北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

関門海峡ぐるり徘徊

オチのない話を先にすると、

その日、僕は神戸市内の駅前でフェリーのりばへ向かうバスを待っていた。

すると、いくつかの荷物を持った女性が現れ

「フェリーのりば行きますか」と聴いてきたもので

「ええ、行きますけど」と僕は答えた。

 

すると女性は荷物を足元に置き、

「私、トイレに行きたいんでこの荷物見といてください」と言う。

「え、もうすぐにバス来ますよ」僕が言うと、

「大丈夫です、そこにトイレあるのわかってるんで」と答え、

さらに着ていたコートを脱いで、

「これも脱いでいきます。貴重品は入ってませんのでお願いします」

と荷物の上にコートを置いて去っていってしまった。

 

「まじかよ」僕は腕時計を眺めた。

時刻は18時53分、バスの時刻は19時。

そして18時59分になっても女性は戻ってこず、

僕の後ろにはバスを待つ列ができていた。

おまけにこの日は風が強く、荷物の上のコートが飛びそうなもので、

僕はしゃがんでコートを抑えていた。

「何が大丈夫です、だよ」

そんな声が出る。

 

ちなみに女性が戻ってきたのは19時02分。

バスがやってきたのは19時08分だったもので、

何てことはなかった、という話にすぎないのだけど、

定刻にバスが来ていたら、僕はどうするのが正解だったのだろうか、

なんてことをその後2時間くらい考えていた。

 

 

 

そんなこんだがあって、フェリーターミナルで連れと待ち合わせ、

フェリーに乗船。

今回は現地滞在0泊3日、弾丸フェリーの阪九バージョンで、

関門海峡エリアを中心に徘徊するつもりでいる。

(本当は1泊して新幹線で帰るつもりだったけど、ホテルが高くて断念したのは内緒の話)

 

それにしてもフェリーは飯は美味いし、

酒も安いし、風呂はあるしたまらんなあ。

 

 

翌朝、新門司港に到着。

 

 

港に着いた時点では「どんよりとした曇り空」といった感じであったが、

連絡バスに乗り、門司駅で下車した頃には本降りの雨となっていた。

おまけに寒い。

 

 

電車に揺られて門司港へ。

最初のお目当ては門司港レトロ観光列車。

この列車と下関側のバス、関門汽船を使ってぐるりと一周できる「関門海峡クローバーきっぷ」を購入した。

 

 

改札口ではどう見ても高校生にしかみえないバイトの子?が、

外国人観光客相手に流暢な英語で案内をしていた。

今のご時世、どこの観光地でも英語は必須だよなあ、

早めに身を引いていて良かったのだ、と思う一方で、

今も観光地の仕事を続けていればもう少し喋れるようになっていたのかなあ、

と残念に思ったりもする。

 

 

ガイドさんの楽しい案内や写真撮影のサービスなどもあり、

10分ほどのミニトリップはまさにあっという間に終了。

 

 

続けて関門トンネル人道へ。

同じトロッコに乗っていたお客さんの大半がここまでやってきていた、

そんな印象。

 

 

それなりの回数を鉄道なり車なりで関門海峡を行き来したことはあれど、

人道トンネルは初体験。

連れ(おっさんです)と2人できゃっきゃとはしゃぐ。

 


下関側には九州に向けて砲台があった。

100円を投入すると、

「ボン、ボン、ボン」と何とも頼りない音がした。

もう少し迫力があってもえんやなかろうか、と思う。

 

さて、ここから唐戸まではバスの利用となる。

時刻表を見るとほぼ10分間隔とかなりの高頻度である。

僕と連れは雨の中、バスを待った。

人道トンネルを抜けてきた方々も後ろに続く。

ところが、バスがなかなかこない。

(ほぼ)10分毎に来るはずなのに、かれこれ30分近く来ない。

後ろの家族連れは寒さで震えている。

 

僕は営業所に「何か起きているのか」と問い合わせてみた。

すると「いま一つ手前のバス停に来てますんでもう少しお待ちください」との返事。

「もう少しで来るそうです」と後ろの家族連れに伝えたら、

「良かった」とホッとした表情を浮かべた。

ところが、やってきたバスは凄まじく混んでいた。

 

列の半分くらいは何とか乗ったが

「これ以上は乗れません、次のバスをご利用ください」と、

運転手さんが疲れ切ったような声でアナウンスをする。

途中の停留所でも同様のアナウンス。

はたしていったい何が起こっていたのだろうか。

どうにかこうにか唐戸着。

てかこれくらいの距離なら歩けば良かったなあ。

 

 

大勢の客で賑わう唐戸市場でちょこちょこつまんで船で門司へ戻った。

これがまた揺れる、揺れる、、、、

 

 

門司港についたら定食屋を目指すつもりでいたが、

あまりの寒さに断念して喫茶店?で麺をすすった。

あっさり味で何とも美味い。

 

 

門司港には商店街も銭湯もあるので、

夕方まで過ごすつもりでいたが、

あまりにも寒いので、小倉にある風呂を目指すことにした。

 


うーむ、寒すぎてビール飲む気にもならない、、、

温暖なイメージがある九州であるが、

福岡に関しては日本海側なのだ、ということを改めて実感した。

 

 

旦過市場の近くにあるお風呂屋さんで冷え切った身体を温めた。

 

 

温まるとようやく元気になってきた。

コンビニで缶ビールを購入、ぐびりと飲み干して再びモノレールに乗車、

終点の企救丘駅へ。

 

 

日田彦山線ディーゼルカーに揺られて小倉に戻った。

 

 

小倉で楽しみにしていたのが「資さんうどん」。

ちなみに僕はずっと「しさんうどん」だと思ってたけど

「すけさんうどん」なんですな(汗)

 

 

ごぼうの天ぷらもうどんも出汁も、天丼もみんな美味かったなあ。

大阪の鶴見区にも最近進出したらしいのでぜひ訪問してみよう。

ごちそうさまでした。

 

 

これにてタイムアップ。

小倉駅から連絡バスで新門司港へ戻った。

 

 

快適な部屋でガッツリ飲んで、

爆睡して、朝からカレー食べて、そのうちに神戸に到着。

 

 

あっと言う間の九州滞在であったけど、

自分の性格からしてこれくらいの時間がちょうどいいのかもしれないなあ、とも思う。

一方で来年には何とか甑島にも帰りたいし、

その時はゆっくり過ごしたい。

 

そして年があければいよいよ50代に突入。

あちこちガタもきてるけど、

毎日酒飲んで笑って暮らせればそれでいいよなあ、と思う。

 

さ、年末年始はガッツリ飲みますかね(笑)