ちょっと前であるが、
我が家に富山県から「厚みのある封筒」が届いた。
はて、何かと思ってみると、
たびたび愛用している「とやま1日乗り放題きっぷ」付属の
プレゼント付きアンケート葉書を出し続けていたのが当選したようで、
中には小さな「富富富」という富山のお米が入っていた。
こういった感じで何か当選すればまた使ってみようかと思うのが人の常、
珍しく相方が「あのきっぷでぐるっと回ってみたい」などと言い出し、
「高岡のどっかの博物館に令和の額があるんよね」
などと続けたもので
うーむ、それは大きくエリアを外れているのではなかろうか、
とは思ったが、余計なことを言う必要もないもので、
おとなしく出掛けることにした。
富山駅は着々と工事が進行中で、
来週にはいよいよ駅の南北が平面で移動できるようになるようだ。
「あいの風とやま鉄道」の窓口で「とやま1日乗り放題きっぷ」を購入。
昨年度まではガイドブックを兼ねた時刻表付き冊子がついていたが、
今年度からは大きな一枚物になり、
プレゼント付きアンケート葉書もなくなっていた。
「・・・」
ライトレールに乗ってまずは岩瀬へ。
そして今回もまた貸し切りだった射水市コミュニティバスで新湊へ。
本当は他の路線と同じように運賃も200円にして、
途中の停留所でも乗降できるようにすれば、
それなりに便利になるとは思うけど、
地鉄バスと路線が被る以上は無理なんだろうな(涙)
万葉線の越ノ潟駅は上屋の建て替え工事でもするのか、
ホームの高岡寄りだけを使っての営業となっていた。
ドラえもんトラムが入線。
中伏木で下車。
「博物館ってこんなところにあるの」と相方がいい、
「川の向こう」と指さしたら
「え?」みたいな顔をする。
とはいえ、うちの相方、最近はすっかり「ポケモン」にはまってて、
以前より格段に歩くようになってるのよな。
僕なんかよりよほど元気に万葉大橋をすたすた渡っていく。
伏木の街に入ったところで早めの昼飯にすることにした。
今回は以前から気になっていた存在の「松葉」さんへ。
こじんまりした店内には早い時間であったが既に先客あり。
にこにこと愛想のいいおばちゃんに「中華そば」を2つ注文。
ほどなく運ばれてきた中華そばは、澄んだスープが何とも美しい。
僕と相方は恐ろしく食べ物の好みが一致せず、
特にラーメン屋に一緒に行くなんてことが皆無になってしまったのだけど、
「松葉」さんのような中華そばに関しては別で、
時折笑顔を浮かべつつ、ただ無言で麺とスープをいただいた。
会計は2杯で900円なり。
いやはや、恐れ入りました。
ごちそうさまでした、またお邪魔します。
腹も満たされ、「令和」の額を求めて高岡市万葉歴史館を目指す。
ハンドルを握ってこのあたりを走ることはたまにあれど、
このあたりから立山連峰が見えるという印象がほぼなかったので、
何だか新鮮な気分。
先週は「令和効果で来館者6倍」という記事が北日本新聞にも掲載されたが
よくよく記事を読めば
「県内外から普段の休日の6倍に当たる約540人が来館」
などとあり、6倍で540人ということは普段の休日は90人ほどということで、
それからさらに一週間たったということもあってか、
思いの外来館者は少ない印象。
(令和の写真を撮るのに行列になっていると思っていた。。。)
入館料は210円、JAF割引で170円(当人のみ)。
僕らの目的は正直に言うと「令和」の額だけであったが(笑)
それなりにしっかり万葉集の世界を満喫。
万葉歴史館からは米島口駅まで歩き、万葉線の電車に乗った。
広小路で下車してお花見がてら古城公園を歩く。
そして先週、富山で大きなニュースとなった場所へ。
百貨店の大和は11日、高岡大和(高岡市御旅屋町)を8月25日で閉店すると発表した。赤字が3年続き収益改善が見込めないと判断し、増収基調に転じた富山大和(富山市総曲輪)と、香林坊大和(金沢市香林坊)の2店舗体制とする。閉店後は高岡市中心部に生鮮品や衣類を取り扱うサテライトショップを開設する。従業員59人の雇用は他店への配置転換で維持する。
高岡大和の前身は1937(昭和12)年に開店。94年3月に再開発ビル「御旅屋セリオ」に移り、キーテナントとして営業を続けてきた。売り場面積は1万6099平方メートル。売上高はピーク時の97年2月期に131億円だったが、小さな商圏内での大型ショッピングセンター「イオンモール高岡」との競合や、インターネット通販の普及といった市場環境の変化で年々減少していた。【北日本新聞】
閉店が発表されたからといって賑わっている訳でもない、
というのが傍から見ていても辛いところ。
僕がかつて高岡に住んでいた頃は
駅南にダイエーがあって、サティがあって、
駅北の御旅屋セリオに入った大和も出来たばっかりで、
御旅屋通りも今よりはまだ多くの店が開いていた。
それが今やイオンのひとり勝ち。
この日の高岡大和なんて、まだ週末だからお客さんがいた方なのだ。
僕は高岡に来るたびに、街を眺めるために
高岡大和の屋上に上がっていたのだけど
店内はものの見事に閑散としていたのも事実だった。
逆に、よくぞ今まで営業を続けていたなあ、
というのが閉店を聞いたときの正直な気持ちだった。
1人じゃ絶対に入ることのないカフェで、
ワッフルなんてものを食べて
(コーヒーともども想像以上に美味だった)
屋上へ上がった。
この日は週末だけど、屋上には誰もいなかった。
平日に来ても、見かけるのは休憩中の大和の店員さんくらいだ。
恐らく、高岡市民の大多数の方は、
高岡大和の屋上にこんな場所があることすら知らないのではなかろうか。
何とも寂しい思いを抱きつつ、富山へ帰る。
「よく歩いたし、風呂でも行って飯でも食いにいこう」と相方に提案したら、
なんてことを言う。
僕は相方に引きづられるように城址公園へ向かった。