば、
両者は一体化されるのだ。
「まだつながっていない」状況を楽しむのは、むしろ今しかない、
とも言えた。
南富山駅の窓口で
「富山まちなか岩瀬1日ふりーきっぷ」を購入。
「市内電車・バス1日ふりーきっぷ」(620円)に
ライトレールの乗り放題もついて820円で販売しているものだけど、
3月22日以降はどんな取り扱いになるのだろうか、とも思う。
このふりーきっぷ、使用年月日をコインで削って使うのだけど、
年の部分に2020年の項目はなく、
「2020年」というステッカーを貼った上で
「2020年にご利用の場合は月・日のみ削ってご使用ください」
と記してあった。
ある意味「レア」なきっぷと言えるかもしれない(笑)
何はともあれまずは昼飯。
桜橋で下車して松川沿いを歩いて市役所へ。
富山市役所の1階にはレストランという名の食堂があって、
誰でも利用できるようになっている。
入店するとお姉さんが1人座っていて、
メニューを告げて食券を購入。
今回はちょこちょこいろんなおかずが乗っているA1定食、540円を注文。
春巻きやらコロッケやら焼きサバやらいろいろ楽しめるし、
ご飯の盛りもいいし、値段の割に満足度は高い。
一方でどうしても比較してしまうのは、
かつて丸の内にあった市立図書館の食堂で、
600円くらいで分厚い刺し身もついていたよなあ、
なんてことを思い出す。
あの食堂の親父さんや女将さんはお元気に過ごされているのだろうか。
ちょいとおセンチな気分になりつつバスに乗って富山駅へ。
さらにコンコースを通り抜けて駅北へ。
ちょうど入線してきたのは最新鋭の「シルバー」のポートラムだった。
途中で下車するつもりだったけど、
せっかくだしと結局岩瀬まで行くことに。
久しぶりに乗って改めて思ったのは、
ライトレールは「信用乗車」が完全に定着していることで、
みんなためらうことなく後部車両からカードをタッチして下車していく。
これは市内電車側では取り入れられていないシステムであり、
南北接続の際にはどうなるのだろうか、と思う。
富山港の展望台へ。
真剣に「まずい」と思ったのは、
展望台に登る階段がかなりきつかったことかww
展望台から眺める立山連峰はさすがに真っ白であるが、
手前にはさっぱり雪がない。
立山山麓スキー場も7日には上部のゲレンデだけ営業するとのことだが、
8日以降は未定とのこと。
岩瀬のまちなかを抜けて東岩瀬から再びライトレールに乗り、
越中中島で下車。
駅前には何とも魅力的な看板がww
まだ富山市内にも行っていない銭湯は幾つもあるのに、
再訪しようと思ったのは「中日新聞」のサイトで以下のような記事を見つけたから。
若き情熱 銭湯守る 富山の男性「地域のため」経営引き継ぐ
人口に対する銭湯数が全国上位の富山県。しかし、今や全盛期の5分の1にまで減った。経営者も客も高齢化し、原油高など取り巻く環境は厳しい。そんな中、県内では若手経営者たちが銭湯を残そうと奮闘している。(柘原由紀)
県内「全国4位」も全盛期の5分の1
8月、富山市中島にある立山鉱泉の経営者が、利用する客らに伝えることなく代わった。引き継いだのは近くで生まれ育った中平昇吾さん(31)。正午の開店から番台に座り、客に応対。午後9時半の閉店後は一人で浴場の掃除をして午前を回ってから帰宅する。
以前は作業療法士として病院でリハビリに携わっていた。けがや病気になった人が元の生活に戻るサポートをしていたが、退院後の姿は見られない。「銭湯に行ったり、普通の社会生活を取り戻せるかが健康を左右する」。好きだった銭湯で地域の高齢者を支えたいと、業界の門をたたいた。
中平さんが「銭湯の全てを教えてもらった」のが、県公衆浴場業生活衛生同業組合の最年少役員で三つの銭湯を営む坂田信二さん(38)。坂田さんは12年前に家業を継ぎ、2年前に富山市岩瀬荒木町で休業していた銭湯を開業。「じいちゃん、ばあちゃんが歩いて行ける距離に」銭湯を再開したいという思いがあった。
水の流れを左右するバルブ、湯を沸かすボイラーなど機械から経営まで。一から学んだ中平さんは1年前に仕事を辞めて銭湯一本に。家族は安定した仕事を手放すことに反対したが、毎晩のように話し合いを重ねて説得した。
気を付けているのが常連客をがっかりさせないこと。「温まる湯」が評判だったため温度管理を徹底。コミュニケーションを心掛け、顔を覚えて要望を受け止める。だが、思いがけぬことも。女子更衣室のついたてを上げると「開放感がない」と初めてのクレームがあった。1センチ単位でついたてを調整したと苦笑いする。手すりを付けるなど自身で改修した。前年と比べて客数は月1000人ほど増えた。
立山鉱泉の前には母校であり長男が進学する小学校。生まれ育ったコミュニティーを支える場をつくるやりがいは大きい。坂田さんは、中平さんの活躍に「うれしい。業界のためにもバックアップしていく」とほほ笑む。
富山県内の銭湯 2016年度の国統計では、人口10万人当たりの県内の公衆浴場数は8・8で全国4位。県公衆浴場業生活衛生同業組合によると、後継者不足や家庭風呂の普及が原因で、県内の加盟銭湯は1971年の317軒をピークに現在58軒まで減った。
こんな記事を読んだだけで行きたくなるってもんですよな(笑)
番台の男性が記事に出ていた方であろう。
玄関の券売機で購入した入浴券を差し出すと、
「ごゆっくりどうぞ」と何とも柔らかい声が返ってきた。
5月に来た時はニコニコと愛想のいいおばちゃんが番台に座っていて、
あちらこちらも古めかしく、
浴室内には演歌が絶えず流れていて、
とても「令和」という時代にいる感じすらなかったが、
いい意味で「小綺麗」な感じになっていた。
脱衣場の一画には以前ふるめかしいソファがあったと記憶しているが、
畳敷きの漫画コーナーも設けられていた。
一気に改装というよりは
コツコツと自分のできる範囲で改良しているようで、
その過程はフェイスブックで確認できる。
浴室内も清掃が行き届き、とにかく気持ちいい。
湯上がりに涼みがてら番台さんとお客さんのやりとりを眺めていると、
お客さんにしてみれば息子ないし孫のような世代の方が番台にいる、
ともいえ、何だかみんなして嬉しそうな表情を浮かべている。
女性側からも声だけであるが楽しげな会話が聞こえてくる。
またお邪魔します。
少し歩いて奥田神社を参拝して、下奥井からライトレールに乗った。
電車に揺られながら考えたのは
富山市内の銭湯は多くがライトレールなり市電の電停の近くにあるということで、
大浴場のないホテルに宿泊している観光客やビジネス客向けに
「市電に乗って銭湯に行こう」みたいな企画があっても
いいのになあ、ということか。
ホテルや飲み屋が多いのは圧倒的に南側なのだから、
風呂に入るために市電に揺られて駅の北側へ行く、
なんていうのは他では味わえない魅力になるのではなかろうか。
そういったことが線路がつながれば容易になる。
無論、富山市民の方も風呂好き、酒好きの方が多いのであるから、
駅前で飲む前に銭湯でひとっ風呂浴びませんか、
みたいな企画があってもいいのではなかろうか。
富山の銭湯は多くが住宅街の中や裏通りにあるもので、
近隣の住民以外はそもそも昔ながらの銭湯があるってことすら
知らないように思う。
実際にかつて僕が五福にあった銭湯に通っていたころ、
その話を同僚にしたら、
富山工業や富大出身の同僚ですら五福に銭湯があった、
なんてことすら知らなかったものだ。
路面電車の南北接続を機に、
電車一本で行ける銭湯が増えて、
電車だから気にせず一杯飲めて、なーんていうのは
非常に楽しげな光景であるような気がするんだけどなあww
そんな訳で富山駅に着いて一杯飲んでいきたい気分になったのだけど、
年末年始に散財したこともあり、
財布の中には隙間風が吹いていた。
僕は大人しくバスに乗り込んで家へ帰った。