北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

JR舞鶴線・東舞鶴駅、西舞鶴駅周辺徘徊

JR西日本が「サイコロきっぷ」なる商品を発売した。

キャッチフレーズには

「さぁ、偶然から始まる列車の旅にでかけよう。 旅先は、北陸から九州まで全7駅!」

とある。

 

 

要するにサイコロを振って行き先が決まる、という遊び心あふれるものであるが、

起点が大阪ということもあり、

自分としては特に食指が動く、という訳ではなかった。

しかしながら、「面白そう」と反応したのは相方で、

「倉敷に行きたい、久しぶりに芦原温泉でもいい」とサイコロを振った。

 

で、行き先は「東舞鶴」と出た。

 

 

 

舞鶴行きの特急「まいづる1号」は定刻に京都駅を出発した。

予想外、といえば失礼な言い方かもしれぬが、

想像以上にお客さんが乗っている。

 

 

まいづる1号」の前には天橋立ゆきの「はしだて1号」がつながっている。

園部を出発してしばらくすると、

「まもなく、分割作業のため、4号車、5号車の間の通り抜けができなくなります」

そんな放送が流れた。

「昔のサンダーバードでも同じような放送が流れてたね」と相方が言い、

今も、と言いかけて、そっか、今は和倉行きだけなのかな、と思う。

 

山陰本線を快走した「まいづる1号」は綾部で進行方向を変え、

舞鶴線へと入っていく。

特急「しらさぎ」の米原のように一斉に座席転換シーンが繰り広げられるのでは、

と思って車内をみていたけど、

誰ひとり立ち上がることもなく、転換することもなく、

綾部を出発した。

 

西舞鶴で大半のお客さんが下車していく。

天橋立でも行くのかな」と相方は言う。

天橋立なら「はしだて」に乗るだろう、と思ったが余計なことは言わぬ。

 



舞鶴に到着。

舞鶴に行くことが決まった時点で、

バス1日乗り放題チケット「舞鶴かまぼこ手形」を利用するつもりでいた。

舞鶴市内のバス乗り放題、舞鶴引揚記念館、赤れんが博物館、田辺城資料館が入館無料になって1000円ポッキリというものである。

入館料を考えればかなり安い。

 

舞鶴はちょこちょこ車では通り抜けているもので、

赤れんがの建物が並ぶエリア(赤れんがパーク)や自衛隊の船舶が見えるあたりが観光スポットなのだろう、

と漠然と考えていた。

 

そんなもので僕は舞鶴引揚記念館は赤れんがパークにあると思っていたのだけど、

実際は市街地からかなり外れた場所にあり、

バスの本数も限られていることを知った。

 

さらに「まいづる1号」の東舞鶴到着は10時11分なのであるが、

赤れんが博物館があるエリアに行く東西循環線のバスは10時40分までない。

西舞鶴到着が10時03分だったので、そちらからの乗り継ぎも考えたが、

乗り継ぎにちょうど良さそうな10時25分発は土日祝運休、次は10時55分発、

和田線経由でも行けるらしいが10時10分発で、

特急を降りて、改札抜けて、案内所で手形を購入していたら間に合うとは思えなかった。

 

さらに観光利用に便利そうな舞鶴ループバスは現在運休中。

 

そんなもので、今回は「かまぼこ手形」を利用せず、

ぶらぶら歩いて赤れんがパークを目指すことにした。

 

 

赤れんがパークからは遊覧船が出ている。

前日に予約しようと思ったら15時でWeb予約は終了とのことだったので、

てっきり乗れないと思い込んでいたけど、

幸いにも空席があるとのことで乗船してみた。

 

 

たまたま(らしい)現役自衛官の方が、案内人として乗船しており、

(ボランティアとのこと)

時節ネタも交えた軽妙な案内で満足度は高かった。

ちなみに僕らは船の進行方向に向かって左手の席に座ったが、

右手の席の方が護衛艦などを間近に見ることができるように思う。

 

 

下船すると赤れんがパークでは日本酒とワインの試飲会も行われており、

ついつい一杯。

おちょこまで頂いてただただ恐縮。

 

 

昼は検討をつけていた中舞鶴の食堂へ。

入店すると地元の方らしき方々で大いに賑わっていた。

旦那さんが「観光ですか、よくここまで来られましたね」と笑う。

 

一番人気らしい「肉うどん」を注文。

この後入ってきた方々もそろって肉うどんを注文していたから、

富山でいう糸庄の「もつ煮込みうどん」や吉宗の「カレーうどん」みたいな

存在なのかもしれぬ。

 

 

ほどなく配された「肉うどん」は肉たっぷり、

そしてしみじみする優しい出汁の味。

柔めの麺と肉がするすると入っていく。

すぐ近くの国道はこれまで何度も走ったことがあったのに、

交差点を曲がった先にこんな素敵な食堂があったとは。

ごちそうさまでした。

 

 

食堂の向かいには「クスリのアオキ」があった。

相方が「病院出てアオキに寄って薬をもらって帰りましょ」
と口ずさみながら入っていく。

 

 

クスリのアオキ」は兵庫県にないので、店内でおなじみのテーマソングを聴いているだけでテンションが上がってくる。

「フレッシュスマイル フレッシュライフ 瞳輝いている いつも身近なおつきあい クスリのアオキ

喉が乾いたので缶酎ハイを購入。

 

 

予定ではバスで西舞鶴に向かう予定でいたが、乗りそこねたもので、東舞鶴に戻ることにした。

舞鶴13時09分発の東西循環線のバスに乗るつもりで

缶酎ハイをのんびり飲んでいたらいきなりバスが現れて大慌て。

13時03分発の和田線のバスらしい。

09分のバスだとJRとの乗り継ぎが怪しかったので、乗車する。

 

東舞鶴駅から乗車した福知山行きの普通電車は、

夏休み中ということもあってか、若い世代を中心に大いに賑わっていた。

電車は空いているにこしたことないけれど、

地方の電車が混んでいるのはやはり嬉しい。

 

 

さいころきっぷの東舞鶴版は西舞鶴で途中下車できる。

西舞鶴にはかねてから訪ねてみたい銭湯があるのだけど、

開湯まで時間があるので、マップで気になった場所を訪ねてみることにした。

「吉原入江」なるところ。

 

 

駅から炎天下の道を20分ほど歩いただろうか。

その集落に足を踏み入れた瞬間、「おお」となった。

 

 

この日は定休日であったが、

この集落にも銭湯「日の出湯」が存在していた。

舞鶴には2軒の銭湯が残っており、ともに国の有形文化財に指定されている、とのこと。

 

 

そして今回お邪魔したのはもう一軒の銭湯「若の湯」さん。

来た道を引き返して向かった。

 

 

浴室の壁には富士山が描かれていた。

京都でも富士山なんだなあ、とその時点では思っていたが、

後から調べてみたら「富士山と天橋立」のこと。

 

浴室は浴槽が2つ並んでおり、こじんまりしている。

風呂なんて広いにこしたことないと長年思っていたけれど、

何とも心地よいサイズ感であったりする。

 

男湯の先客は2人。

常連さん同士のようで「今日も仕事、明日も仕事や」

「そらご苦労さん」みたいな会話をしている。

 

それにしても、仕事帰りに銭湯に寄れるという環境がただただ羨ましいし、

僕が暮らしてきた町でいえば、

町中の至るところに風呂がある富山というのはそういう環境だったなあ、とも思う。

 

若の湯さん、いいお湯でした。

 

 

アーケードの商店街を抜け、

再び西舞鶴駅近くのクスリのアオキで缶ビールを買って、

帰りの特急「まいづる」に乗り込んだ。

 

 

サイコロきっぷの率直な感想としては「面白い」ということで、

ぜひ2回目も挑戦してみたい。

願わくば、この切符は大阪発着であるが、

JR西日本は新潟から福岡まで駅がある訳だし、

それぞれの県を出発地とした商品があってもいいのではなかろうか、と思う。

 

都会に暮らしているとなかなかピンとこないかもしれないけれど、

地方で暮らしていると、

恐ろしいほど鉄道なりバスなりを利用する「きっかけ」みたいなものがなかったりする。

こういった遊び心がある切符があれば、

鉄道を利用する「きっかけ」につながるかもなあ、と考えた次第。

 

さ、2回目はどこに行けるかな、、、