自分にとっては慣れ親しんだ駅名(地名)でも、まわりから見ると「すごい」とか「変わってる」と言われることは多々ある。
たとえば僕の実家の最寄り駅は赤穂線の「天和」であり、
幼少期から何の違和感もなく過ごしてきたが
麻雀好きな人に言わせれば(僕は全く麻雀を知らぬが)
麻雀の「天和」は奇跡の役満といわれているらしく、
何とも縁起の良い駅名、となるそうな。
そんなことを意識しつつ山陽本線の駅を眺めていくと、
加古川のひとつ西寄りに「宝殿」という駅がある。
普通電車で車内放送を聴いていると「ほうでん」であるから、
あまりピンとこなかったけど、
冷静に考えれば「宝」の「殿」とは何ともありがたい駅名であるような気がしてくる。
そしてこの駅名の由来は近くにある生石(おうしこ)神社の奇石、「石の宝殿」であるという。
さらに「石の宝殿」は宮城県御釡神社の神竈、宮崎県霧島東神社の天逆鉾とともに「日本三奇」のひとつとして知られているという。
うーむ、兵庫県出身であるが全然知らなんだ。
そんな訳で今回は石の宝殿を訪ね、帰路に加古川でひとっぷろ浴びてくる、そんな計画をたてた次第。
駅の住所は高砂市であるが、地図で確認するとホームの東寄り、ならびに南口の駅前周辺は加古川市となっている。
↓高砂市
↓加古川市
生石神社に向けて住宅街の中を一直線に道路が伸びている。
国道2号線との交差点をすぎたあたりからは高砂市となるらしい。
宝殿駅から歩くこと約25分で生石神社に到着。
この日は雲多めで道中は蒸し暑かったが、
一気に空気が変わるのを感じる。
階段を登る、
冗談抜きで息切れする(涙)
境内に足を踏み入れ、石の宝殿を見上げた。
スマホのカメラでは全容を写すことが不可能な大きさ。
ただ、ただ、圧倒される。
以下は高砂市のサイトより抜粋。
石の宝殿は、阿弥陀町生石にある生石神社のご神体で、「浮き石」や「日本三奇」の一つとも呼ばれています。
一辺5メートルを超える巨大な直方体の石造物で、背面には突起がついています。国内でも他に類例がなく、大変貴重な文化財です。生石神社境内にある建築や石造物、古墳(竜山1号墳)も、石の宝殿とあわせて、国指定史跡となりました。
奈良時代の『播磨国風土記』に、家の形をした「大石」として登場し、少なくとも1300年以上前から存在していたことがわかっています。しかし、なぜ、だれが、何のためにつくったのか、神がつくった神殿説や、大王の石槨(せっかく)説など、謎を残したまま、さまざまな諸説が展開されています。
石の宝殿から裏手の山へ続く道があったので登ってみた。
上から眺めた方が石の宝殿の全景が見やすいように思った。
宝殿山、60メートルとある。
眺めもなかなか良好。
今の僕にはこれくらいの山がちょうどいい(笑)
生石神社を後にして加古川駅を目指した。
昔から電車に乗ってても車から眺めても
こうして近くで眺めると、
石切り場のすぐ近くまで住宅が迫っておりなかなか迫力がある。
道中で「ブライダル都市高砂」云々という標記を見かけた。
はて、どういうことかと思ったら高砂市のサイトに答えが記してあった。
結婚式やめでたいとき謡われる、「たかさごやこの浦舟に帆を上げて…」ではじまる謡曲「高砂」と平和と長寿の象徴である「尉と姥」のいわれの発祥の地である高砂市では、これを現代にうけつぎ、生涯のなかでの男女が夢をかたるまちをイメージに、昭和63年7月にブライダル都市宣言を行いました。
この宣言は、ブライダルを単に結婚という意味にとどめず「愛・長寿・和合・平和」をテーマに掲げ、子どもから高齢者まですべての市民が、夢があり、健康で明るく生きがいのある生活をおくれるよう、それにふさわしいまちづくりの推進をうたうものです。
いつしか加古川市へ。
駅へと向かう裏道を歩いているといきなり商店街が現れた。
加古川にもこんなアーケードが残っていたとは、、、、
暑さを避けるため、朝から歩いていたこともあって、
ここまで来てもまだ飲食店は開いていない時間だった。
そんな訳で先に風呂を目指すことに。
今回も加古川駅にほど近い千代の湯さんにお邪魔した。
営業時間は7時から23時30分、シャンプー、ボディーソープ完備で入浴料は490円(サウナは別途100円)と、ただただありがたい施設。
脱衣場も浴室もスタッフの方がこまめに掃除されているもので、
常にキレイで好印象。
汗ばんだ身体に水風呂が心地よい。
加古川は入浴施設が充実しており、
海側から「あかねの湯」さん、「ぷくぷく温泉」さん、そしてこちらの千代の湯さん、さらに日帰り入浴可能な宿泊施設「みとろ荘」さんなどがある。
ひと通りお邪魔してるけど、どこも個性的、かつ楽しい。
ぼちぼちというか、入浴前から既に腹が減っていた。
さきほど通った商店街で、開店前の食堂からいい出汁の香りが漂っていたことを思い出し、向かってみることにした。
何とも渋い店内は若い男女から家族連れ、老夫婦まで多彩な方々で賑わっていた。
腹回りの「中年化」を考えると控えめにしなきゃとは思うが、
結局せっかく加古川に来たのだしと、かつめしとミニうどんのセットを注文。
待ってる間にとなりの一人客のもとにカレーライスが配されて、
これまたいい香りが漂ってきて空腹感がさらに増す。
最近ちょくちょくかつめしも食べてるけど案外店によって印象が違うなあと思ったりする。
そして空腹を満たすには最適な食べ物であったりする。
ごちそうさまでした。
僕は加古川駅に向かい、始発の普通電車に揺られて明石へ帰った。
そうそう、僕が愛してやまない姫路の「えきそば」、
なんと加古川駅でも食べることができるそうな。
いやはや知らなんだ、これから加古川を訪れる機会が増えそうだ(笑)