北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

JR山陽本線・西明石駅〜明石駅徘徊

電車に乗った瞬間に鹿児島の離島に暮らす同い年の従兄弟から着信があった。

電車内なので出る訳にはいかない。

うーむ、とあれこれ思案する。

従兄弟とは祖父の葬儀以来かれこれ10年以上会っていない。

従兄弟からかかってきた電話となると、

その祖父の容体が急変した時、ではなかったか。

 

 

祖父も祖母もすでに他界している。

となれば、叔母か叔父の身に何か起きたということは安易に想像できた。

しかしながら、叔母か叔父に何かあったのならうちの親からも何かしらの連絡があるだろう。

すると、しばらくしてから母親からも着信が。

やはり電車内なので出ることができない。

僕はすっかり絶望的な気分に陥っていた。

うーむ、叔母は元気っぽいけど叔父の方かなあ、、、

 

うちの両親はすぐにでも島に向かうだろうけど、

僕は最低限の仕事だけはやっていかないといけない。

 

僕は早速ネットで検索をかけた。

すると神戸から鹿児島という航空路線があることが分かった。

しかしながら空港から港までのバスがうまくつながらない。

空港でレンタカーを借りるか、しかしながら船の時間もあるしなあ、、、

結局新幹線の方がいいのかなあ、

まあ、祖父や祖母の時は富山から行ったのだ、

それに比べるとだいぶ近くなったし、、、、

 

僕は駅のホームに降り立って従兄弟に電話を掛けた。

すると、

「おー久しぶりー!いやさあ、俺、LINE乗っ取られちゃってさ、かたっぱしから注意してくれって電話してたんよ。(僕の)母ちゃんにも、おまえが電話でねえから連絡してっからさ」

と、やたら陽気な従兄弟の声が聴こえてきた。

「・・・」

 

 

 

当初は神戸市内をうろうろするつもりでいたが、

この日は天皇陛下がお越しになるということで大人しく地元の徘徊に変更。

見た目が怪しいという自覚は若い頃から持ち合わせている。

 

 

我が家の最寄り駅である西明石駅

新幹線と在来線が斜めに交差することは在来線の電車から見ても分かるが、

実際に駅の利用者としてみるとなかなか複雑怪奇な駅である。

西明石駅には東口と西口があるが、

東口は在来線専用の橋上駅舎となっており、

南北の自由通路もある。

ただし、新幹線の改札口とは繋がっていない。

 

これに対して西口は新幹線駅舎がある北側にしか改札口がなく、

そう、新幹線駅舎の北側は単なる壁で通り抜けができない構造なのだ。

さらに1階にある入口から2階の改札口への階段なりエスカレーターは

東西の向きにあり、

入口は駅舎の東寄り、かつ南側を向いている。

 

これが何を意味するかといえば、

駅の西側ないし北西の住民は在来線を利用する際、

すぐ真横に在来線の電車が止まっているにも関わらず、

いったん新幹線の高架下をくぐり、

在来線の跨線橋の下をくぐり、

西口の東寄りにある入口から駅舎内に入り、方向を変えて

西に向いた階段なりエスカレーターで2階に上がり、

改札口を向けて跨線橋でそれぞれのホームへ向かうという、

恐ろしくまどろっこしい導線を取らざるをえないことになっている。

 

(↑奥に停まっているバスの先に入り口があって、ぐるりと回って手前の跨線橋を通り、右手の在来線ホームに向かう)

 

僕は週末にしかJRを利用しないけど、

毎日JRで通勤している相方は

「(この跨線橋に)階段と改札口があれば通勤時間は3分短縮できるのに」

と言っている。

それは僕も思う。

 

 

東口の自由通路を抜けて駅の南側へ。

この一画は商店街となっており、

それなりに活気もある。

 

 

川崎重工の脇をさらに南へ。

しばらく進んで山陽電鉄の線路を横断。

このあたりは藤江駅林崎松江海岸駅の中間あたり。

 

 

旧浜国を超えてさらに南へ。

うまく表現できないけれど、

集落の雰囲気が一気に「海辺」っぽくなってくる。

 

 

海辺に出た。

永らく僕は明石から姫路にかけての海岸線というのは、

ずっと工業地帯が連なっていると思っていたけど、

目の前にあるのは自然豊かな砂浜だった。

京阪神地区においてこれだけの砂浜というのは案外珍しいのではなかろうか。

 

 

さらに、僕が知らなかっただけで明石では人気の観光スポットらしく、

洒落たカフェなんかもあって賑わっている。

一番驚いたのは富山ナンバーのバイクが1台停まっていたことか。

持ち主が現れたら声がけでもしたい気分だったけど、

しばし待っても現れなかった。

 

 

集落の中の細道を東へ向かうと、

今回目指していた食堂が現れた。

 

 

中華そばと特上明石焼き、歩きだし休みだし、と瓶ビールも注文。

ほどなくして中華そばが配された。

めちゃくちゃシンプル、かつ旨い。

 

 

続いて配された明石焼き

明石焼き、ってのは何となく、赤い長方形の板に乗っていると思っていた。

ところがこちらの明石焼きの板は赤いがほぼ正方形。

個数にして4個かける5列、1人前が何と20個。

 

 

出汁につけて頬張ると恐ろしく熱く、かつ、ぷるんぷるん。

うひゃ、たまらんとビールをぐびり。

中華そばをすすって、明石焼き食べて、ビール。

まさに至高の休日。

ごちそうさまでした。またお邪魔します。

 

 

あとは風呂でも入れば満足であるもので、

そのまま市街地方面へぶらぶら歩く。

とはいえ開湯時間まではしばらくあったもので、

しばし市内をうろうろして時間をつぶした。

 

 

明石には4件の銭湯があるが、

今回は開湯時刻が13時30分と最も早い明月湯さんにお邪魔した。

先客は2人。いずれも白髪を刈り上げ、よく日に焼けて身体も締まっている爺さんで、

いかにも「海の男」っぽい雰囲気に満ちている。

(実際は知らんけど・笑)

 

 

とはいえ、うちの爺ちゃんも長年漁師をやっていたからまさに「海の男」であるが

目の前にいる爺さんたちと雰囲気が似ているかといえば

全くもってそんなことはなく、

では僕が勝手にイメージしている「海の男」とは一体何なんだろうか、とも思う。

 

こういった爺さんたちと風呂に入っていると、

無性に島に帰りたくなる。

祖父も祖母もいない今、何か帰るきっかけみたいなものを失っていたけれど、

冒頭の従兄弟の件にしろ、

墓参りでもしにこいという何らかの合図なのかもしれない。

今年は無理でも来年には何とか帰りたいものだ。

 

 

風呂上がり、明石駅に向かう途中で水分補給を兼ねてコンビニへ。

酒を物色してたら、、、、

へえ、こんなのがあるんだと思わず購入したのがこちら。

 

 

一見、酒に見えないデザインがよろしい。

これで昼間から人目を気にせず飲めるww

(まあ、普段からあまり気にしてないけど)

僕はいい気分で明石駅に向かった。