この日は出稼ぎの合間の中日、
みたいな感じだったもので、
イマイチ遠出する気にもなれず、
駅前で昼飯だけ食べて銭湯に行って帰ってくるつもりで家を出た。
殺人的な暑さもようやく落ち着いて、
駅へ向かう足取りも軽い。
富山駅に着いて、まずは南北接続工事の様子を確認。
かつての富山駅北電停にも変化が伺える。
考えてみれば、
僕が富山でバイトを始めたのが平成3年で、
富山県民になったのが平成4年で、
それからの富山県内の鉄道事情というのは
生まれ変わった路線はあれど
路線そのものが廃止された訳でもなく、
ライトレールや環状線の開業、
北陸新幹線の開業など
むしろ着々と進化し続けているともいえ、
イチ鉄道ファンとしてはありがたい限りだよなあ、と思う。
そして令和を迎えて最初の大きなニュースが
路面電車の南北接続といえるだろう。
大学前や南富山から岩瀬浜まで一本の線路でつながるのだ。
僕が富山に来た頃は想像だにしなかったことが、
まもなく現実のものになろうとしている。
富山に来た頃はまだショーネンであったが、
すっかりチューネンとなったおじさんは、
駅の南側へ向かった。
目指すはCICの地下にできたインカ料理店。
富山に戻ってきてから気になる存在であったが、
なかなか伺うチャンスがなかった。
しかしながら近づいてみると何か様子がおかしい。
うーむ、どうするか、と思う。
この後行きたい銭湯は決まっていたから、
あまり銭湯からは遠ざかりたくはない。
しかし何より僕はこの周辺の飲み屋はいろいろ行っているが、
昼飯事情に関してはまるっきり疎い。
あれこれ思案した結果、
先日相方と訪れたラーメン屋を目指すことにして、
市電に乗り込んだ。
荒町で下車して電車通りから東へ進んだところに
「南京千両・蛯町支店」さんはある。
富山大和の前の通りを東に進むと
不二越駅の手前、元町にも南京千両という、
のれんが非常に立派なお店があって、
長らく僕は中華料理のお店だと思っていたが、
実は久留米がルーツの豚骨ラーメンの店で、
「へえ」と思って調べてみると、
西町にも近いこの地に支店があることを知り、
夏の始め頃に訪れたのが、こちらのお店、
「南京千両・蛯町支店」さんだった。
焼豚ラーメンを注文すると
「これぞ昔ながらのラーメン店のご主人」といった感じのオヤジさんが
淡々と調理に入る様子が伺える。
ほどなくして焼豚ラーメンが配された。
一応、僕は(免許を持ってるだけの)調理師なもんで
料理を提供する側としていろいろ試行錯誤してきて、
富山の方は「あっさり」というよりは
「メリハリの効いた味付け」を好むのかなあ、
と勝手に思い込んでいた節があったもので、
この南京千両さんの恐ろしくあっさりした豚骨ラーメンというのは、
ある意味衝撃的なものがあった。
その感想は今回もまた同じで
豚骨だけどあっさりしている、
けど薄くて物足りない訳じゃなく、素直に旨い。
そして何よりいいなあ、と思うのは、
最近のラーメン屋さんのように気合が入りすぎていないので、
ゆっくりラーメンをいただけることか(笑)
スープもしっかり飲み干して完食。
ごちそうさまでした。
南京千両さんを後にして銭湯を目指す。
住宅街を北上してから西へ向かった北新町へ。
以前「ポーク」さんにお邪魔した際に見つけた銭湯、「たから湯」さんは
大通りから一歩入った裏通りにある、のだけど、、、、
うーむ、何てことだ。
そうか、今日は13日の金曜日なのか、
なんてことを改めて思う。
実は南京千両さんの並びにも銭湯があるのだけど、
「戻る」という行為が苦手なだけに、
どうも気が進まない。
しばし考えて稲荷元町の「いなり鉱泉」さんを目指すことにした。
北陸新幹線の高架をくぐり、
あいの風とやま鉄道を渡った先にある。
夜に来るといつも駐車場が混んでいる印象があるけれど、
平日の昼間とあってかこの時点ではまだ空いていた。
券売機で入浴券を買い求め、
カウンターに座るママさんに渡していざ浴室へ。
「いなり鉱泉」さんで感心するのは
浴槽の充実ぶりで、
露天風呂にジャグジーに炭酸泉、さらにサウナまで完備しているにも関わらず、
420円の銭湯価格であるということか。
僕のかつての勤務先の事務所がこの近くにあって
上司が毎日こちらに寄って帰ると言っていたけれど、
その理由もわかるような気がする。
ゆっくり湯を堪能して「いなり鉱泉」さんを後にした。
稲荷町駅に向かって電鉄富山まで地鉄を利用するつもりであったが、
このタイミングで踏切の警報機が鳴り、
電鉄富山方面の電車が走り去っていった。
では次の電車は何分後かと調べてみれば、
20分後であったりする。
うーむ、20分あれば富山駅に着けるよな、
と結局歩き始めた。
いたち川を渡った先で見えてくるのが以下の看板。
以前にコメントでちょっと触れたけど、
富山市は屋外看板の規制を強化しており、
この「コカ・コーラ」の看板もまもなく撤去されるそうだ。
山から降りてきた時とか、
東の方向から電車に乗ってきた時とか、
この看板を見ると「あー、富山に帰ってきたー」なんて気がしていたのは
決して僕だけではないと思うのだけどなあ。。。
富山市は看板の撤去よりも先に
立山連峰の眺望を妨げるマンションの乱立を見直したり、
電線の地下化を進めたりした方がいいのではなかろうか。
駅周辺も再開発ですっかり様変わりしたけど、
どんどん町の表情というか、個性がなくなってきつつある、
そんな気がする。
このまま帰宅しても別にやることないし、と、
久々にマリエに寄って献血をすることにした。
驚いたのは問診をする「医師」が
明らかに、自分よりはるかに若い方だったということか。
長らく「医師」=「年上の人」と思い込んでいたが、
決してそうではなくなってきているのだ、
と、改めて思う。
献血を終え、バスに乗って帰ろうと思っていたら、
後ろから「◯◯めっちゃ太ってたよね、びっくりしちゃった」
「あー、それ私も思った」
といった女性の会話が聞こえてきた。
あまりにもひどい言われようで、
女子高生が喋っているのかと思ってチラリとみたら、
どっかの会社の制服を着たお姉さん2人組である。
決して僕が言われている訳ではないのだけど、
何となく腹の肉が気になった僕は、
バス停を通り過ぎ、そのまま歩いて家に向かった。