北陸徘徊人

福井・石川・富山を中心にゆるーい旅を満喫中

のと鉄道・七尾駅徘徊

話は前後するけれど、

以前に石川県の穴水を訪ねた時の続き。

穴水駅からのと鉄道ディーゼルカーに乗り込んで七尾へ戻る。

 

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車内から各駅を眺めていて思うのは、

どの駅もずいぶん長く立派なホームを持っているなあ、

ということで、

かつては確実に金沢と能登を結ぶメインルートだったということが、

何となく察することができる。

 

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あくまで「かつては」、であるけれど。

 

 

 

七尾駅に到着。

 

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七尾と言えば、先ごろ全国ニュースにもなっていた話題の建物もあるが、

それは後で覗いてみることにして街を徘徊。

駅を出てほんの少し歩けば、なかなか渋い飲み屋街が現れた。

 

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僕はそれなりの期間富山で働いてきたもので、

慰安旅行などで七尾市和倉温泉に行く機会はわりと多かった。

その道中で食祭市場に寄るのが定番コースであったけど、

その食祭市場以外の七尾市中心部のことはまったく未知なる領域といっていい。

 

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港にも近い細道沿いに、昭和の香りを色濃く残すような食堂があった。

「平島食堂」とある。

軒先にショーケースがあるわけではなかったし、

どういったメニューがあるのかも分からなかったけれど、

何となく心惹かれるものがあって入店してみる。

 

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思いのほか細長い店内の奥の方に、

この類の店には似つかわしくない、といっては失礼かもしれないけれど、

男女の若者のグループが楽しげに話をしている。

 

メニューを眺めると、うどん、そば、ラーメンといった麺類に、

かつ丼ややきめし、カレーといったご飯ものが並ぶ

これぞ「食堂」といった感じのラインナップ。

値段は全体的に安くてうどんなんて340円からある。

この日は穴水で早めの昼食をとっていたもので、

ラーメン(470円)を注文。

 

先客は奥の若者たちだけではなく、

他にも何人かいたけれど、

最初に運ばれてきたのは僕が頼んだラーメンだった。

澄んだスープが美しい。

そして、素直に美味い。

 

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僕以外の先客が注文していたのは、

みんな「なべやききうどん」のようだった。

蓋をあけた奥の若者たちが「うまそう!」と嬉しげに声をあげ、

さらにうどんを食べて笑顔を浮かべている。

 

何度かこのブログにも書いていることだけど、

老若男女問わず、「うまそうに飯を食べる」人が、

年々少なくなりつつある気がしているもので、

奥の若者たちが「うまそうに」うどんを食べている光景が何とも新鮮で、

こちらまでシアワセな気分になってくるのだった。

 

ラーメンもうまかったけど、

今度はなべやきうどんを食べにこよう。

ごちそうさまでした。

 

よくよく表をみたら「なべやきうどん」って書いてたな(笑)

 

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海を眺めてからさらにぶらぶらしていると銭湯があった。

あれ、さっきも見かけたよなと思って調べてみたら、

七尾の市街地には「弘法湯」「ことぶき湯」そしてこの「たから湯」と

3軒の銭湯があるのだった。

 

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この日は和倉温泉に宿泊予定だったもので、

タオルを持っていなかったけれど、

せっかくだし入っていってみようか、なんて気にもなる。

 

石川県の銭湯料金は富山より20円高い440円。

石川県は何だかんだいっても温泉大国で、

何処の温泉地の総湯も格安で入浴できるから

わりと強気な料金設定のようにも感じたけれど、

ちゃんと棲み分けが出来ている、ということだろうか。

 

番台のおばちゃんに料金を払いつつ、

タオルも買おうと思ったら、

「貸しタオルもあるよ」と言われ、

「ならそれでいいです」と答えたら、

タダでタオルを貸してくれた。

 

さらに「観光か?」と聞かれ、

「ええ」と答えたら

「七尾は何もなかろう」と自嘲気味に笑い、

「いや、想像以上に楽しんでます」と答えたら、

「そっか、ならよかった」とやっぱり笑う。

 

浴室に先客は7、8人といったところか。

浴槽に浸かる爺ちゃんたちの言葉は

明らかに富山とは違う、ということだけは分かる。

 

温泉に行っても聴こえてくるのは「観光客の会話」だけだが、

銭湯に行くとその土地で暮らす人の会話が聴こえてくるのが、

嬉しいというか楽しいところ。

 

車でウロウロしていると、

日本中何処に行っても「その土地らしさ」を感じることは

ほぼ皆無といっていい状況になりつつあるし、

それは北陸3県も同様であるけれど、

バイパスから外れたような駅周辺を歩いてみると、

どの街にもちゃんと個性が残っているんだよな、という気がする。

 

何もガイドブックに載ってるような名所旧跡だけが

その街の見どころではなく、

決して流行っている訳ではなくとも、

永らくその土地で営業を続けているお店があったり、

爺ちゃん婆ちゃんたちののんびりした会話とか、

部活帰りの中高生の元気な話声とか、

さまざまなパーツが合わさって、その街の個性を作っているんだな、

ということが、最近になってようやく分かってきたような気がする。

 

しかしながら、どの街も

「まちづくり」に携わる人たちは

必至になってその「個性」を消そうとしている。

 

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スッキリした気分で「たから湯」を後にして、

しばらく歩いていたらどうしようもなく喉が乾いてきて、

しかたなく缶チューハイを買って喉を潤す。

 

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そして、七尾と言えば、の建物を覗いてみた。

以下北國新聞より転載。

 

パトリア来月3日閉店 七尾、破産申請を決定 2019/02/16 02:03

JR七尾駅前の複合商業施設パトリアを運営する「七尾都市開発」(七尾市)は15日、取締役会を開き、金沢地裁に破産を申し立てることを正式決定した。営業は3月3日までとなる。能登最大規模の商業ビルとして親しまれたが、人口減少や郊外大型店の台頭で業績が悪化、開業24年で幕を下ろすことになった。 

東京商工リサーチによると、負債総額は2017年3月期時点で、約18億円となっている。

七尾都市開発は15日、入居テナントに対し、閉店に向けて退去の準備を進めるよう文書で通知した。同日付で、パートを含む社員16人を解雇。施設の運営は、地権者によるパトリア管理組合が引き継ぎ、一部の社員は組合に転籍して施設の警備や経理を担う。19日に組合からテナントへの説明会が開かれる。

3階に入居している七尾市の健康福祉部は、市の区分所有となっており、パトリア営業終了後も業務に支障はない見込み。

七尾都市開発は七尾市や地権者が共同出資する第三セクターとして1990年に設立され、95年4月にパトリアを開業した。核テナントのユニー、大和をはじめ、専門店約20店が入り、ピーク時の98年3月期には5億6千万円を売り上げた。しかし、他店との競争激化で客足が減少。18年3月期には、キーテナントの総合スーパー「ピアゴ(旧ユニー)」の撤退で売上高は1億6400万円まで落ち込み、約6100万円の最終赤字に陥った。債務超過の中、金融機関への返済も滞っていた。

 

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パトリア、5月6日まで営業 七尾の管理組合、延長方針固める 2019/02/23 02:20


JR七尾駅前の複合商業施設パトリアの管理組合は22日、理事会を開き、3月3日としていた営業終了日を5月6日に延期する方針を固め、テナント側に提示した。急な閉店決定に反発したテナント側の要求に応じた形で、延長期間のビル管理費は各店で分担することを条件としている。24日に開くテナント向け説明会で詳細を報告する。

パトリアを運営する第三セクター「七尾都市開発」(七尾市)は15日の取締役会で破産申請を決定、テナント各店に3月3日で営業を終え、同15日までに退去するよう求めた。営業終了日まで残り約2週間しかなく、19日の説明会では店主から「急すぎる」として撤回を求める声が上がった。

七尾都市開発からビル管理を引き継いだパトリア管理組合は理事会で再度協議し、大型連休最終日の5月6日を営業終了日、同20日を退去完了日とすることを決めた。管理組合によると、ビル全体のうちテナント分の管理費は月当たり約450万円かかっている。管理組合は営業を継続するテナントに対し、この費用を分担することについて確約書の提出を求める方針だ。

テナント会の会長を務める中山薬局(七尾市)の橋本秀和社長は、各店に行ったアンケートで営業継続と破産に至るまでの経緯説明を求める声が多かったとし「駅前の灯を消すことになることへの責任はどうなるのか。なぜこうなったのか説明を求めていきたい」と話した。

 

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昨年の夏に七尾を訪れた時は大雨で身動きはとれなくなるわ、

七尾駅は停電になるわで、わりと長い時間、

このパトリアで過ごさせてもらい、

駅前にスーパーマーケットがあって、

ホームセンターまであるとは何と便利なものかと思ったけど、

ユニーが撤退した時点でかなり厳しい状況になっていたということか。

 

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何となく暗澹たる気持ちでパトリアを出た。

けど、部外者の僕が暗澹たる気持ちになっても、

それは意味のないことだった。

僕ができることは七尾で1円でも多くのお金を使うことである。

 

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やむをえず、

僕はもう1本だけ缶チューハイを買って、

くいっと飲み干してから今宵の宿がある和倉温泉へ向かった。