福井から富山に越してきて思うのは、
富山はずいぶん喫煙者に厳しい街になっちゃったなあってことで、
例えば富山駅の改札口を抜けた先で、
「喫煙所」なんていえば道路を挟んだ向かいのCICの前くらいしかない。
▷後日訂正、立派な喫煙所がありました、失礼しました
マリエには喫煙室が設けられているけど、
営業時間外は当然使用不可。
マリエ1階のコンビニ前や駅前広場の食堂の前に灰皿あれど、
あくまで喫煙所という位置付けではなかろう。
福井駅なんて改札口周辺に3か所も喫煙所があるのにえらい違いである。
さらに新しくなった市立図書館にも喫煙室はおろか、
建物の周囲に喫煙コーナーすらない。
図書館にいて、一服したくなったら大和の喫煙室に行くか、
ドトールの喫煙ルームに行くしかない。
市内各地の公園も、
以前は灰皿があったところもことごとく撤去されている。
別に一企業、一個人が喫煙者を排除する、という流れは仕方ない。
勝手にしなはれ、であるし、
近づくつもりもない。
しかしながらたばこ税という多額の税収がありながら
喫煙者に厳しい自治体はどうかと思うし、
たばこ税の受取を拒否すりゃいいとも思う。
こっちは20年以上せっせと税金を収めているのに、
文句しか言われないし、肩身も狭い。
以上の点をふまえると、
富山でタバコを吸うという行為が非常に馬鹿げたことであるように思えてきた。
そんなもので僕は富山の「たばこ税」に協力するのをやめることにした。
禁煙するなんて言わない。
あくまで富山の「たばこ税」に協力しない、ってだけだ。
富山の「たばこ税」への協力をやめてはや10日。
何だか一日中腹が減っている、そんな気がしなくもない。
今日は高岡に昼飯を食べに行こうと思う。
目指すは新設された「高岡やぶなみ駅」。
Suicaで入場してあいの風とやま鉄道のホームへ上がる。
北陸3県の県都で在来線の高架化が一番遅くなったのは富山であるが、
その分、新幹線と一体化された構造は後発の利で洗練されている。
ただ、計画の段階では「サンダーバード」も「しらさぎ」も残ることが大前提だったんだな、
ということが、恐らく12両編成にも対応していると思われる、
この長大な上り線ホームをみると分かる。
現在工事中の下り線ホームは流石に短くなったようだ。
あいの風とやま鉄道は4両編成が最長で、
高山線の本数を考えても1面2線、または2面2線、
6両編成対応のホームさえあれば何とかなったと思われ、
それならとっくに高架化事業も完了し、
ライトレールと市内電車の乗り入れ運転も始まっていただろうな、
なんてことを考えると、何だか悲しくなってくる。
やがて東富山方面から金沢行きの2両編成の電車が現れて、
長いホームの真ん中あたりにポツリと止まった。
富山駅から約20分少々の乗車で今年の3月17日に開業した「高岡やぶなみ」駅に到着。
新駅にひらがなを用いるのは全国的な流行りなのかな、、、
あいの風とやま鉄道のサイトによると、
名称の由来には「大伴家持が国守として赴任している時代に『やぶなみの里』と呼ばれる地域の伝承地の一つであり、古くから地元の人に親しまれた名称」とある。
下車したのは僕1人、乗車したのも恐らく1人だけだったか。
運賃表を見ると、隣の高岡までが150円と随分安い。
僕は富山駅からあいの風とやま鉄道に乗ると、
金沢方面の呉羽までが210円、魚津方面の東富山までが230円なもので、
初乗り運賃が210円か、地鉄より高いではないか、、、とずっと思っていたのだが、
単に駅間距離が長いもので、これまで160円の初乗り運賃が適用されていなかった、ということらしい。
160円が150円になっているとのこと。
2017年の4月14日まで、あいの風とやま鉄道の越中大門駅から高岡までの運賃は210円だったのに対し、
乗り継ぎ割引が適用される越中中川や新高岡までは200円となっていた。
この逆転現象を解消するため、越中中川駅から高岡駅までの運賃を2017年4月15日に200円に引き下げた。
これと同様の措置が今回も行われたようだ。
今日の目的は昼飯を食べることであったので、
グーグルマップで駅の場所を確認してきたのだけど、
駅前に出ると何だか違和感がある。
ヤフー地図の位置が正しいと思われる。
↓グーグルマップ
↓ヤフー地図
高岡やぶなみ駅から10分ほど歩けば国道8号線に出る。
8号線の沿線は、福井も金沢も富山も、駐車場が広い、似たり寄ったりの店が並ぶが、
高岡に関してはちょっと雰囲気が違っていて、
チェーンの飲食店や商店の合間でひっそりやっているような個人経営のお店を
幾つか見つけることができる。
今回目指すお店も、8号線を車で走っていると、以前から気になっていた存在だった。
8号線の北島口交差点から高岡市内へ向かう。
確かこのあたりと思って歩いていたが、
さっぱり食堂らしきものは見えず、羽広の交差点まで出てしまった。
あれ、羽広より先だったっけ、手前だったかな、
それより北島口交差点より金沢寄りだったか、、、
ところがグーグルマップで確認すると、
僕はそのお店の前を通ってきたことになっている。
はて、どうなっているのかと思うと、
北島口交差点と羽広交差点のちょうど間に目指す「かどや食堂」さんはあった。
建物には「かどや食堂」とあるが、
お店に「のれん」や看板はなく、
道路の反対側を歩いていれば見落とさなかったのだろうけど、
目の前を歩いていたからこそ見落とした、とも言える。
店に入ると店主の息子さんかな、
一生懸命勉強に励んでいる。
愛想のいい奥さんに「カツ丼」を注文。
ソースにする?卵にする?なんて聞かれなかったのも、
随分久しぶりだなあ、と思う。
8号線沿いのお店の大半は、
歩道があって、駐車場があって、建物があるもので、
車道からはある程度距離があるものだけど、
こちらは窓のすぐ先をトラックや乗用車がひっきりなしに行き交っている。
ほどなくしてカツ丼が供された。
ツユはちょっと甘めで、めしがわさわさと進む。
そして嬉しかったのは、ごぼうのささがきがたっぷりはいった味噌汁と、
卵焼きや煮物といったちょっとしたおかずもついていたこと。
そして食後には「今日は暑いねえ」とジュースまで供された。
あまり目立たない、小さなお店だけど、
ついつい通いたくなる、そんな雰囲気に満ちていた。
ごちそうさまでした。
羽広の交差点を右折すれば高岡駅に達するが、
時間もあったので少し回り道をしてみる。
高岡の街の面白い点は、ちょっと裏通りに足を踏み入れただけで、
東西南北の感覚が分からなくなってしまう、ということか。
多くの街は4回右折を繰り返せば、元の位置に戻るはずだが、
高岡はそうはいかない。
国道8号線の一本隣の道を歩いているつもりでも、
どんどん離れていったりする。
目標となるような大きな建物がある訳でもないので、
2度3度右左折を繰り返すだけで、
どの方面に向かっているか、さっぱり分からなくなる。
そして思いもかけないところで、見覚えのある景色やお店にたどりついたりして
「ああ、ここに出るのか」と嬉しくなったりする。
高岡は歩くだけで、頭の体操ができると思う。
ただ、この日は平日で、さらに大和も定休日だったということもあれど
高岡駅前の寂れっぷりは半端ないものがある。
この日は坂下町から駅前まで商店街を歩いたが、
見かけたのは高校生と建設現場の作業員、警備員の方々くらいだ。
あまりにも人がいないし、活気というものを一切感じない。
僕はそもそも賑わっていた頃を知らないけれど、
それでも以前はもう少し人は歩いていたと思う。
単にイオンができたから、とか、新幹線が併設されなかったから、とか、
そういった理由とは違った、ものがある。
高岡は駅から歩いていけるエリア内に、
案外見どころが多かったりする。
よそから来ると「あ、いい雰囲気やな」って思うことも、
地元の人にしてみればそうは感じていない。
高岡を訪れた多くの方の旅行記を見ると、
街の美しさ、雰囲気より、駅前の寂れ具合の方が印象に残ってしまう、
そんな感じがある。
これは僕も同様。
かつて高岡は町おこしで「コロッケの街」をアピールしていたことがあった。
それなりに力を入れていたので、
高岡といえばコロッケ、そんな印象がある方もいるかもしれない。
けど、この日、高岡やぶなみ駅からまわり道をして一駅分歩いたけど、
「コロッケ」の文字を見ることはなかった。
僕はあればつまんでみるつもりだった。
もったいないよなあ、という気がしなくもない。
それでも、この高岡は、
僕にとってみれば初めて一人暮らしをした思い出の地であり、
それなりに思い入れもある。
電車に乗って昼飯を食べに行くという、このブログのテーマにも合ってるし、
これからもちまちま訪れようと考えている。
僕は泊行きの普通電車に乗って富山に帰る。
この日の富山市の気温は5月の中旬にも関わらず32.8度。
ただでさえ暑さに弱いのに、この先生きていけるのかという、
そんな絶望的な気分になる。
そして喉も渇く。
新幹線が出来てから、富山駅周辺には弱ったことに、
「昼飲み」ができるお店が着々と増えてきている。
これは僕にとっては「嬉しい」変化であったりする。
また、こういったお店に関しては別の機会に触れることにします。
ただ、昼間っから酒飲むと、
結局タバコを欲しちゃうのよな、、、
ま、しばらく僕は富山のたばこ税には協力しないのだ。
愛煙家にも、多少の意地はある。
今度福井行ったら買ってあげよ(笑)