北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

京都市営地下鉄東西線+αな徘徊

阪急神戸線の大阪梅田行特急の最後尾に高速神戸から乗車したら、

たぶん、僕と同年代くらいの男が既に寝入っていた。

間違いなく、酔っぱらいである。

この電車、高速神戸が始発であり、

つい先程入線したばかりだ。

そのわりにはよく眠っているなあ、というのが第一印象。

 

電車は地上に出て神戸三宮に到着。

それなりにお客さんも乗ってきたが、

日曜の早朝ということもあってか混んでるという訳ではなかったが

岡本、夙川と停車して徐々に客は増えていった。

しかし爆睡している男の隣にわざわざ座ろうという方は現れず、

彼の周囲だけ妙な空間が生まれたままだった。

 

変化が生じたのは西宮北口を出たところだ。

それまで座って寝ていた男が、急に横になったのである。

様子を見ていた車掌が出てきて男に声がけする。

「お客さん、横になっちゃ困ります、起きてください、お客さん!」

しかし、男は一向に反応しない。

車掌は乗務員室に入り、どこかに連絡している様子が伺えた。

 

迷惑な話、で終わるつもりはない。

僕はこの様子を眺めながら、

「これはかつての自分自身なのだ」とすっかり恐ろしくなってしまった。

僕自身も酔っ払うとすぐに寝てしまうし、そう簡単には起きない。

僕もこの男と同じように何度も車掌なりその他もろもろの方々に迷惑をかけているのだ。

 

自分としては「酔っ払って寝過ごした」というのは単なる笑い話のつもりでいたが、

いろんな方に迷惑をかけていたのだなあ、なんてことを痛感した次第。

だからといって酒はやめられんしなあ、、、、

 

電車は十三についた。

駅員がひとり乗り込んできて、車掌と何やら話し、男に声がけをする。

しかし、男は反応しない。

電車は梅田に着いた。

車掌と駅員が男に声がけする様子を見ながら、僕は電車を降りた。

 

 

 

京都市営地下鉄烏丸線の電車に乗りつつ、

東西線京津線の絡みでたまに乗ることあれど、

烏丸線なんていったい何年ぶりなんだろうか

と、ずっと考えていたけど、全然思い出せない。

 

僕の頭の中では烏丸線といえば北大路行きであったのだが、

平成2年に北山まで、平成9年に国際会館まで延伸したらしいから

へたすりゃ中学生か高校生の時以来、かもしれぬ。

そんなことをあれこれ考えているうちに国際会館行きの電車は北山駅に到着した。

 

 

地上に出ると雨は時折強さを増しつつ降り続いているし、

何だかなあ、とは思うが目的地は目と鼻の先なもので訪ねてみた。

出口から15秒ほど京都府立陶板名画の庭に到着。

 

 

サイトの案内を借りれば

京都府立陶板名画の庭は、名画の美しさをそのままに再現した丈夫な陶板画を安藤忠雄氏設計の施設に展示するもので、屋外で鑑賞できる世界で初めての絵画庭園です。

http://kyoto-toban-hp.or.jp/

とのこと。

入館料は驚きの100円!

つーてもそれが分かってたから来た、ってのもあるけど(笑)

関西ローカルのテレビ番組で紹介されていて気になってた場所だった。

 

 

何かいいって京都市内の施設とは思えぬほどすいていることか。

この日は雨だったとはいえ日曜日である。

しかし、館内に自分以外、だれも客の姿はない。

ただひたすら、雨音だけが響いている。

 

 

正直言って名画にそれほど関心はないのだけど、

安藤忠雄さん設計のこの空間には興味があったりする。

 


結局この空間を独り占めしたまま陶板名画の庭を後にした。

ぜひ晴れの日にも再訪したい。

 

さて、どうすっか。

当初の予定ではここから南下して飯食って、

再び烏丸線に乗って風呂に入って、というつもりでいた。

しかしながら雨は止む気配はない。

さらに京都特有の湿度が歩く気力を奪っていく。

 

結局、予定変更して東西線に乗車することにした。

 

蹴上で下車。

インクラインから南禅寺水路閣へと歩く。

 

 

水路閣は大勢の外国人観光客で賑わっており、

さまざまな言語が飛び交っている。

 

 

ここも随分久しぶりだなあ、いつ以来だろうかとグーグルフォトで京都と検索したら

2011年6月にこの場で撮った写真が出てきた。

いろいろ言われてるグーグルフォトだけど個人的にはやはり便利だなあと思う。

 

 

南禅寺を抜けて蹴上駅へ戻る。

ぼちぼち腹も減ってきたし、どうするか。

 

あれこれ思案した結果、

東西線の末乗区間である御陵駅より先を目指すことにした。

さらに調べてみると、石田駅近くに朝からやってるそば屋さんがあるようだ。

駅からも近いし向かってみよう。

 

 

石田駅で下車。

長い地下通路を抜けてから歩くこと数分で目的のお店に着いた。

おそば屋さんのはずなのになぜか「モーニング」の文字。

店内に入るとまさに昭和の喫茶店

僕が座ったテーブルには果実酒が並んでいる。

 

店員の女性が「モーニングにされますか? お食事は11時からなんですけど、今注文受けたら作りますんで」と両方のメニューを出してくれた。

この時点で10時55分。

モーニングメニューにはトーストの他に「うどんモーニング」なんてのもある。

どうしても「うどんモーニング」が気になってしまい、注文。

 

 

適度なサイズのうどんと、白ごはん、さらにお新香。

何もかもがうまい。

食事を終えるタイミングを見計らってコーヒーが出てきた。

 

 

常連さんの雰囲気からも思いっきり喫茶店なんだけど、

後から入ってきた人は漫画をどっさり手にして刺身定食食べてたり、と、

なんとも不思議な空間だった。

会計をすまして奥をみると座敷があって、

そこは思いっきり「そば屋」の雰囲気に満ちていた。

今度はぜひそばを食べに来てみたい。

ごちそうさまでした。

 

せっかくなので終点の六地蔵駅まで行ってみた。

 

 

ここは京都市ではなく宇治市になるそうな。

(同駅名でも地下鉄とJRは宇治市で京阪は京都市伏見区らしい)

駅を出ると巨大なマンションが並び建っていた。

 

 

さて、たっぷり汗もかいたし風呂にしよう。

東西線の駅に近く、かつ時間に営業している銭湯、で調べてみると、

太秦天神川駅近くの銭湯が日曜は朝から営業していることがわかった。

そんなわけで終点まで乗り通す。

所要時間は33分。

 

 

太秦天神川駅から路地に入った先に「やしろ湯」さんはあった。

想像していた以上に立派な施設。

 

 

フロントと脱衣場は2階、

浴室は階段を降りた1階であったが、

これが実に広い。

特に水風呂は一般的な銭湯としてはかなり大きい部類に入るのではなかろうか。

 

サウナのある銭湯の水風呂って案外小さいものが多いし、

昨今のサウナブームもあってか誰かしら入っているし、

気の弱い僕はつい遠慮してしまうのだけど、

ここだとサウナーの皆様とも十分に一緒に入れる広さがある。

じっとり汗ばんだ身体には実に心地よい。

 

そして京都の銭湯を訪れるたびに思うけど、

若い方を多く見かける。

この日もそれなりのお客さんで賑わっていたけど、

半数、いや、3分の2以上は明らかに僕より若いような気がした。

やはり若い方がいると安心する。


やしろ湯さん、いいお湯でした。

 

 

さ、帰るかな。

今日はとりあえず酒を控えよう、そんな気になっていたけど、

やはり僕には無理だった。

太秦天神川駅近くのスーパーで缶ビール一本買って、

ぐびりと飲み干してから帰路についた。