北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

阪急電鉄京都線・西院駅〜大宮駅徘徊

阪急電鉄京都線・京都河原町行きの電車は西院駅に到着した。

 

 

この駅にはちょっとした思い出がある。

僕が20歳だった頃、当時勤務していた山小屋のアルバイトの大半

(30人くらいいたと思う)が秋の終わり頃に京都に集結し、

京都、奈良、大津、京都と場所を転々としながら

三日三晩飲み続けたことがあった。

最後までいたのは関西在住のメンツだけであったが、

老若男女、北は北海道から南は九州の子まで集まり、

それはそれは楽しいひとときであった。

 

そして誰かが帰路につくたびに、

残ったメンツで駅までお見送りに行っていたのである。

 

で、九州から来ていた女の子が帰るもので、

お見送りに来たのがこの西院駅だった。

女の子を改札口で見送った後、

当時大学生だったA君が「やっぱり俺は彼女に告白する!」とか言って、

急遽引き返し、入場券を買って中に入っていったのだ。

 

残された僕らは唖然としつつも、

当然入場券を買って、こっそり彼の後を追った。

 

電車が出ていったばかりのホームに2人の姿があった。

でも、そこまでは近付けない。

 

次の電車が入ってきた。

しかし、2人はホーム上で向かい合ったままだ。

表情はうかがえない。

 

そして3本目の電車が入ってきた時、

彼女が電車に乗り込むのが分かった。

僕らは先に改札口を抜けた。

 

しばらくして出てきたA君は妙にすっきりした表情をしていた。

同時に、さっきまで泣いていたんだなあ、ってことは分かった。

僕らはA君の話をネタに、朝まで飲み明かした。

 

 

閑話休題

 

 

 

地上に出ると夏の日差しが容赦なく照りつける。

僕が住んでる兵庫県も十分すぎるくらいに暑い日が続いていたが、

京都の暑さは「質」が違うように思う。

カラッとした暑さではなく、どことなく湿り気を帯びたような暑さ。

 

 

四条通をいったん東へ、

嵐電の踏切を渡った先で北へ向かう。

このあたりにお目立ての食堂があるはず、、、

と考えていたが、のれんはかかっておらず、

扉も閉ざされていた。

「・・・」

 

 

ま、いいや。京都だしいろいろあるだろう、とそのまま北上。

三条通に突き当たったところに、食事処があった。

軒先のボードに「本日の日替わり定食」の文字が見える。

なぬ、本日の日替わりは広東風豚ニラもやし炒めで

値段が、500円!

 

カウンターの中には女将さんらしき女性と、

息子さんだろうか、若い男性の姿がある。

カウンター席に座り日替わり定食を注文。

女将さんが鍋を振る様子がうかがえ、

息子さんらしき方がこんもりとごはんを盛る。

 

 

もやし炒めはピリ辛で、白ごはんがわさわさ進む。

夜は居酒屋として営業しているようで、

メニューを眺めると中華系の品が並んでいたから得意としているのかもしれぬ。

 

うー、この量のごはんは50手前のおっさんには厳しいかも、

と一瞬たじろいだが、

かるーく完食。

店の雰囲気もいいし、ぜひ再訪してみたい。

ごちそうさまでした。

 

 

三条通を東に向かう。

暑い、暑い、まじで暑い、、、

銭湯用に準備していたタオルで額に、首筋に浮かぶ汗を拭う。

すると、山陰線の高架をくぐった先にアーケードの商店街が現れた。

「へえ、こんなところに」と同時に「助かった」と思う。

 

 

日差しから逃れるだけでかなり涼しく感じる。

アーケードも維持管理が大変であろうが、

あるとないでは集客力も全然違ってくるだろうなあ、とは思う。

 

 

歩いているとビールスタンドが現れた。

残念ながらまだ営業はしていない様子。

ところがこの瞬間から頭の中は

「ビールを飲みたい」モード一色に切り替わってしまう。

うーむ、飲みたいなあ、、、、

 

 

方角を変えて大宮駅を目指す。

今日入るつもりの銭湯は大宮駅の近くであるが、

京都の銭湯の開湯時間は15時が一般的なようで、まだ早い。

時間つぶしを兼ねて嵐電に乗車することにした。

 

 

四条大宮を出た電車はわりと空いていたが、

西院からどっと乗り込んできてなかなかの混雑ぶり。

中には和服姿の小学生らしき男の子もいて、

きりっとしているというか、凛々しいというか。

そんな恰好の彼が、IC乗車券をタッチして下車していくのが、

何とも京都っぽいというか、

他の地域では見かけない光景だよなあ、とは思う。

 

 

嵐山駅の構内では「エキビア」なるビアガーデンが営業中。

みなさん、いい表情で飲んでいらっしゃったもので、

僕もつい一杯。

 

 

同じ構内では嵯峨野観光鉄道のスタッフさんが

トロッコ列車はいかがでしょうか~」

とまるで食べ物を売ってるような口調で乗車券の出張販売を行っていた。

近々相方と再訪しよう。

 

 

この後、銭湯の開湯時間を待って大宮に戻ったら、

冗談みたいなすさまじい雨が降っていた。

この日は阪急のフリーきっぷを所持していたので、

無駄に電車に乗ってしばし時間をつぶした。

 

 

雨がやむと、先程までの暑さもやわらぎ、

どことなく「涼しい」とまで思える。

今回は大宮駅にほど近い「錦生湯」さんを訪問。

 

僕が入ったタイミングで若い兄ちゃんが浴室から出てきて、

浴室内の先客は2人。

各種浴槽が並んでおり、

白湯の浴槽に浸かってみたら、

兵庫県の浴槽と同じくやはり深い。

うーむ、この調子だと大阪も深いのかな。

 

奥にはサウナと水風呂もある。

サウナに入れない僕は水風呂だけ拝借。

うっひゃー、極楽、極楽。

 

水風呂と白湯を行ったりきたりしつつ、

さあ、今宵はどこで飯にするかなあと考える。

確かこのあたりに旨い山盛りのポテサラ食わしてくれる居酒屋があったよなあ、

入口はビニールシートで、

大宮か烏丸かの四条通沿いではなかったか、

雨あがり、ふろ上がりの居酒屋で一杯なんてサイコーではないか、

と、ついニンマリしてしまう。

 

 

で、あーすっきりしたー、

と錦生湯さんを出てまもなく雨が降り始めた。

雨は徐々に強さを増し、

大宮駅に駆け込んだ僕は、おとなしく梅田行きの電車に乗り込んで帰路についた。