北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

近鉄奈良線・新春の寺社をめぐる徘徊

年末の休みに入った途端、朝から晩まで飲み続け、

晦日から正月にかけて赤穂の実家で飲んで食って寝てを繰り返し、

2日に姫路のスーパー銭湯行って体重計に乗ったら2キロ増し。

 

まあ、しゃあないよなあ、と言いながらその日も連れと飲み続け、

気づけば休暇も最終日となった4日、

「今日は湊山温泉に行くべ」と、

出勤する相方とともに早朝の電車に飛び乗った。

 

しかしながら電車に乗ってまもなく

「待てよ、今日は水曜日だから休館日ではなかろうか」

なんてことに気づき、

調べてみたら本当に休館日で、

「うー、神戸駅から20分歩いて閉まってたら新年早々ショックでかかったろうな」

とホッとしたのもつかの間、

ならこんな朝早くから僕はどうすればいいのだ、

としばし途方に暮れながら鉄道会社のサイトをチェックしたら、

阪神近鉄新春1dayチケット」の存在を知った。

 

阪神全線と近鉄奈良線生駒ケーブルの一部が乗り放題となるもので、

初詣に便利、とある。

阪神電車はわりと乗ることがあっても、

近鉄電車はなかなか乗る機会がないし、

初詣を兼ねれば初春の徘徊にふさわしいのではなかろうか、

なんて気がしてくる。

 

発売期間、有効期間がともに1月11日まで、

ただし販売枚数に限りがあるとのこと。

頼む、まだ売っててくれ、と願いつつ元町で下車して阪神電鉄の窓口に。

売り切れていれば阪神阪急のフリーきっぷを購入するつもりであったが、

窓口氏は「ありますよー」と普通に発売してくれた。

 

 

 

 

大和西大寺行きの区間準急は枚岡駅に着いた。

「まいおか」と読むのかと思ったら「ひらおか」らしい。

そっか、枚方(ひらかた)と同じか。

 

 

改札口を抜けると、住宅街の先に大阪の町並みが広がっている。

夜くればさぞかし見事な光景であろうな。

 

 

まずは枚岡神社に参拝。

鳥居をくぐったところで、どこかの野球部員だろうか、

ガタイのいい若者たちがぞろぞろと降りてきた。

みな、いい表情をしている。

 

 

フリーきっぷに「おみくじ引換券」がついていたので、

引いてみたら「吉」と出た。

うむ、なかなか幸先がいいのではなかろうか、と思う。

 

 

枚岡駅から2駅、石切で下車。

石切劔箭神社なる名前は聞いたことがあったけど、

訪問するのは初めて。

 

 

多くの神社はアクセスの拠点となる駅から「上る」印象があるが、

こちらの神社は「下る」ようだ。

すれ違った中年の男性がすっかり疲れ切った表情を浮かべており、

この先どんな道が待っているのかと思ったが、

予想以上に「下る」。

そしてなぜか沿道には占いの店が多い。

 

 

大仏様をすぎると道は狭まり、

土産物店に飲食店と門前町の様相を呈してきた。

四国のこんぴらさん周辺にも似た雰囲気があり、

歩いているだけで楽しい。

一方で、帰りはここを上るのか、とも思う。

 

 

石切劔箭神社は大勢の人で賑わっていた。

車で来ている人も多いのかと思ったけれど、

こちらの最寄り駅はけいはんな線新石切駅であるそうな。

 

 

帰路はただただ上る。

うむ、これくらいの苦労をした方がご利益もあるのだ、

と、言い聞かせたが息が上がる。

まもなく昭和49年生まれの僕は49歳になる。

もう年なのだ、若くはない、と改めて思う。

 

 

奈良県に入って生駒駅で下車。

ケーブルの待ち時間を利用して駅周辺を徘徊。

 

 

生駒ケーブル宝山寺へ。

 

 

ちょうど1年近く前、愛知県に住んでた時、

兵庫県での部屋探しのため行き来する際はもっぱら近鉄のフリーきっぷのお世話になり、

その際に観光がてらこのケーブルを乗り継いで生駒山上まで行ったのだけど、

まさに一面銀世界でぶったまげたことがあった。

 

↑(2022年2月)

この日は風こそ冷たいが空は青く、何よりである。

 

 

参拝後は下りのケーブルにぎりぎり間に合うかな、とも思ったけど、

いい年したおっさんが駆け込み乗車なんていうのもみっともないし、

とそのまま参道を下った。

 

 

市街地まで降りてきたところには何とも渋い銭湯があった。

 

 

生駒駅からは急行に乗って一気に近鉄奈良駅へ。

 

 

ぼちぼち腹も減ってきたし、

どこで飯にするかとあれこれ思案していたが、

この日は官公庁の仕事初めとあって、

奈良県庁の食堂にお邪魔することにした。

 

 

今は土日休みの仕事なものでなかなか行けなくなったけど、

役所の食堂って昔から好きなんよなあ。

こちらの食堂ではひとりひとりに「ごはんの量」を確認しており、

好印象。

ごはんも味噌汁もおかずも美味しい。

ごちそうさまでした。

 

 

奈良公園を経由して春日大社へ。

流石というか、これまでとは比較にならぬほどの大混雑。

そしてかなり多くの外国人観光客の姿をお見受けした。

いろんな意味で日常が戻りつつあるのかもしれない。

 

 

春日大社に参拝後はやはり「ひとっ風呂」といきたい。

 

奈良の銭湯には苦い思い出がある。

先の生駒山の冬景色の写真は昨年の2月14日の朝であるが、

この前日はJR奈良駅近くのホテルに宿泊していた。

調べてみると近くに銭湯があるのは分かっていたが、

あまりの寒さに出かけるのを断念した。

 

後にこの銭湯は2月15日に閉業したと知った。

 

 

今回お邪魔したのは花園新温泉さん。

のれんをくぐると脱靴場、その奥に男女別の扉、

扉を開けば脱衣場と番台という昔ながらのスタイル。

番台の女将さんに湯銭を払うと

「お風呂セット持ってきてる?」と声を掛けてくれた。

服脱いでる間に女性側にも同じように言ってるようだったので

一見の客にはそう声掛けしているのかもしれない。

 

 

浴室に入ると右手に洗い場、

左手の仕切壁沿いに浴槽が並んでいるが、

浴槽はいずれも美しい曲線を描いている。

先客は5人ほどか。

 

冷えた身体をさっと洗い、浴槽に身を沈めた。

全身に血が巡っていくのを感じる。

 

湯に浸かりながら、鏡や注意書きの看板に記されたお店や企業の名を眺める。

脱衣場にもにもさまざまなお店の広告が並んでいたが、

「はたしてこのうちいくつが現存しているのだろうか」

と思うほど年季が入っている。

 

同時にこういった広告ってスーパー銭湯にはない、

銭湯独特の文化だよなあ、とも思う。

 

新花園温泉さん、いいお湯でした。

 

 

さ、新年最初の徘徊もよく歩いたし帰るべ。

今年もいろいろ徘徊できればそれでよし。

僕さっぱりした気分で近鉄奈良駅へ向かった。

 

 

ちなみに湊山温泉はこの3日後に行きました(笑)