北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

南海電鉄本線和歌山市駅、加太線徘徊

好きな駅は数あれど、

自分の中で最も好きなのは南海電鉄なんば駅であったりする。

阪神なんば線大阪難波駅から地下道を抜け、

大階段に差し掛かると「出かける」というテンションが一気に上がる。

 

 

その昔、大阪ー富山の高速バスは南海と地鉄の共同運行だったもので、

この頭上にある南海サウスタワーホテル(現スイスホテル)5階のバスターミナルから出発していた。

高校3年生の3学期なんて、学校がある日だけ富山から高速バスで往復していたから、

若かりし頃はかなりお世話になった。

そんなもので、僕にとってなんば駅は富山への出発地点であった、とも言える。

 

 

 

今回は当初、和歌山市中心部の徘徊を考えていたが、

南海のサイトを確認すると、和歌山市往復に加太線のフリーきっぷがセットになった

「加太観光きっぷ」なるものが存在することがわかった。

紀ノ川駅と加太駅を結ぶ加太線は未だ乗ったことがない。

お値段は2000円なのだけど、プラス520円で往復特急サザンの指定席が利用できるそうな。

サザンの指定料金は片道520円であるから、ここは迷うことなく指定席利用版を購入した。

 

 

指定席だと心置きなく朝から酒が飲める、というのが最大の理由であるのは言わずもがな。

 

特急サザンは和歌山市駅に到着した。

加太線の起点はひとつなんば寄りの紀ノ川であるが、

電車はすべて和歌山市から発着しているとのこと。

そして、加太線には「加太さかな線」なる愛称が付けられ、

「めでたいでんしゃ」なる4色の車両が運行されているらしい。

 

 

僕が乗車したのはピンク色の「めでたいでんしゃ さち」。

つり革の持ち手も魚の形であるなど凝っているが、

僕の頭上のつり革の持ち手は「ハート型」だった。

 

 

車内には若い男性のグループが数組いる。

加太ってこんな若い子たちが行くようなところなのかと調べてみたら、

ラピュタの島と言われている友ヶ島への船が出ているそうな。

なるほど。

 

電車は加太駅に到着した。

 

 

駅から少し歩くと、銭湯があった。

営業は週4日のみ、15時30分から

めちゃくちゃ入ってみたかったけど、この日は時間的に厳しかった。

うーむ、早くも再訪確定だな。

 

 

加太の町中を徘徊。

海沿いの集落に行くと、母の故郷である高知県の室戸と記憶がだぶることが多々あるが、

この加太の町は記憶と重なる部分が多く、

初めて来たのにひどく懐かしい気分になってきた。

 

 

ようやくコロナも落ち着いてきたし、

ぼちぼちお墓参りも兼ねて室戸にも行きたいし、父の故郷である鹿児島・甑島にも行きたい、さらに北陸にも行きたい。

しかしながら最大の問題は金銭面、といったところか。

昔に比べると「速く」は行けるようになったんだけ

「高い」選択肢しかなくなったのよなあ(涙)

 

 

加太駅からふたたび「めでたいでんしゃ さち」に乗車。

 

 

この日の昼飯は和歌山のまちなかで、と考えていくつかピックアップしていたが、

せっかく加太線のフリーきっぷを所持しているので途中で食べて行くことにした。

八幡前駅で下車。

 

 

駅からもほど近い県道沿いにあるラーメン屋さんに入り、

中華そばと半チャーハンのセットを注文。

ご夫婦でやっているのかな、

旦那さんの方が麺と配膳を担当、

チャーハンなどフライパンを握るのは奥さんの担当、

であるように見えた。

 

 

まず、つるりとした麺が美味い。

スープはがっつり醤油味。

最近あっさり系の中華そばばかり食していたから

久々に「ガツッ」と来た。

そんでもってチャーハンがまた美味かったのよなあ。

フルサイズにしとけば良かった(笑)

ごちそうさまでした。

 

 

再び電車に揺られて和歌山市駅へ。

 

 

和歌山で訪ねてみたかったのが「七曲市場」。

この日は日曜だったからか大半の店が休みであったが、

軒先に並んだコンテナの美しさなどを見ると、

普段は大半の店が開いていると思われた。

こちらも是非曜日を変えて再訪してみたい。

 

 

七曲市場からは和歌山城の脇を抜けて、

本日の銭湯を目指した。

 

 

今回お邪魔したのは幸福湯さん。

番台には若く愛想のいいお姉さん、

脱衣場には明らかに僕より若い世代もちらほらと。

銭湯に行くと中にいるのは大半が明らかに自分より年上の人ばかりなもので、

こうして若い世代を見かけるだけでホッとする。

 

何より驚くのは脱衣場の棚に

いわゆる常連さんたちの「銭湯セット」がズラリと並んでいることか。

実際に数えた訳ではないけれど、

ここまで並んでいるのは記憶がない。

 

メインの浴槽は広めでゆったり。

おっちゃん2人が実にいい表情で湯を満喫している。

窓から差し込んだ春の日差しが、

澄んだ湯を照らしている。

 

ただただ、至福のひととき。

幸福温泉さん、いいお湯でした。

 

 

商店街を抜けて和歌山市駅に戻った。

 

 

窓口で直近のサザンの座席指定をとり、

さ、電車の中で飲む酒を、と思ったが、

改札脇のコンビニは閉店していた。

すぐとなりのドラッグストアは酒を扱っておらず、

その奥にあった高級スーパーには僕が飲みたい安酒を扱っていなかった(涙)

 

マジかよ、出発まで時間がないではないか。

けど、酒も飲まずにサザンに乗るなんて嫌だ。

何のために指定をとったのだ。

 

そんな訳で横断歩道を渡ってコンビニに走り、

大急ぎで酒を買ってサザンに飛び乗った。