富山市では「とほ活」なる、
要するに「歩きましょう」といった試みを始めてて、
呼び掛けだけにとどまらずスマホのアプリまで作っており、
なかなか気合が入っていたりする。
https://tohokatsu.city.toyama.lg.jp/
ただ、これだけでは食指が動かないが
歩数に応じてポイントがたまり
商品抽選に応募できるなんていう「エサ」もちゃんと用意されていて、
この商品が高級旅館の宿泊券であったり、
商品券であったりとなかなか豪華である。
僕に関して言えば日頃から徘徊と称して無駄に歩いている、
とも言えるし、
これが何らかの商品に化ける可能性がある、となれば、
それなりにモチベーションもあがる。
早速ダウンロードして「昼飯」を食べに行きがてら「とほ活」をしてみることにした。
南富山から市電に乗って大学前へ。
大学前電停の前にあるラーメン屋さんには平日にも関わらず、
行列ができていた。
五福で行列ができる店なんてここくらいではなかろうか、
なんてことも思う。
富山大学がある五福という地区は、
僕自身が長らく暮らしたところであるが
飲食店との相性がいまいち悪いのか、
新規参入したお店が長く続く印象があまりない。
焼き鳥の大吉の跡は一時期台湾料理の店が入ってて
500円でランチを食せたので重宝していたが、
直に撤退してその後は放置であるし、
大学の正門前にあるこの建物の一画も、
長く続いた喫茶店が移転してからは、
さまざまな店が開業、閉店を繰り返し今は空きスペースになっている。
さらに驚いたのはカレーのチャンピオンまで閉店していたことか。
よくよく考えたら僕の大学生の甥っ子も
専門学校に通う友人の息子も
昼飯なんてもっぱらコンビニのおにぎりだけ、なんて言ってるし、
学生街には安くてボリュームのある定食屋がある、
なんていうのも過去の話なのかもしれない。
昔住んでいたアパートを横目に歩く。
風呂、トイレ共同のワンルームで一応「学生アパート」となっていたが、
僕の部屋の右隣にはばあちゃんが1人で暮らしていたし、
向かいの部屋のおじさんも怪しげな雰囲気に満ちていた。
そして僕の部屋の左隣がまさに共同トイレと洗濯機があったので
一日中水が流れる音が響いていた。
外から見る限り、全ての部屋にカーテンがかかり、
空室はないように思えた。
令和の時代を迎えても、こういったアパートには需要があるのだなあ、
と思う。
民俗民芸村を経て呉羽山の展望台へ。
いわずとしれた、立山を眺めるには最高の場所であるが、
ほとんど観光客らしき方を見かけないのが寂しいところ。
観光客の方が行きづらい場所だから、といえばそれまでなのだけど。
呉羽山から下る車道の脇にある広大な空き地は
かつて「富山観光ホテル」があった場所。
天然温泉にもかかわらず格安で日帰り入浴もできたのだけど、
2016年の5月末をもって廃業したそうな。
昔お世話になった施設が姿を消すのはやはり寂しいものがある。
呉羽山を下ったら適度に腹が減ってきた。
このあたりはチェーン店も多く、
五福と違って昼飯に困るなんてことはない。
今回お邪魔したのはスーパーの敷地内にあるこちらのうどん屋さん。
昼時の店内はそこそこ賑わっていて
「あーちょっと待っといてねー、すぐ片付けるから」
「はいはい」みたいな流れがあってカウンターの隅に着席。
ニコニコと愛想のいい女性の店員さんに
「かやくラーメン」と「おにぎり」を注文。
カウンターの中ではねじり鉢巻がりりしい親父さんが、
店員さんたちにあれこれ指示を出しつつ、
次から次へと麺を茹で続けている。
ほどなくして配された「かやくラーメン」。
こちらのラーメンの特徴は「うどんの出汁に中華麺」という、
新湊の「かけ中」と同じ組み合わせであるということ。
幼い頃から姫路駅の駅そばを食べ続けているから、
僕にしてみればわりと「慣れ親しんだ」組み合わせ、といえるのだけど、
全国的にみれば珍しいのかもしれない。
こちらのお店に伺ったのはずいぶん久しぶりであったけど、
「ねじり鉢巻」の親父さんが元気そうだったのは何より。
ごちそうさまでした。またお邪魔します。
旧8号線を西へ。
今となっては正確な場所は記憶にないが、
以前、このあたりに長嶋茂雄さんのイラストを掲げた
強烈なインパクトがある食堂があった。
僕はアンチ巨人だったので結局は入店しなかったのだけど、
その店がなくなったらなくなったで寂しいもので
今となっては「入っておけばよかったなあ」と思う。
そして、呉羽といえば何といっても「朝乃山関」。
お隣の石川県はわりと定期的に関取が出ているような気がするが、
富山で相撲が注目されるなんて、
平成初期の「琴ヶ梅関」以来ではなかろうかと思う。
呉羽は全力で地元のスターを応援しているようで
それがなかなか微笑ましい。
この日お邪魔した「呉羽の湯」には朝乃山関のサインも。
そして呉羽駅前の神社にも「朝乃山」ののぼりが立っている。
今回の徘徊のスタートを南富山にしたのは、
最後に富山駅を堪能したかった、から。
以下北日本新聞より引用
富山市の路面電車南北接続事業で、南側の富山地方鉄道市内電車と北側の富山ライトレールのレールが12日、富山駅北口前でつながった。長く続いた市街地の分断の解消に向け、事業は大きな節目を迎えた。南北直通運転は、来年3月21日に始まる。
午前9時ごろ、作業員10人が富山駅北口交差点付近の約30メートル区間で工事を開始。レールとレールの溶接作業を行った。
レールに関わる工事は今月末で終える予定。その後、来年2月上旬までに架線や信号機の設置を完了させる。
レールを固定するのに用いられる樹脂は、冬の気温低下によって強度が落ちる可能性があるため、工事を急いでいた。市路面電車推進課は「本格的な冬の前にレールの工事を終えられそうで良かった。3月の開業までに無事に工事を終えたい」とした。
南北接続事業は、岩瀬浜から富山駅までと市内電車の鉄軌道を合わせた全長15・2キロのLRT(次世代型路面電車)ネットワークを構築する。市内電車を富山駅高架下に乗り入れさせる第1期工事は15年3月に完了。現在は第2期工事で、駅高架下から北口駅前広場にかけて約120メートルの区間にレールを敷く作業を行っている。
かねてから書いている通り、
僕はこの工事の完成が楽しみで仕方ないのだけど、
これはあくまでイチ「鉄道ファン」としては、という点で、
富山の住民としては少し複雑な点もある。
一見便利になるように見えるけど、
住民の視線から見るとほとんどメリットはないのよな(笑)
というのも市電とライトレールの沿線には大型の商業施設、文化施設、病院なんかが皆無といってもいいから、使いようがない、というのが正直なところ。
市民病院に県立病院、赤十字病院、県立美術館、環水公園、ファボーレにアピタ、富山空港、県立植物園にファミリーパーク、
こういったところを目指すには必然的にバス利用となるわけで、
市電とライトレールで行ける場所というのは極めて限定的であったりする。
今回の直通運転をきっかけに
バスとバス、市電とバス、地鉄電車と市電、バスといった乗継も真剣に考えてほしいなあ、と考える次第。
岩瀬から大学前まで210円で行けるようになるのに、
稲荷町から大学前なら420円なんてあんまりではなかろうか、
という話。
とはいえ、楽しみにしてますが(汗)
で、この日歩いたのはおよそ2万歩。
きばって歩いてダイエットに励みます(笑)