北陸徘徊人(元)

富山、福井、石川を中心にゆるーい旅を満喫中

青春18きっぷでもつ次郎、な徘徊

食文化の違い、なのだろうけど、

兵庫県に帰ってきてから「もつ煮」の印象がずいぶん変わってしまった。

 

僕は長らく富山の糸庄の「もつ煮込みうどん」や、

群馬県の「もつ煮」みたく、いわゆる「豚もつ」を煮込んだもの、と思っていたが、

関西では「牛」が主流であるようだ。

 

さらに居酒屋で「もつ煮」を頼むと、

これは「スジ煮」ではないのか、と思うことが多々あり、

未だに想像どおりの「もつ煮」に出会っていない。

そんなもので長らく無性に関東風の「もつ煮込み」を食べたいと思っていた。

 

そんな中、そばチェーンの「ゆで太郎」が、

もつ煮込みを主力商品とした「もつ次郎」の展開を始めた。

どうやら「ゆで太郎」に併設という形で展開しているらしい。

 

ゆで太郎」は富山に居た頃にハマったお気に入りの店のひとつである。

これはぜひ行きたいと思っていたが

そもそも「ゆで太郎」自体関西ではほぼ見かけず、

大阪に1件、滋賀に2件あるのみである。

さらに「もつ次郎」を併設しているのは滋賀の2店舗だけらしい。

 

僕はJRの「春の関西1デイパス」が発売されたら、

ぜひ食べに行こうと考えていた。

しかしながら、今年の春は販売されなかった。

かといって正規の運賃で滋賀県に行くには案外いい値段がする。

そんなもので夏の「青春18きっぷ」の販売を待つことにして今に至る。

 

そんな矢先、地元の連れと「18きっぷでぶらぶらしよう」みたいな話になった。

さすがに「もつ煮を食べる」のは1人で行くつもりだったもので

四国、京都や奈良、大阪あたりでいろいろ提案したけど、

「人多いし暑そうやな」そんな返事ばかりである。

「実は俺は滋賀でもつ煮込みを食べたいのだ」と提案したら、

「それはいい」とのってきた。

 

とある週末、僕と連れは新快速の車内で落ち合って東へ向かった。

 

 

 

車内で、「もつ次郎」の正式な場所をグーグルマップで確認することにした。

僕はその時まで駅から歩いて10分程度だろうと考えていた。

ところが近江八幡店は近江八幡駅から約2.3キロ、30分と算出された。

むむむ、こんなに遠いのか、では長浜店は、と思いきや、

長浜駅から約3キロ、37分と出た。

 

この日は雲ひとつない快晴、

かつ恐ろしく暑い、まさに「炎天下」。

さすがに30分も歩くのは厳しいような気がしてきた。

 

山科で途中下車。

連れがニコチン補充をしている間、

僕は缶ビールを呑みつつで作戦を練り直すことにした。

 

 

連れは日常生活においてほぼ歩かない。

よく富山にいた時「近所のコンビニでも車で行く」云々という話はよく耳にしたが、

それは我が地元とて同じことである。

 

炎天下の中を連れて歩いて

「もうお前とは出かけない」などと言われたら悲しい。

 

ニコチン補充しながら缶ビールを飲んでいた連れが喫煙所から出てきた。

「クソ暑いし、このまま電車乗り継いで名古屋でも行くか」と問えば、

「何でもええわ」と答えが帰ってきた。

 

草津で再びニコチン補充。

連れは「ここの喫煙所、エアコン付きやった」とご満悦である。

 

 

草津線の柘植行きに乗車。

さらに柘植から関西線・亀山行きに乗り継ぐ。

 

 

連れが「腹減った」と言い出したので、亀山で昼食を取ることにした。

駅前に出て、相変わらずのニコチン補充中に

良さげなところはどこかないかと検索。

 

それにしても、

僕は喫煙所を探すのが面倒になってタバコを吸わなくなったけど、

(辞めたとは言わない)

愛煙家というのは執念で喫煙所を見つけるよなあ、

たいしたもんだなあ、と妙な関心をしてしまう。

 

 

最初に検討をつけていた店は営業開始前だったものでパス、

はたして2軒目はと思ったら営業中だった。

ここまで駅から10分も歩いていないがとにかく暑い。

ただ、今年の暑さは「べちょっ」とした暑さではなく、

カラッとした暑さだよなあ、とは思う。

(後日農業やってる連れも同じようなことを言っていた)

 

人気ナンバー2とあった「ももミソ定食」を注文。

 

 

このガッツリした味噌味っていうのも関西ではほぼ見かけないが、

白飯がいくらでも食える旨さ。

連れも「うめえなあ」を連発していた。

ごちそうさまでした。

 

 

亀山からは快速・名古屋行きに乗車。

2両編成のワンマン列車で運転士が出発前にアナウンスをしていたけど、

日本語に続いて流暢な英語が続いていた。

車掌や駅員だけでなく、運転士も英語力が必要な時代なのか、

と思う。

 

 

快速名古屋行きは四日市までは各駅停車、

その先の停車駅は桑名のみというなかなかの爆速っぷりで

名古屋駅に到着した。

 

 

久しぶりの名古屋。

食べたいものはいくらでもあるし、

行きたいところもいくらでもある。

しかしながら僕は初心に戻ることにした。

「なあ、やはりもつ次郎に行くぞ」僕は言った。

「おう」と連れは言った。

 

名古屋市内にも「もつ次郎」はあるが、

名駅からは若干遠く、地下鉄利用+徒歩といったところか。

JRの駅が近い店舗はどこかないかと探せば

岐阜の穂積店が穂積駅から1.1キロ、約14分と算出された。

 

 

土曜の昼下がり、新快速の車内は空いていた。

通路を挟んだ隣におっさんが一人で座っている。

このおっさん、袋をガサゴソやりだしたと思ったら、

堂々とエロ本を広げて読み始めた。

うーむ、エロ本ってまだ健在だったのね(汗)

穂積駅で下車。

 

 

穂積駅からまっすぐ南下して国道21号線を目指す。

電車を降りてから、連れは「暑い」以外の言葉を発していないような気がする。

 

 

国道21号線をくぐると、

目的の店「もつ次郎・穂積店」が現れた。

すぐ隣には何かと話題の某中古車店もあった。

 

 

迷うことなく「もつ呑みセット」を注文。

(アルコール1本つき)

通常760円が8月末まで660円とのこと。

食券を購入してしばらく待つと番号が呼ばれた。

これよこれ、僕が求めていた「もつ煮込み」はこれよ!!!

 

 

余計なことは言わぬ。

ただただ旨い。

連れも「もういっぱい食っても良かったなあ」なんて言っている。

ゆで太郎ももつ次郎も兵庫県に出店してほしいなあ、

と心底願うが

ないからこそ今日みたいな徘徊ができているのだ、とも思う。

 

 

ようやく目的を達したので後は帰るだけであるが、

その前にひとっ風呂浴びていきたい。

ただし駅からできるだけ近いところで、と、検索。

 

米原で新快速を乗り継いで草津で下車。

今回お邪魔したのは桜湯さん。

 

 

番台には優しい雰囲気のお母さん。

脱衣場、浴槽内とも適度に賑わっていて、

一見して学生風の兄ちゃんもいる。

僕と同年代に「見える」方が大半のような気がした。

 

浴室内で目をひくのは「岩風呂」の存在。

内湯でこんな立派な岩風呂をお見受けしたのは岐阜市内の「のはら湯」さん以来、

ではなかろうか。

湯は適度にぬるく、ボーッと入るにはちょうどいい塩梅。

対して主浴槽はきりりとした熱さ。

これがなんとも心地よい。

 

水風呂は1人サイズであったが、

誰か一人が長居する訳ではなく、

適度な時間で譲り合っている様子が見受けられた。

いろんな意味で心地よい銭湯だった。

 

 

風呂上がり、銭湯の前で一服していた連れが

「ええ湯やったー、スッキリしたー」

とご満悦な表情を浮かべている。

後はビールが飲めればそれでいい。

 

僕らはこの後草津の居酒屋でぐびりと呑み、

その後は姫路でもぐびりと呑み、

ようやく帰路についた。